日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1200)「誤診」の確率(私の父の場合)。

2022-06-27 13:49:11 | 場合の数

(01)
NHK高校講座 数学I(仮説検定

(02)
一枚のコインを、10回トスするとして、
①  0回、表が出る場合の数=10C 0=  1
②  1回、表が出る場合の数=10C 1= 10
③  2回、表が出る場合の数=10C 2= 45
④  3回、表が出る場合の数=10C 3=120
⑤  4回、表が出る場合の数=10C 4=210
⑥  5回、表が出る場合の数=10C 5=252
⑦  6回、表が出る場合の数=10C 6=210
⑧  7回、表が出る場合の数=10C 7=120
⑨  8回、表が出る場合の数=10C 8= 45
⑩  9回、表が出る場合の数=10C 9= 10
⑪ 10回、表が出る場合の数=10C10=   1
然るに、
(03)
一枚のコインを、10回トスするとして、
⑫「」が出る場合の数=①+②+③+④+⑤+⑥+⑦+⑧+⑨+⑩+⑪=1024
従って、
(02)(03)により、
(04)
一枚のコインを、10回トスするとして、
① 0回、表が出る確率= 1/1024
② 1回、表が出る確率=10/1024
③ 2回、表が出る確率=45/1024
然るに、
(05)

という「公式」を「計算」すると、
② 1回、表が出る確率=10×(1/2)の10乗=10/1024
従って、
(04)(05)により、
(06)

 
従って、
(01)~(06)により、
(07)
「1枚のコインを10回投げたところ、表が1回しかでなかった。このコインは細工していると言えるか?」
という「問い」にたいする「答え」は、
 
 

従って、
(01)~(07)により、
(08)
(ⅰ)
「1枚のコインを10回投げたところ、表が1回しか出なかった。このコインは細工されていると言えるか?」
ということを、明らかにするために、「コインは細工されていない(1/2の確率で裏表が出る)」という「帰無仮説」を「仮定」する。
然るに、
(ⅱ)
「コインが細工されていない」と「仮定」すると、1枚のコインを10回投げて、表が1回しか出ない「確率」は「1%にも満たない」。
然るに、
(ⅲ)
「1%にも満たない」ということは、「ほぼ、有り得ない」。
従って、
(ⅱ)(ⅲ)により、
(ⅳ)
「背理法(RAA)」により、「コインが細工されていない」という「仮定」は、「棄却(否定)」される。
従って、
(ⅴ)
「コインは細工されていない(帰無仮説)」は「マチガイ」であって、「二重否定(DN)」により、
「コインは細工されている (対立仮設)」こそが、「正しい」。
従って、
(08)により、
(09)
「仮説検定」というのは、
「帰無仮説」と「対立仮説」という
「二つの矛盾する仮定」を「仮定」した上で、
「帰無仮説」が起こる「確率」を計算して、
「その確率」が、「一定の数値(有意水準)」よりも低ければ、
「帰無仮説」を「否定(棄却)」することによって、
「対立仮説」を「肯定」する「手法」である。
然るに、
(10)
P<0.05は慣習的なものだ。P<0.05を有意水準とする数学的な根拠は無くて、P<0.1でもP<0.03でも構わないが、P<0.05以外を有意水準にするときは、根拠を問われることになる。
(P値と有意水準 | ブログ | 統計WEB)
然るに、
(11)
P<0.05は慣習的なものだ。
とは言うものの、
P≦0.5(半々以下)
であれば、「帰無仮説」を「否定(棄却)」出来ないわけであって、そのため、
P値が、低ければ低いほど、「信頼性」が増すことになることは、当然である。
従って、
(12)
たとえば、P値<0.01の結果が出たときに、「非常に有意」という結論を出している学会発表をみたことはないでしょうか?私はしばしばみかけますが、」「非常に有意」という言葉は、実は有り得ないのです。英検で「すごく合格」という結果が出てくるようなものだからです。
(吉田寛輝、いちばんやさしい医療統計、2019年、50頁)
とは言うものの、私自身は、「非常に有意」という「言い方」をすることは、当然であると、思っている。
然るに、
(13)
(a)

(b)

