ーーーー速い!
ネウロイを目視したシャリーの第一感想がそれであった。
大型ネウロイとは速度は遅いが火力が大きい。
というのが相場であったがこれは違った。
反転してこちらに向かって来れ楽なのだが、
ウィッチである自分には目もくれずひたすら飛んでいる。
もしかするとこのままでは追いつかないのでは?
そんな不安がシャリーを襲い、牽制射撃でも加えるべきか?
と迷いが生じ、背中に背負った九九式二号二型改13mm機銃に手を伸ばす。
普段のブラウニー・オートマチック・ライフルでないのもルッキーニのせいであり、
シャーリーは感覚が慣れていないとはいえ、
銃は銃だから問題ない、はずと迷いつつ銃を構える。
「狙って・・・狙って・・・」
照準器の中心にネウロイが収まるように狙う。
さらに息を吐き、吸い。息を吐き、吸いと呼吸を整える。
動作を終えてからゆっくりと引き金を引いた。
「っ・・・っと!?」
発砲、そして大口径銃特有の強い反動に襲われる。
普段とは違う感覚にシャーリーは驚き、明後日の方向に弾をばら撒いた。
しかし、即座にウィッチの力で強引に反動を押さえつけ、
正面にいるネウロイに向かって撃ち始めた。
ギリギリ有効射程圏内にネウロイはあるとはいえ、
空戦においてはまず当たることはない距離であったが戦場の女神はシャーリーに微笑んだ。
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