小林一茶の、この句は知らなかった。
頂戴物の「栗蒸し羊羹」の包装紙に書いてあった。
大阪心斎橋の「庵月」という店のものである。
ボクは十七文字なら、俳句よりも川柳の方を好む。
芭蕉はあまり好きではない。一茶は庶民的で良いなと思う。
矢張り三十一文字の側に立つ。
最も好きなのは、古今集だが、万葉集では庶民の歌に心が
うたれる歌が多い。
特に防人の歌の中に、涙を伴うものが多い。
時の王朝は、なぜ九州の防備に関東以北の人を徴兵したか。
「唐ころむに取りつき泣く子らを置きてぞ来ぬや母なしにして」
こんな残酷な歌もない。父の衣服にすがって泣く子らには、
育ててくれる母も居ないのである。徴兵された男の妻は死んだのだ。
村には役所もあって、この男の状況を把握していただろうに。
これは、父子の永遠の別れの場面だ。残された子らは飢えて死ぬか
タチの悪い親戚に、売られる運命が待っている筈だった。
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