従って、
(13)により、
(14)
男子={A,B,C}
女子={
であるとして、
男子と女子が、ランダムに、「1列」に並ぶ際に、
女子={
2人が、「4番目と5番目に並ぶ、確率」は、
(3!×2!)÷5!=12÷120=0.1
であって、
女子={
の内の1人が「5番目に並ぶ、確率」は、
(4!×2!)÷5!=48÷120=0.4
である。
従って、
(14)により、
(15)
男子=36人
女子= 5人
の「クラス」で、男子と女子が、ランダムに、「1列」に並ぶ際に、
女子= 5人
が、「37・38・39・40・41番目に並ぶ、確率」は、
(36!×5!)÷41!=約0.0000013344(約75万分の1
である。
従って、
(05)(06)(15)により、
(16)
① 1枚のコインを10回投げて、表が1回だけしか出ない 「確率」=約0.0977
② 5人の女子が、37・38・39・40・41番目に並ぶ「確率」=約0.0000013344
に於いて、
② の方が、
① よりも、「比較にならない」程「小さい」。
然るに、
(17)
という「データ」を、「大きい順に並べ替える」と、
 
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
点滴無し=36回
点滴有り= 5回
の「血液検査」の「赤血球のデータ」を、「大きい順の並べた」際に、
点滴有り= 5回
の「データ」が、「37・38・39・40・41番目に並んだ」とするならば、その場合は、
『点滴をしても、赤血球の数値は下がらない。』という「帰無仮説」は、「棄却」せざるを得ない。
然るに、
(19)
従って、
(18)(19)により、
(20)
『赤血球が少なくなっているのは、点滴で血液が薄くなっている可能性がある。』
という「対立仮説」こそが、「正しい」。
然るに、
(21)
『赤血球が少なくなっているのは、点滴で血液が薄くなっている』からであるとするならば、
「点滴・無し」の際の、「赤血球のデータ」は、「外れ値」として、「除外」しなければ、
ということが言えるのかどうかは、「分からない」。
然るに、
(22)

 
従って、、
(22)により、
(23)
「36回の血液検査」の際にあって、
「2019年01月25日」の「赤血球の値(2.46)」という「値」は、
「中央値(2.51)」よりも「小さい」し、
「平均値(2.48)」よりも「小さい」。
従って、
(21)(22)(23)により、
(24)
「点滴をやめて様子をみたが、01月25日の血液検査で、血液濃縮(脱水)による腎機能の低下が認められた」とは言うものの、仮に、
「点滴をやめた結果として、脱水(血液濃縮)が起こっていた」とするならば、
「36回の血液検査」の内、少なくとも、その「3分の2」である、
「24回の血液検査」に於いても、「脱水(血液濃縮)」があった。
ということに、ならざるを得ない。
然るに、
(25)
「赤血球の値(2.46)」という「値」は、「基準値の下限(4.27)」の、
「60%」にも満たない(胃癌手術後の悪性貧血)である上に、S医師ではなく、本来の主治医であるK医師からは、「脱水(血液濃縮)」に関する「説明」を受けたことなど、ただの一度も無い。
従って、
(23)(24)(25)により、
(26)
「36回の血液検査」の際にあって、
「2019年01月25日」の「赤血球の値(2.46)」という「値」は、
「中央値(2.51)」よりも「小さい」し、
「平均値(2.48)」よりも「小さい」という「事実」を以てすれば、
「2019年01月25日」に於いて、『脱水』があった。
ということは、「有り得ない」ということを、「裁判」では「主張」するつもりである。
然るに、
(27)
「同日(2019年01月27日)」より「輸液(点滴)」を再開した「結果」、どうなったかと言うと、
従って、
(27)により、
(28)
(Ⅰ)
 赤血球は、
「2019年01月29日」には、
「2019年01月18日」と「同じレベル」に戻っている。
(Ⅱ)
 尿素窒素は、
「2019年01月18日」から、
「2019年01月25日」にかけて、「3倍強」に跳ね上がっていて、
「点滴」を「再開」した後の、
「2019年01月29日」になっても、
「2019年01月18日」の「2.5倍」のままである。
(Ⅲ)
クレアチニンは、
「2019年01月18日」から、
「2019年01月25日」にかけて、「1.74倍」になっていて、
「点滴」を「再開」した後の、
「2019年01月29日」には、反って、更に、「上昇」し、
「2019年01月18日」の「1.86倍」になっている。
(Ⅳ)
その「結果」として、父は、
「2019年01月29日、22時21分」に「永眠」した。

