
月桃の葉に包まれ、ひらがなの 「 の 」 の字が書かれた ” ぎぼまんじゅう ”







那覇市首里の久場川に店を構える 『 ぎぼまんじゅう 』
( 通称:のまんじゅう、1個税込150円 ) のまんじゅうである。
中華まん風の大きめのあんまんで、
食紅で大きく“の”と書かれた素朴なまんじゅうである。
そんな「 ぎぼまんじゅう 」 を知ってから5年になる。
でも、なかなかそこまで辿りつけなかった。
昔の店は、末吉宮の帰りに歩いて行きかけたが、
途中で 「 ぎぼまんじゅうはもう、売り切れて無いですよ。 」 と言われ引き返した。
2度目は店を探し出せず、3度目は日曜日で定休日だった。
そして4度目にしてやっと買えた。
「 ぎぼまんじゅう 」 の近くにある羽地朝秀の墓は、
3年がかりで5度目にしてたどり着いたのとよく似ている。
それだけに達成した時の喜びや感動も大きいものである。
店内は撮影禁止なので、店内の情景は写せなかったが、
白いまんじゅうに 「 の 」 の字を書きますか?と訊かれて、
「 ハイ! 」 と答えると、見ている目の前で、
朱色の食紅で鮮やかに 「 の 」 の字を書いてくれた。
その “ の ” の字はのしの意味で、
昔からこのまんじゅう一種類で “ の ” を書けばお祝い用、
何も書かないものは法事用、とオールラウンドな用途に使っていたそうである。
お祝いでも何祝い用というのが特に決まってないので、
結婚式や新築祝い、進学祝い、出産祝い、入退院祝い、
どんなことにも使えるからとひいきにしてもらっている方も多いという。
だから、一度に数十個まとめて買って行く人もいて、
開店と同時に行かなければ、手に入らないこともあるとか・・・
やっと手に入れた5個の 「 ぎぼまんじゅう 」 は、
月桃の葉に包まれ、そのまま那覇空港に向かった。