二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

ヴァルハラの乙女 第1話「原作開始」Ⅰ

2014-02-04 18:27:16 | 習作SS

もう、何年目だろうかこの世界に来てから。

そう思い、廊下の窓越しに夏の透き通った青空を見上げる。
日差しが強く、気温は夏ゆえに高めだがそれ以上に綺麗な青空が心を安らげる。
周囲は前世と何もかも違う環境であったけど、相変わらずこの空だけは変わらない。

「ああ、そうか18年だった、」

そう18年、とうとう今年で18年も異世界の住民として暮らした計算になる。
始めは混乱したし、望郷の念に囚われて夜に枕を涙で濡らしたこともあったし、
時間が経つにつれて前世の家族との記憶が薄れていく恐怖を覚えた。

自分が誰なのか?自分の居場所はどこか?
そもそも実は前世とは自らが生み出した妄想の類ではないか?
そう悩みを抱えてきたが、それもまた時間の経過と共に落ち着き所を見つけていった。

性別が変わってしまったことも、
言語の問題も苦労したがこんな自分でも周囲の手助けのおかげで今日の自分に至った。
新たに得た家族ともだんだん慣れてゆき、このまま平和な日々を過ごすと思ったけど奴らが来た。

ネウロイ

東欧から出現した奴らは、あっという間に欧州から人類を追い出した。
【原作】通りウィッチとして実戦部隊に配属されていたわたしもまたこの戦争に参加した。

実のところこの戦争が始まることに少し期待していた。
何せ【原作】は美少女ミリタリー萌え系のものゆえに、この戦争が始まれば彼女らに会えると知っていたからだ。

けど、その期待は直ぐに現実という大きな壁にぶつかった。
恐怖に震えた避難民の列、最後に母の名を呟き死んでゆく兵士、全てを失い虚ろな表情を浮かべる子供。
勝ち戦でなく、負け戦。それも一般人を巻き込んだ末期戦的性格を持つ戦場はどこまで戦争の現実を教えた。
それ以来、わたしは前世の繋がりや未練を断ち、今ここにある自分の世界を守るべきずっと戦ってきた。

末期戦ゆえに悲しい事の方が多かったし、
どうしてあの時することが出来なかったと後悔した日もある。
けど、それでもネウロイ打倒という目標にわたしがすべき事は変わらない。

そして【原作知識】が正しければ、
この世界の鍵となる人物が間もなくここ501戦闘航空団にやってくる。
彼女はこの世界にとって自分などよりも欠かせない人材だ――――死を前提として盾になって守る価値があるほどに。

「おっと、」

考え込んでいたら、目的地までたどりついた。
報告書を改めて持ち直し、服装を軽く整える。

さて、仕事に戻ろう。

「ミーナ、わたしだ」
「あら、丁度いいわ。入ってトゥルーデ」




コメント
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