(1119)「P→P(同一律)」×3。

2022-06-19 16:56:37 | 論理

(01)
「結論」として、
①((P→~P)→P)→P
②   (~P→ P)→P
③        P →P
に於いて、すなはち、
①((Pならば、Pでない)ならばP)ならばPである。
②      (Pでない、ならばP)ならばPである。
③                  PならばPである。
に於いて、
①=②=③ である。
(02)
(ⅰ)
1(1) P→~P A
1(2)~P∨~P 1含意の定義
1(3)   ~P 2冪等律
(ⅱ)
1(1)~P    A
1(2)~P∨~P 1冪等律
1(3) P→~P 2含意の定義
従って、
(02)により、
(03)
① P→~P
②     ~P
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
① P→~P
②     ~P
に於いて、
①=② であるため、
①(P→~P)→P
②      ~P  →P
に於いても、
①=② である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1  (1)  (P→~P)→P A
1  (2) (~P∨~P)→P 1含意の定義
1  (3)~(~P∨~P)∨P 2含意の定義
 4 (4)~(~P∨~P)   A
 4 (5)   P& P    4ド・モルガンの法則
 4 (6)   P       5冪等律
  7(7)         P A
1  (8)   P       14677∨E
(〃)
1  (1)   P       A
1  (2)   P& P    1冪等律
1  (3)~(~P∨~P)   2ド・モルガンの法則
1  (4)~(~P∨~P)∨P 3∨I
1  (5) (~P∨~P)→P 4含意の定義
1  (6)  (P→~P)→P 5含意の定義
(ⅱ)
1  (1) ~P→P A
1  (2)~~P∨P 1含意の定義
 3 (3)~~P   A
 3 (4)  P   3DN
  5(5)    P A
1  (6)  P   13455∨E
(〃)
1  (1)  P   A
1  (2)~~P   1DN
1  (3)~~P∨P 2∨I
1  (4) ~P∨P 3含意の定義
1  (5)  P→P 4含意の定義
従って、
(04)(05)により、
(06)
①(P→~P)→P
②      ~P  →P
③       P
に於いて
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
①(P→~P)→P
②      ~P  →P
③       P
に於いて
①=②=③ であるため、
①((P→~P)→P)→P
②   (~P→  P)→P
③        P →P
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1 (1) (P→ ~P)→P   A
 2(2)        ~P   A
12(3)~(P→ ~P)     12MTT
12(4)~(~P∨~P)     3含意の定義
12(5)   P& P      4ド・モルガンの法則
12(6)   P         5冪等律
12(7)   P&~P      26&I
1 (8)       ~~P   27RAA
1 (9)         P   8DN
   (ア)((P→~P)→P)→P 19CP
  (ⅱ)
1  (1)  ~P→P      A
1  (2) ~~P∨P      1含意の定義
 3 (3) ~~P        A
 3 (4)    P        3DN
  5(5)     P      A
1  (6)         P 13455∨E
   (7)(~P→P)→P 16CP
(ⅲ)
1(1)P   A
 (2)P→P 11CP
従って、
(08)により、
(09)
①((P→~P)→P)→P
②   (~P→  P)→P
③        P →P
といふ「論理式」は、3つとも、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
①((P→~P)→P)→P
②   (~P→  P)→P
③        P →P
に於いて、すなはち、
①((Pならば、Pでない)ならばP)ならばPである。
②      (Pでない、ならばP)ならばPである。
③                  PならばPである。
に於いて、
①=②=③ であって、尚且つ、これは、「恒真式(トートロジー)」である。


