日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(455)「矛盾ならばQ」と「選言導入の規則」。

2020-01-11 12:46:26 | 論理

(01)
1(1)P   A
 (2)P→P 11CP
然るに、
(02)
1(1)P   A
であれば、「仮定の数」は、1個であり、
 (2)P→P 11CP
であれば、「仮定の数」は、個である。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1 (1)    P    A
1 (2)  ~~P    1DN
1 (3)  ~~P∨Q  2∨I
1 (4)   ~P→Q  3含意の定義
  (5)P→(~P→Q) 14CP
 6(6)P& ~P    A
 6(7)P        6&E
 6(8)   ~P→Q  67MPP
 6(9)   ~P    6&E
 6(ア)      Q  89MPP
  (イ)P&~P→ Q  6アCP
(ⅱ)
1   (1)    P    A
1   (2)    P∨Q  1∨I
 3  (3)    P    A
 3  (4)  ~~P    3DN
 3  (5)  ~~P∨Q  4∨I
  6 (6)      Q  A
  6 (7)  ~~P∨Q  6∨I
1   (8)  ~~P∨Q  23567∨E
1   (9)   ~P→Q  8含意の定義
    (ア)P→(~P→Q) 19CP
   イ(イ)P& ~P    A
   イ(ウ)P        イ&E
   イ(エ)   ~P→Q  アウMPP
   イ(オ)   ~P    イ&E
   イ(カ)      Q  エオMPP
    (キ)P&~P→ Q  イカCP
(ⅲ)
1      (1)    P      A
1      (2)    P∨ Q   1∨I
 3     (3)   ~P&~Q   A
  4    (4)    P      A
 3     (5)   ~P      3&
 34    (6)    P&~P   45&I
  4    (7) ~(~P&~Q)  36RAA
   8   (8)       Q   A
 3     (9)      ~Q   3&E
 3 8   (ア)    Q&~Q   89&I
   8   (イ) ~(~P&~Q)  3アRAA
1      (ウ) ~(~P&~Q)  2478イ∨E
    エ  (エ)   ~P      A
     オ (オ)      ~Q   A
    エオ (カ)   ~P&~Q   エオ&I
1   エオ (キ) ~(~P&~Q)&
            (~P&~Q)  4カ&I
1   エ  (ク)     ~~Q   オキRAA
1   エ  (ケ)       Q   クDN
1      (コ)   ~P→ Q   エケCP
       (サ)P→(~P→ Q)  1コCP
      シ(ス)P& ~P      A
      シ(セ)P          シ&E
      シ(ソ)   ~P→ Q   サセMPP
      シ(タ)   ~P      シ&E
      シ(チ)       Q   ソタMPP
       (ツ)P& ~P→ Q   ツチCP
従って、
(02)(03)により、
(04)
  (ⅰ)P&~P→Q  6アCP
  (ⅱ)P&~P→Q  イカCP
  (ⅲ)P&~P→Q  ツチCP
に於いても、「仮定の数」は、個である。
然るに、
(05)
定理(theorem)とは、仮定の数がゼロ個の証明可能な連式の結論である。
(E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学入門、65頁)
従って、
(02)(04)(05)により、
(06)
①       P→P≡PならばPである。
② P&~P→Q≡PであってPでない(矛盾)ならばQである。
に於いて、
① は「定理(theorem)」であり、
② も「定理(theorem)」である。
然るに、
(07)
普通に考えると、素朴な恒真式(トートロジー)である。
 P→P(PならばPである)
とか、あるいは、
 P∨¬P(Pであるか、またはPでない)
などをいつでも使える出発点(公理)として準備したほうがいいのではないか、と思うでしょう。
(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、140頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
①       P→P≡PならばPである。
② P&~P→Q≡PであってPでない(矛盾)ならばQである。
に於いて、
① だけでなく、
② も、「恒に真(本当)」である。
然るに、
(09)
② P&~P→Q≡PであってPでない(矛盾)ならばQである。
に於いて、
② P&~P≡PであってPでない。
といふこと(矛盾)は、「絶対に起こらない」。
然るに、
(10)
② AならばBである。
といふことと、
② Aならば、そのときに限って、Bである。
といふことは、「同じ」ではない
cf.
