二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

【予告】弓塚さつきの奮闘記~MELTY BLOOD編 ACT.12「雑話」

2017-11-14 00:36:19 | 弓塚さつきの奮闘記~月姫編

そして夜が再び来る。
三咲町の空気はここ最近流れる噂のせいで重い。
人通りは少なく、肌だけでなく内臓まで凍りついてしまいそうな冷気が流れる。

そんな夜の中。
ビルの屋上で黄金の髪を揺らす人物。
アルクェイド・ブリュンスタッドは街を一望しつつ呟いた。

「まあ、予想通りね。
 タタリ本体が出てくるであろう場所は。
 このままだと明日の夜には現れるでしょうね」

はるか彼方に見える建物。
三咲町の中で最も高いビルとなる予定の建物。
そここそが今回の騒動の原因であるタタリが最後に現れる場所であるとアルクェイドは見抜いた。

「・・・でさ、それにしても知ってる?
 あのビルの名前はね『シュライン』と言うの。
 神殿なんて名前を持っているのだけ貴方はどう思うかしら?」

周囲に人影はいないはずだがアルクェイドは誰かがいることを前提に口を開いた。

「ふむ、そうだな。
 この劇を組んだ脚本家は少しは気が利くではないか。
 安直ではあるが観客を満足させる心意気という物を理解しているようだ」

背後で光の粒子が人の形を作ってその男は現れた。
アルクェイドと同じ黄金の髪、血のごとく赤い瞳を持つ男。

しかし、男はガイア側の吸血鬼にあらず。
そして今を生きている人間でもなく、失われた神話世界の人間。

すなわち、

「はぁーあ。
 まっさか英霊。
 しかも人類最古の王様がいるなんて予想外よ。
 ・・・加えて受肉しているようだけど、真っ当な手段じゃないみたいね」

「くくく、見ずとも分かるのか。
 我の名だけでなくあの泥も見抜くか。
 よいぞよいぞ――――流石は真祖の姫、ほめて遣わそう」

「どーもアリガトウゴザイマース」

英雄王ギルガメッシュ。
その名を頂く人間がこの場にいた。

「色々言いたいとことかあるけど、
 貴方はこのタタリに携わる気はない、そうよね?」

「当然であろう。
 王である我が何故役者として動かなくてはならない?
 我は観客席にて雑種共が演ずる劇をゆるりと観賞するのみ」

「・・・そう、好きにすれば」

分かり切っていた回答を聞いたアルクェイドはそのまま立ち去ろうとする。


「ああ、だが面白い人間がいたな。
 たしか名は・・・遠野志貴であったか。
 奴の在り方も興味深いがまさかこの時代にあのような魔眼を持つとはな。
 なかなか希少価値のある存在ゆえに、我の倉に眼だけを保管するのも良いかも・・・」


次に言葉を綴る前に濃密な殺意が場を圧した。










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