「統一球は飛ばない」という言葉に負けたんだと、
落合前中日監督は言った。
飛ばないと言われたら、バッターは力む。
力むとスイングがブレて、バットと球の間にズレが出る。
それで新井・金本・ブラゼルがみんなやられた。
マートンが意外と打ったのは、途中で力むのをやめて、
シャープなバッティングに戻したから。
西武の「お代わりクン」こと中村だけが、統一球を物ともせず
にホームランを量産した。本人は50本に2本足りなかったと
不満げである。
何故ホームランが打てるのかと訊かれた中村が答えていわく。
「しっかり打てば飛びます」。統一球も関係がなかったらしい。
バッターボックスに入れば常にホームランを狙っているとも。
ホームランの失敗がヒットです。
なんとも恐れ気もない若者である。
今シーズン中日との試合で左手にデッドボールを受けた。
その翌日右手一本でホームラン。
「あの時の感覚で、ホームランの打ち方が分かった」とも言う。
統一球でも、中村クンの心境になれば、ホームランは出るの
だ。統一球は飛ばないという意識が、バッティング・フォームを
乱したのだ。
統一球は、投手の変化球の曲がり方も変えた。それで打ち
損なったバッターも多かった。
さて今年も終る。来年3月はすぐに来る。
戦う意欲に欠けていた真弓がやめただけでも、タイガースは
強く成れる。久保というバカ・コーチが辞めたことで、投手陣が
蘇るだろう。
新しいシーズンが待ち遠しい。
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