② Aならば、そのときに限って、Bである。
として、
② Aでない。ならば、Bでない。
従って、
(10)により、
(11)
② AならばBであるが、Aであることは、絶対にない。
といふことは、
② AならばBであるが、Aであることは、絶対にないので、Bであるかどうかは、分からない
といふ、ことである。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
② PであってPでない(矛盾)ならばQである。
といふことは、
② PであってPでない(矛盾)ならばQであるが、PであってPでない(矛盾)といふことは、絶対に無いので、Qであるかどうかは、分からない
といふ、ことである。
従って、
(02)(12)により、
(13)
(ⅱ)
1   (1)    P    A
1   (2)    P∨Q  1∨I
 3  (3)    P    A
 3  (4)  ~~P    3DN
 3  (5)  ~~P∨Q  4∨I
  6 (6)      Q  A
  6 (7)  ~~P∨Q  6∨I
1   (8)  ~~P∨Q  23567∨E
1   (9)   ~P→Q  8含意の定義
    (ア)P→(~P→Q) 19CP
   イ(イ)P& ~P    A
   イ(ウ)P        イ&E
   イ(エ)   ~P→Q  アウMPP
   イ(オ)   ~P    イ&E
   イ(カ)      Q  エオMPP
    (キ)P&~P→ Q  イカCP
    (〃)PであってPでない(矛盾)ならばQである。 6アCP
に於いても、
(キ)PであってPでない(矛盾)ならばQであるが、PであってPでない(矛盾)といふことは、絶対に無いので、Qであるかどうかは、分からない
といふ、ことになる。
従って、
(13)により、
(14)
     1(1)P   A
     1(2)P∨Q 1∨I
に於ける、
     1(2)  Q
であっても、
ではあるが(2)  であるか、どうかは、分からない
といふ、ことなる。
然るに、
(15)
この規則(選言導入)は、推論の中で意識されることがおおよそないといえます。「彼女は背が高い」という主張をPとしましょう。すると、このPから「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」が導けます。この場合、主張Qは「彼女は美人だ」に対応しています。しかし、「彼女は背が高い」がわかっているのに、わざわざ、「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」とつなげる場面は普通の会話ではあまりないでしょう。数学の証明でも、これが使われる場面はほとんど見かけないような気がします。
(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、156頁改)
従って、
(14)(15)により、
(16)
     1(1)彼女は背が高い。           A
     1(2)彼女は背が高い または 美人である。 1∨I
に於ける、
     1(2)            美人である。 
であっても、「正確」に言へば、
彼女は背が高いが(2)          美人であるか、どうかは、分からない
といふ「意味」である。
然るに、
(17)
(ⅳ)
1   (1)  P∨Q       A
 2  (2)  P         A
 2  (3)~~P         2DN
 2  (4)~~P∨Q       3∨I
 2  (5) ~P→Q       4含意の定義
  6 (6)    Q       A
  6 (7)~~P∨Q       6∨I
  6 (8) ~P→Q       7含意の定義
1   (9) ~P→Q       12568∨E
    (ア) (P∨Q)→~P→Q 19CP
   イ(イ) (P∨Q)&~P   A
   イ(ウ) (P∨Q)      イ&E
   イ(エ)       ~P→Q アウMPP
   イ(オ)       ~P   イ&E
   イ(カ)          Q エオMPP
    (キ) (P∨Q)&~P→Q イカCP
従って、
(05)(17)により、
(18)
③(P∨Q)&~P→Q≡PかQであって、Pでないならば、Qである。
は、「定理(theorem)」である。
然るに、
(13)(17)により、
(19)
1 (1)P   A
1 (2)P∨Q 1∨I
からは、
② P&~P→Q≡PであってPでない(矛盾)ならばQである。
を、得ることは出来ても、
1 (1)P∨Q A
 2(2)P   A
から、
② P&~P→Q≡PであってPでない(矛盾)ならばQである。
を、得ることは出来ない
従って、
(19)により、
(20)
1 (2)P∨Q 1∨I
1 (1)P∨Q A
に於いて、
(2)P∨Q と、
(1)P∨Q は、「同じ」ではない