(1118)(MTTによる)パースの法則の「証明」。

2022-06-16 16:27:44 | 論理

(01)
パースの法則(パースのほうそく)は哲学者であり論理学者であるチャールズ・サンダース・パースにちなむ論理学における法則である。彼の最初の命題論理の公理化において、この法則を公理に採用した。この公理は、含意と呼ばれるただひとつの結合子を持つ体系における「排中律」であると考えることもできる。命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う(ウィキペディア)。
従って、
(01)により、
(02)
((P→Q)→P)→P
といふこと、すなはち、
((PであるならばQである)ならばPである)ならばPである。
といふことを、「パースの法則」といふ。
然るに、
(03)
1  (1)  (P→Q)→P   A
1  (2) ~(P→Q)∨P   1含意の定義
 3 (3)~(~P∨Q)     2含意の定義
 3 (4)  P&~Q      3ド・モルガンの法則
 3 (5)  P         4&E
  6(6)        P   A
1  (7)  P         13566∨E
   (8)((P→Q)→P)→P 17CP
従って、
(02)(03)により、
(04)
『含意の定義・ド・モルガンの法則』を用ひれば、
((PであるならばQである)ならばPである)ならばPである。
といふことを、「パースの法則」が、「恒真式(トートロジー)」であることを、「簡単に証明」出来る。
然るに、
(05)
次(06)に示す通リ、
『含意の定義・ド・モルガンの法則』を用ひなくとも、
①  (P→Q)→P      であって、その上、
②   Pでない。       とすると、
③   Pであって、Pでない。 といふ風に、「矛盾」が生じるため、
④   Pである。       といふことになり、それ故、
⑤((P→Q)→P)→P   である。
(06)
1    (1)  (P→ Q)→P  A
 2   (2)        ~P  A
12   (3) ~(P→ Q)    12MTT
  4  (4) ~(P&~Q)    A
   5 (5)   P        A
    6(6)     ~Q     A
   56(7)   P&~Q     56&I
  456(8) ~(P&~Q)&
          (P&~Q)    47&I
  45 (9)    ~~Q     67RAA
  45 (ア)      Q     9DN
  4  (イ)   P→ Q     5CP
124  (ウ) ~(P→ Q)&
          (P→ Q)    3イ&I
12   (エ)~~(P&~Q)    4ウRAA
12   (カ)  (P&~Q)    エDN
12   (キ)   P        カDN
12   (ク)   P&~P     2キ&I
1    (ケ)    ~~P     2クRAA
1    (コ)      P     ケDN
     (サ)((P→Q)→P)→P 1コCP
然るに、
(07)
((P→Q)→P)→P
((PであるならばQである)ならばPである)ならばPである。
といふ「パースの法則」を、初めて見たとき、
「ずいぶんと、変はった恒真式」であると、思ったことは、事実である。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1  (1)  (P→Q)→P A
1  (2) ~(P→Q)∨P 1含意の定義
 3 (3)~(~P∨Q)   2含意の定義
 3 (4)  P&~Q    3ド・モルガンの法則
 3 (5) (P&~Q)∨P 4∨I
  6(6)        P A
  6(7) (P&~Q)∨P 6∨I
(ⅱ)
1  (1) (P&~Q)∨P A
 2 (2) (P&~Q)   A
 2 (3)~(~P∨Q)   2ド・モルガンの法則
 2 (4)~(~P∨Q)∨P 3∨I
  5(5)        P A
  5(6)~(~P∨Q)∨P 5∨I
1  (7)~(~P∨Q)∨P 12456∨E
1  (8)~(~P∨Q)→P 7含意の定義
1  (9)  (P→Q)→P 8含意の定義
従って、
(08)により、
(09)
①(P→ Q)→P
②(P&~Q)∨P
に於いて、すなはち、
①(PであるならばQである)ならばP)
②(PであってQでない)か、またはPである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(10)
②(PであってQでない)か、またはPである。
といふのであれば、いづれにせよ
③  Pである。
といふことは、「当然」である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① (PであるならばQである)ならばP)
② (PであってQでない)か、またはPである。
③   Pである。
に於いて、
①=② であって、その上、
②⇒③ であるため、
①⇒③ であって、それ故、
①((PであるならばQである)ならばPである)ならばPである。
といふ「命題」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(12)
①(P→Q)→P
といふ「論理式」に対して、
② P→(Q→P)
といふ「論理式」は、すなはち、ラッセルとホワイトヘッドの「公理1」は、
それ自体は、「恒真式(トートロジー)」であるが、
②(P→(Q→P))→P
は、「恒真式(トートロジー)」ではない。
(13)
1(1) P→( Q→P) A
1(2)~P∨( Q→P) 1含意の定義
1(3)~P∨(~Q∨P) 2含意の定義
1(4)~P∨(P∨~Q) 3交換法則
1(5)(~P∨P)∨~Q 4結合法則
1(〃)( 排中律 )∨~Q 4結合法則
(14)
②(Pでないか、Pである)か、または、Qでない。
といふのであれば、
②(Pでないか、Pである)
といふことが、「真(本当)」であるとしても、
② Pである。
とは、限らない。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
①((P→Q)→P)→P
②(P→(Q→P))→P
に於いて、すなはち、
①((PであるならばQである)ならばPである)ならばPである。
②(Pであるならば(QであるならばPである))ならばPである。
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であるが、
② は、「恒真式(トートロジー)」ではない。
然るに、
(15)
今まで、生きて来て、
①((雨であるならば、家にゐる)ならば雨である)ならば雨である。
②(雨であるならば(家にゐるならば、雨である))ならば雨である。
といふ風に、誰かに対して、発言した人物は、思ふに、殆ど、ゐないはずであるし、バカボンのパパも、
①((雨であるならば、家にゐる)ならば雨である)ならば雨である。
のやうな「恒真命題(トートロジー)」を、言ってはゐない。
然るに、
(16)
①((雨であるならば、家にゐる)ならば雨である)ならば雨である。
②(雨であるならば(家にゐるならば、雨である))ならば雨である。
から、「括弧」除くと、
① 雨であるならば、家にゐるならば、雨であるならば雨である。
② 雨であるならば、家にゐるならば、雨であるならば雨である。
は、「区別」が付かない。
従って、
(14)(15)(16)により、
(17)
「当然」ではあるものの、
①((P→Q)→P)→P
②(P→(Q→P))→P
に於ける「括弧」は、「無視」出来ない。


