センサー付き文楽人形!? (08/11/29@東京大学駒場キャンパス)
10月30日の徳島新聞に慶応大学の森田寿郎先生(ロボット工学)と東大の植田一博先生(認知科学)が「人間らしさとは何か」を探るために文楽人形を共同研究しているという記事を掲載していました。人が文楽の舞台をみて感動できるのは、人形がまるで人間のようで、しかも、ちゃんと感情を持っているかのように振舞うから。つまり、文楽の動きの中に、人間らしさのエッセンスがあるのではないか-本格的な研究はこれからだそうですが、東大で11月29日に開催された「熟達者の表現を支えるもの」というワークショップで、出来上がったばかりのセンサー付き文楽人形をちょこっと先行公開したのを拝見して参りました。
お人形は「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の政岡。真っ赤な着物で、美形の老女形。パッと見は普通の文楽人形ですが、着物の裾や袂から長いコードがタラーと延びていました。関節部分など9カ所にセンサーを付けてあり、人形遣いさんに演じてもらって、動きをコンピューターで解析するそうです。ワークショップには勘弥さん、清五郎さん、紋臣さんがいらっしゃっていて、ほんのさわりだけですが、上演もして下さいました。冷え込む大学教室の黒板の前という、なんとも、風情のないところではありましたが、でも、やはり、お人形が動き出すと、否が応でも引き込まれてしまいます。死んでしまった息子を抱きしめて、感情を抑えながらも、悲しみに打ちひしがれる場面。テープ再生・音質イマイチの義太夫でも、お人形そのものが、ちゃんと悲しみを表現して、見るものに訴えかけてきました。研究の成果が出るにはずいぶんと時間がかかるようです。しかも、「本当は、男の人形でも実験をしたいけれど、予算不足でメドが付かない」とのこと。ご苦労は多いと思いますが、是非是非、頑張っていただきたいものです! 企業の皆さん、せっかくCSRの予算があるなら、こういう、価値あるところにお金を使いましょう!
ワークショップ終了後、何人かが勘弥さんを取り囲んで質問攻めに。東大のワークショップというわけで、学生さんはアカデミックな質問をしていましたが、私はミーハー心を炸裂させて、ただの文楽ファンのオバチャンとして色々、お話を聞いてしまいました。勘弥さんは、穏やかながら、簡潔、適格で、ちょっとオフレコちっくなことまで楽しくお話して下さり、とってもハッピーなひと時でした。途中で、「そんなに興味があるなら、ちょっと持ってみますか?」とおっしゃって下さり、なんと、政岡を持たせていただきました。女の子の人形なのに、予想以上に、ズシリと重かったです。首全体を動かしながら、瞼を閉じたり、かつ、右手全体を動かしつつ、掌を握ったり、開いたり「いっぺんにこれをやらなきゃいけないって、頭が混乱しそうですね」と言ったら、「主遣いは首と右手を動かすだけではダメなんです。自分が動きながら、左や足に合図を出し、全体としての動きをまとめ上げていかなければならないので、目の配りどころがいっぱいあるんですよ」とのことでした。そして、東大生の女の子が「11月公演、大阪まで見に行きました!」というのに乗じて、「私も!私も会社休んで行ったんです!!」とアピールし、東大生の女の子とともに、記念撮影に応じていただきました。勘弥さんに深く深く、感謝!!
結局ワークショップそのものよりも、お人形ちゃんと勘弥さんで頭がいっぱいになってしまいましたが、でも、とっても有意義な土曜日でした。
10月30日の徳島新聞に慶応大学の森田寿郎先生(ロボット工学)と東大の植田一博先生(認知科学)が「人間らしさとは何か」を探るために文楽人形を共同研究しているという記事を掲載していました。人が文楽の舞台をみて感動できるのは、人形がまるで人間のようで、しかも、ちゃんと感情を持っているかのように振舞うから。つまり、文楽の動きの中に、人間らしさのエッセンスがあるのではないか-本格的な研究はこれからだそうですが、東大で11月29日に開催された「熟達者の表現を支えるもの」というワークショップで、出来上がったばかりのセンサー付き文楽人形をちょこっと先行公開したのを拝見して参りました。
お人形は「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の政岡。真っ赤な着物で、美形の老女形。パッと見は普通の文楽人形ですが、着物の裾や袂から長いコードがタラーと延びていました。関節部分など9カ所にセンサーを付けてあり、人形遣いさんに演じてもらって、動きをコンピューターで解析するそうです。ワークショップには勘弥さん、清五郎さん、紋臣さんがいらっしゃっていて、ほんのさわりだけですが、上演もして下さいました。冷え込む大学教室の黒板の前という、なんとも、風情のないところではありましたが、でも、やはり、お人形が動き出すと、否が応でも引き込まれてしまいます。死んでしまった息子を抱きしめて、感情を抑えながらも、悲しみに打ちひしがれる場面。テープ再生・音質イマイチの義太夫でも、お人形そのものが、ちゃんと悲しみを表現して、見るものに訴えかけてきました。研究の成果が出るにはずいぶんと時間がかかるようです。しかも、「本当は、男の人形でも実験をしたいけれど、予算不足でメドが付かない」とのこと。ご苦労は多いと思いますが、是非是非、頑張っていただきたいものです! 企業の皆さん、せっかくCSRの予算があるなら、こういう、価値あるところにお金を使いましょう!
ワークショップ終了後、何人かが勘弥さんを取り囲んで質問攻めに。東大のワークショップというわけで、学生さんはアカデミックな質問をしていましたが、私はミーハー心を炸裂させて、ただの文楽ファンのオバチャンとして色々、お話を聞いてしまいました。勘弥さんは、穏やかながら、簡潔、適格で、ちょっとオフレコちっくなことまで楽しくお話して下さり、とってもハッピーなひと時でした。途中で、「そんなに興味があるなら、ちょっと持ってみますか?」とおっしゃって下さり、なんと、政岡を持たせていただきました。女の子の人形なのに、予想以上に、ズシリと重かったです。首全体を動かしながら、瞼を閉じたり、かつ、右手全体を動かしつつ、掌を握ったり、開いたり「いっぺんにこれをやらなきゃいけないって、頭が混乱しそうですね」と言ったら、「主遣いは首と右手を動かすだけではダメなんです。自分が動きながら、左や足に合図を出し、全体としての動きをまとめ上げていかなければならないので、目の配りどころがいっぱいあるんですよ」とのことでした。そして、東大生の女の子が「11月公演、大阪まで見に行きました!」というのに乗じて、「私も!私も会社休んで行ったんです!!」とアピールし、東大生の女の子とともに、記念撮影に応じていただきました。勘弥さんに深く深く、感謝!!
結局ワークショップそのものよりも、お人形ちゃんと勘弥さんで頭がいっぱいになってしまいましたが、でも、とっても有意義な土曜日でした。