「 九州 ・ 沖縄 ぐるっと探訪 」

九州・沖縄・山口を中心としたグスク(城)、灯台、石橋、文化財および近代土木遺産をめぐる。

長崎県佐世保市黒島 「 カトリック黒島教会 」

2016-07-24 02:44:39 | 教会







































































黒島は、佐世保の名勝・九十九島のひとつで、
江戸時代後期、平戸藩が入植を認めると外海 ( そとめ ) や
生月 ( いきつき ) 島の潜伏キリシタンが多く移住した島である。
1865年3月、長崎の大浦天主堂で 「 信徒発見 」 がなされると、
その2ヵ月後には早くも黒島から20人が大浦天主堂を訪ねて信仰を打ち明けた。
当時はまだ禁教が解けていなかったので様々な迫害があったが、
島内信者全員約600人はカトリックに復帰した。

当初は信者の家を御堂にしていたが、1878年に木造の教会ができた。
1897年に着任したマルマン神父は、本格的な教会を建設することを伝え、
自らペンをとって設計した。
信者もこれに応え、資金供出と献身的な労力奉仕により、
1902年にレンガ造りの堂々たる教会が完成した。
この島特産の御影石が多く使われ、
祭壇の下には1,800枚の有田焼磁器タイルが敷き詰められている。
その後、マルマン神父は1912年に没するまで黒島で過ごした。

教会はロマネスク様式の構成で、正面には城塞のような四角形の鐘塔があり、
中央に 「 天主堂 」 の文字の額縁とバラ窓を持つ堂々とした建物で、
後方の半円形煉瓦造りの外壁が特徴的である。
アーケード、トリフォリューム、高窓などを備えた完成された形の聖堂で、
高窓のステンドグラスから差し込む光は、
聖堂の崇高さをさらに高めている。
内部のリブ・ヴォールト天井は完成の域に達したと評価されており、
1998年に国の重要文化財に指定された。



所在地  / 長崎県佐世保市黒島町3333

教会の保護者  / イエズスのみ心