(1117)「(目の前に)象がゐる」の「~が」。

2022-06-14 12:33:42 | 「は」と「が」

(01)
(ⅱ)
1  (1)∀x(象x→動物x&動物x→象x)       A
1  (2)   象a→動物a&動物a→象a        1UE
1  (3)          動物a→象a        2&E
 4 (4)      ∃x(~象x&動物x)       A
  5(5)         ~象a&動物a        A
  5(6)             動物a        5&E
1 5(7)              象a        36MPP
  5(8)         ~象a            5&E
1 5(9)         ~象a& 象a        78&I
14 (ア)         ~象a& 象a        459EE
1  (イ)     ~∃x(~象x&動物x)       4アRAA
1  (ウ)   象a→動物a               2&E
1  (エ)∀x(象x→動物x)              ウUI
1  (オ)∀x(象x→動物x)&~∃x(~象x&動物x) イエ&I
(ⅲ)
1  (1)∀x(象x→動物x)&~∃x(~象x&動物x) A
1  (2)∀x(象x→動物x)              1&E
1  (3)   象a→動物a               2UE
1  (4)           ~∃x(~象x&動物x) 2&E
1  (5)           ∀x~(~象x&動物x) 4量化子の関係
1  (6)             ~(~象a&動物a) 5UE
 7 (7)               動物a      A
  8(8)                   ~象a  A
 78(9)               ~象a&動物a  78&I
178(ア)   ~(~象a&動物a)&(~象a&動物a) 79&I
17 (イ)                  ~~象a  8アRAA
17 (ウ)                    象a  イDN
1  (エ)               動物a→ 象a  7ウCP
1  (オ)   象a→動物a&動物a→象a        3エ&I
1  (カ)∀x(象x→動物x&動物x→象x)       オUI
従って、
(01)により、
(02)
② ∀x(象x→動物x&動物x→象x)
③ ∀x(象x→動物x)&~∃x(~象x&動物x)
に於いて、すなはち、
② すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物であり、xが動物であるならば、xは象である)。
③ すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物であって)、尚且つ、(象以外のxで、動物であるx)は存在しない。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)により、
(03)
② 象は動物であり、動物は象である。
③ 象は動物であり、象以外は動物ではない。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(04)
Q:何動物か。
といふ「質問」に対しては、「答へ」ようが無い。
然るに、
(05)
U={象、机、椅子、鉛筆、三角定規}
といふ「集合」を「仮定」すれば、
Q:何動物か。
A:象動物である。
といふ風に、「答へる」しかない。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
① 象動物である。
② 象は動物であり、動物は象である。
③ 象は動物であり、象以外は動物ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 象ゐる。
② 象はゐるし、ゐるのは象である。
③ 象はゐるが、象以外はゐない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
ゾウ(象)は、哺乳綱ゾウ目(長鼻目)ゾウ科の総称である[2][3]。
アジアゾウとアフリカゾウ、それとおそらくはマルミミゾウの、2属3種が現生し、これらは現生最大の陸生哺乳類である。他に絶滅したマンモスやナウマンゾウなどを含む。
(ウィキペディア)
(09)
哺乳類に属する動物の種の数は、研究者によって変動するが、おおむね4,300から4,600ほどであり、脊索動物門の約10%、広義の動物界の約0.4%にあたる。
(ウィキペディア)
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
① 象ゐる。
② 象はゐて、ゐるのは象である。
③ 象はゐるが、象以外ゐない
に於いて、
①=②=③ である。
といふのであれば、その場合は、
①(今、視線の先に)象ゐる。
②(今、視線の先に)象はゐて、ゐるのは象である。
③(今、視線の先に)象はゐるが、象以外ゐない
に於いて、
①=②=③ である。
といふことに、ならざるを得ない。
従って、
(10)により、
(11)
① 象ゐる。
といふのであれば、
① 個体としての、象ゐる。
といふ、ことになる。
然るに、
(12)
① 象ゐる。
と言った「直後」に、
② 象体が大きいなあ。
と言ふのであれば、この場合は、
② 個別の象を目前にして、その象の特徴が、「(見ることは出来ない)象といふ集合の全体の特徴である」といふ風に、言ってゐる。
従って、
(12)により、
(13)
「説明」は「省略」するものの、
① 象ゐる。
② 象体が大きいなあ。
に於いて、
① は、『普遍量記号除去の規則(UE)』に基づいてゐて、
② は、『普遍量記号導入の規則(UI)』に基づいてゐる。


