ヤン提督代理の鎮守府日記
イベントは皆様どうでしょうか?
自分は未だE2で苦戦中ですが何とかなりそうです。
さて、そんな今話題の艦これのSSでハーメルンに
「もしもヤン・ウェンリーが艦これ世界に漂流したら?」というSSがありました。
まだ始まったばかりで、
ヤンは提督代理の地位にいる金剛の計らいで鎮守府で暮らし、
その才能が発揮される場面はないですが。今後に期待したいです。
「うーん……、どうしまショウかネェ……」
金剛はいかにも『困った』という風に苦笑を浮かべる。
ヤンとしても心苦しかったが、頼る当てなどあるはずもない。
せめて衣食住の、そうでなくとも身分の保証だけは欲しいところだった。
ひとしきり考え込んだ金剛が口を開く。
「ヤンさん」
「はい?」
「まず、ワタシの予想になりマスが、
今のアナタは艦娘ワタシたちや妖精さんに近い存在になってイルのでハ、と考えていマース」
ヤンは黙然として何も語らない。
ある程度予想は付いていたことだ。
そもそも、こうして会話が成立している時点でそれを窺い知ることができる。
金剛は沈黙をを好意的に解釈して話を進めた。
「コレから大量の検査があるハズデース。
その結果、もし艤装を纏うコトが可能であるとなったならば、アナタにも前線に出てもらうコトもあるかもしれまセン」
ヤンは黙って頷く。
この際、ある程度の覚悟はしていた。
まさか仮にも戦時の軍事基地にただ飯ぐらいを置いておくわけにもいくまい。
自分でも肉盾ぐらいにはなれるだろう。いや、それすら厳しいか?……。
そんなヤンのいろいろと覚悟しつつ微妙に情けない表情を読み取ったか、金剛が苦笑した。
「まぁ、大丈夫、と言って良いかはわかりまセンが、多分艤装は反応しまセンヨ。勘デスが」
「勘、ですか……」
自信満々に宣う金剛に、今度はヤンが苦笑した。
初対面の相手に表情を読まれ、なおかつ気遣いまでさせている現状がそうさせたのだった。
どうやら自分もなかなかに参っているらしい。ヤンは改めて少しだけ気を入れ直した。
「それで、その時は私の処遇はどのようになりますか?」
「Hmmm,はっきりとは言えまセンが……、
着の身着のままで外に放り出すようなコトはしないと約束しマース。
きっと身柄は呉うち預かりになりマスから、資料整理あたりの仕事に就いてもらうコトになりマース」
「あぁ、よかった。感謝します、ミス・金剛」
ひとまずそう悪いことにはならなそうだと理解したヤンは金剛に深々と頭を下げた。
金剛はそれを見ると慌てたように言葉を紡ぐ。
「お礼には及びまセーン。上層部うえが何かと忙しい分、
各地の権力や義務が増大してイましテ。コレもその一環だとお考えくだサーイ。ああ、それと私は……」
金剛は一度そこで言葉を切ると、顔の横で左手をひらひらと振って見せる。
その薬指には、シンプルで品の良いシルバーリングが静かに自己主張していた。
「おっと……、失礼しました、ミセス」
「いエ、かまいませんヨ。……では、改めましテ。呉鎮守府司令長官代理兼第一艦隊旗艦、金剛デース!」
「自由惑星同盟フリー・プラネッツ軍……いえ、ヤン・ウェンリーです。よろしくお願いします」
どちらからともなく右手を差し出し、二人は握手を交わす。
一度はその動きを止めたかに見えた魔術師の時計。
しかしそれは、時代と戦乱という名の激流に揉まれ、再び時を刻み始める。
全く違う時代、食い違う世界線。
望むと望まざるとに拘らず、魔術師は再び戦場へと帰還を果たしたのだった。
イベントは皆様どうでしょうか?
自分は未だE2で苦戦中ですが何とかなりそうです。
さて、そんな今話題の艦これのSSでハーメルンに
「もしもヤン・ウェンリーが艦これ世界に漂流したら?」というSSがありました。
まだ始まったばかりで、
ヤンは提督代理の地位にいる金剛の計らいで鎮守府で暮らし、
その才能が発揮される場面はないですが。今後に期待したいです。
「うーん……、どうしまショウかネェ……」
金剛はいかにも『困った』という風に苦笑を浮かべる。
ヤンとしても心苦しかったが、頼る当てなどあるはずもない。
せめて衣食住の、そうでなくとも身分の保証だけは欲しいところだった。
ひとしきり考え込んだ金剛が口を開く。
「ヤンさん」
「はい?」
「まず、ワタシの予想になりマスが、
今のアナタは艦娘ワタシたちや妖精さんに近い存在になってイルのでハ、と考えていマース」
ヤンは黙然として何も語らない。
ある程度予想は付いていたことだ。
そもそも、こうして会話が成立している時点でそれを窺い知ることができる。
金剛は沈黙をを好意的に解釈して話を進めた。
「コレから大量の検査があるハズデース。
その結果、もし艤装を纏うコトが可能であるとなったならば、アナタにも前線に出てもらうコトもあるかもしれまセン」
ヤンは黙って頷く。
この際、ある程度の覚悟はしていた。
まさか仮にも戦時の軍事基地にただ飯ぐらいを置いておくわけにもいくまい。
自分でも肉盾ぐらいにはなれるだろう。いや、それすら厳しいか?……。
そんなヤンのいろいろと覚悟しつつ微妙に情けない表情を読み取ったか、金剛が苦笑した。
「まぁ、大丈夫、と言って良いかはわかりまセンが、多分艤装は反応しまセンヨ。勘デスが」
「勘、ですか……」
自信満々に宣う金剛に、今度はヤンが苦笑した。
初対面の相手に表情を読まれ、なおかつ気遣いまでさせている現状がそうさせたのだった。
どうやら自分もなかなかに参っているらしい。ヤンは改めて少しだけ気を入れ直した。
「それで、その時は私の処遇はどのようになりますか?」
「Hmmm,はっきりとは言えまセンが……、
着の身着のままで外に放り出すようなコトはしないと約束しマース。
きっと身柄は呉うち預かりになりマスから、資料整理あたりの仕事に就いてもらうコトになりマース」
「あぁ、よかった。感謝します、ミス・金剛」
ひとまずそう悪いことにはならなそうだと理解したヤンは金剛に深々と頭を下げた。
金剛はそれを見ると慌てたように言葉を紡ぐ。
「お礼には及びまセーン。上層部うえが何かと忙しい分、
各地の権力や義務が増大してイましテ。コレもその一環だとお考えくだサーイ。ああ、それと私は……」
金剛は一度そこで言葉を切ると、顔の横で左手をひらひらと振って見せる。
その薬指には、シンプルで品の良いシルバーリングが静かに自己主張していた。
「おっと……、失礼しました、ミセス」
「いエ、かまいませんヨ。……では、改めましテ。呉鎮守府司令長官代理兼第一艦隊旗艦、金剛デース!」
「自由惑星同盟フリー・プラネッツ軍……いえ、ヤン・ウェンリーです。よろしくお願いします」
どちらからともなく右手を差し出し、二人は握手を交わす。
一度はその動きを止めたかに見えた魔術師の時計。
しかしそれは、時代と戦乱という名の激流に揉まれ、再び時を刻み始める。
全く違う時代、食い違う世界線。
望むと望まざるとに拘らず、魔術師は再び戦場へと帰還を果たしたのだった。