小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて18年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

政治的教養の尊重 争点を知ること

2015-07-31 04:51:07 | インポート
政治の本質は、異なる利害や価値観を持った人たちの同意をどうつくっていくかにある。
イギリスの政治学者バーナード・クリックは「争点を知る」ことが重要だというが、つまりこれは、生の政治の中で今何が問題になっているのかを知ることである。
これまでシティズンシップ教育の分野で先進国の後塵を拝してきた日本であるが、今後、欧米諸国にキャッチアップし、政治的リテラシーを教育するためには、学校で生の政治を教材として示すべきである。
そのことが本当の意味での教育基本法第14条にいう「政治的教養の尊重」となり、何が争点になっているかを知ることで、初めて学校教育における政治的中立が確保されるというべきである。
これまで日本の教育現場ではこの点がタブー視されてきたが、2014年10月に学習指導要領の全面改訂に先行して、道徳教育を「特別な教科」とした中教審の答申は、シティズンシップ教育の突破口となる。
道徳の教科化を特定の価値観を押しつけるとして危惧する向きもあるが、これは道徳教育の目指す方向の対極にある。
むしろ、多様な価値観の、時に対立がある場合を含めて、誠実にそれらの価値に向き合い、道徳としての問題を考え続ける姿勢こそ道徳教育の養うべき基本的資質でなのである。



※シティズンシップとは、一つの政治体制を構成する構成員を指す概念で、「公民性」「市民性」などと訳される。
「スポーツマンシップ」「リーダーシップ」「フレンドシップ」
「~シップ」という語尾は、意識、権利、気質などを表す。
こう考えると「市民意識」「市民の権利」「市民の気質」といったニュアンスが見えてくる。