(1116)「これって、演繹定理かな?」(Ⅱ)

2022-06-11 19:25:13 | 論理

(01)
「・・・という仮定が与えられたならば、・・・と正しく結論することが出来る」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。
このためにわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、
断定記号(assertion-sign)とよばれる記号,
 ├
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
(E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、16頁)
然るに、
(02)
① 真,真,真├ B
② ├ 真→(真→(真→B))
に於いて、
① ならば、そのときに限って、② である。
とする。
然るに、
(03)
② ├ 真→(真→(真→))
であれば、
② ├ 真→(真→
であって、
② ├ 真→(真→
であれば、
② ├ 真→
であって、
② ├ 真→
であれば、
② ├
である。
然るに、
(04)
② ├ 真→(真→(真→))
であれば、
② ├ 真→(真→
であって、
② ├ 真→(真→
であれば、
② ├ 真→
であって、
② ├ 真→
であれば、
② ├
である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 真,真,真├ B
② ├ 真→(真→(真→B))
に於いて、
② の「真・偽」は、
② B の「真・偽」に、「等しい」。
然るに、
(01)により、
(06)
├ は、「断定記号(assertion-sign)」であるため、「定義」により、
① 真,真,真├ 偽
ではなく、「恒に」、
① 真,真,真├
である。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
① 真,真,真├ B
②├ 真→(真→(真→B))
に於いて、
① ならば、そのときに限って、② である。
とするならば、「必然的」に、
① 真,真,真├
②├ 真→(真→(真→))
でなければ、ならない。
然るに、
(08)
1  (1)(B→C)               仮定により真。
 2 (2)(A→B)               仮定により真。
  3(3) A                  仮定により真。
 23(4)   B                23肯定肯定式
123(5)   C                14肯定肯定式
12 (6)             (A→C)  35条件的証明
1  (7)       (A→B)→(A→C)  26条件的証明
   (8)(B→C)→((A→B)→(A→C)) 17条件的証明
従って、
(01)(07)(08)により、
(09)
①(B→C),(A→B),A├ C
②├(B→C)→((A→B)→(A→C))
といふ「定理」は、
① 真,真,真├
②├ 真→(真→(真→))
といふ「条件」を満たすところの、『具体例』である。
然るに、
(10)
大西先生、


といふ、「ヒルベルト式の証明」を称して曰く、
公理による証明)かなり難しい作業なので、こういふ風に、難しいんだといふことだけを、分かっておいて下さい
然るに、
(11)
(1)
1  (1)(B→C)               仮定により真。
 2 (2)(A→B)               仮定により真。
  3(3) A                  仮定により真。
 23(4)   B                23肯定肯定式
123(5)   C                14肯定肯定式
12 (6)             (A→C)  35条件的証明
1  (7)       (A→B)→(A→C)  26条件的証明
   (8)(B→C)→((A→B)→(A→C)) 17条件的証明
(2)
1  (1)(A→(B→C))           仮定により真。
 2 (2) A                  仮定により真。
  3(3)    B               仮定により真。
12 (4)    B→C             12肯定肯定式
123(5)      C             34肯定肯定式
1 3(6)    A→C             25条件的証明
1  (7)           B→(A→C)  36条件的証明
   (8)(A→(B→C))→(B→(A→C)) 17条件的証明
(3)
1  (1)(A→B)               
 2 (2)(B→C)               仮定により真。
  3(3) A                  仮定により真。
1 3(4)   B                13肯定肯定式
123(5)   C                24肯定肯定式
12 (6)              A→C   35条件的証明
1  (7)       (B→C)→(A→C)  26条件的証明
   (8)(A→B)→((B→C)→(A→C)) 17条件的証明
といふ『証明』は、「極めて、簡単」である。
cf.


従って、
(10)(11)により、
(12)
『自然演繹の証明』は「簡単」であって、『ヒルベルト式の(公理代入による)証明』は「かなり難しい」。


(1115)「両立的選言」と「ド・モルガンの法則」と「実質含意のパラドクス」。

2022-06-10 14:55:28 | 論理

(01)
U={太郎、花子、トム、エマ}
とする。
従って、
(01)により、
(02)
① 花子ではない。
② 太郎であるか、トムであるか、または、エマである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
太郎=日本人の男子
花子=日本人の女子
トム=外国人の男子
エマ=外国人の女子
とする。
然るに、
(04)
 P& Q=日本人であって、男子である。
 P&~Q=日本人であって、女子である。
~P& Q=外国人であって、男子である。
~P&~Q=外国人であって、女子である。
とする。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 花子ではない。
② 太郎であるか、トムであるか、または、エマである。
に於いて、
①=② である。
といふことは、
① ~(P&~Q)
②  (P& Q)であるか、(~P&Q)であるか、または、(~P&~Q)である。
に於いて、
①=② である。
といふことに、他ならない。
然るに、
(06)
② ~P∨Q
といふ「論理式」は、
② (P&Q)であるか、(~P&Q)であるか、または、(~P&~Q)である。
といふ「意味」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① ~(P&~Q)
②  ~P∨ Q
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)
然るに、
(06)により、
(08)
② ~P∨Q
といふ「論理式」が、
② (P&Q)であるか、(~P&Q)であるか、または、(~P&~Q)である。
といふ「意味」である。
といふことは、
② ~P∨Q
に於ける、
②   P が「偽」であって、
② ~P が「真」である場合は、
②  Q の「真・偽」に拘はらず、
② ~P∨ Q
は、「恒に真」である。
といふことである。
然るに、
(09)
② ~P が「真」である場合は、
②  Q の「真・偽」に拘はらず、
② ~P∨ Q
は、「恒に真」である。
といふことは、
② ~P├ ~P∨Q
といふ「連式」が「妥当」である。
といふことである。
然るに、
(09)により、
(10)
② ~P├ ~P∨Q
といふ「連式」が「妥当」である。
といふことは、
1(1)~P   A
1(2)~P∨Q 1∨I
といふ「推論(選言導入の規則)」が「妥当」である。
といふことである。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
② ~P∨Q
といふ「論理式」は、
② (P&Q)であるか、(~P&Q)であるか、または、(~P&~Q)である。
といふ「意味(両立的選言)」である。
とすることによって、「ド・モルガンの法則」が成立し、尚且つ、「選言導入の規則」が「妥当」となる。
従って、
(11)により、
(12)
「両立的選言」と、「ド・モルガンの法則」と、「選言導入の規則」は、
「3つ」で、「1つ」である。
然るに、
(13)
(ⅰ)
1  (1) ~P      A
1  (2) ~P∨ Q   1∨I(選言導入の規則)
1  (3)~(P&~Q)  2ド・モルガンの法則
 4 (4)  P      A
  5(5)    ~Q   A
 45(6)  P&~Q   45
145(7)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  26&I
14 (8)   ~~Q   57RAA
14 (9)     Q   8DN
1  (ア)  P→ Q   49CP
(ⅱ)
1  (1)     Q   A
1  (2) ~P∨ Q   1∨I(選言導入の規則)
1  (3)~(P&~Q)  2ド・モルガンの法則
 4 (4)  P      A
  5(5)    ~Q   A
 45(6)  P&~Q   45
145(7)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  26&I
14 (8)   ~~Q   57RAA
14 (9)     Q   8DN
1  (ア)  P→ Q   49CP
従って、
(12)(13)により、
(14)
「両立的選言」と、「ド・モルガンの法則」と、「選言導入の規則」は、
「3つ」で、「1つ」であるが故に、
① ~P├ P→Q
②   Q├ P→Q
といふ「連式」は、「妥当」となる(実質含意のパラドクス)。
従って、
(14)により、
(15)
P=バカボンのパパは天才である。
Q=太陽は西から昇る。
として、
Pが「偽」であるならば、
① P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は西から昇る。
といふ「仮言命題」は、「真」であって、
P=バカボンのパパは天才である。
Q=太陽は東から昇る。
として、
Qが「真」であるならば、
② P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は東から昇る。
といふ「仮言命題」は、「真」である。
然るに、
(16)
(17)
① P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は西から昇る。
② P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は東から昇る。
といふ「仮言命題」が「真」であるとしても、
① P=バカボンのパパは天才である。
② P=バカボンのパパは天才である。
といふ「命題」が「偽」であるとすれば、
① 太陽は西から昇り、尚且つ、
② 太陽は東から昇る。
といふことは、無い。
然るに、
(18)
1  (1) ~P& P   A
1  (2) ~P      1&E
1  (3) ~P∨ Q   2∨I
1  (4)~(P&~Q)  3ド・モルガンの法則
 5 (5)  P      A
 56(7)  P&~Q   56&I
156(8)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  47&I
15 (9)   ~~Q   68DN
15 (ア)     Q   9DN
1  (イ)  P→ Q   5アCP
1  (ウ)  P      1&E
1  (エ)     Q   イウMPP
   (オ)(~P&P)→Q 1エCP
従って、
(18)により、
(19)
P=バカボンのパパは天才である。
Q=太陽は西から昇る。
であるとして、
③(~P&P)→Q=(バカボンのパパが天才でなくて天才である)ならば、太陽は西から昇る。
といふ「仮言命題(爆発則)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(20)
1(1)  ~P&P  A
 (2)~(~P&P) 11RAA(背理法)
 (3)  P∨~P  2ド・モルガンの法則
従って、
(18)(20)により、
(21)
「矛盾(~P&P)」を「仮定」すると、
「背理法(RAA)」によって、「否定」され、その「結果」として、 「ド・モルガンの法則」により、「P∨~P(排中律)」が「導出」されるため、
1  (1) ~P& P   A
1  (2) ~P      1&E
1  (3) ~P∨ Q   2∨I
1  (4)~(P&~Q)  3ド・モルガンの法則
 5 (5)  P      A
 56(7)  P&~Q   56&I
156(8)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  47&I
15 (9)   ~~Q   68DN
15 (ア)     Q   9DN
1  (イ)  P→ Q   5アCP
1  (ウ)  P      1&E
1  (エ)     Q   イウMPP
   (オ)(~P&P)→Q 1エCP
といふ「計算」は、成立しない。
従って、
(18)~(21)により、
(22)
③(~P&P)→Q
④(P∨~P)
に於いて、すなはち、
③ 爆発律
④ 排中律
に於いて、
③と④ は、「両立」しない。
従って、
(17)(19)(22)により、
(23)
① P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は西から昇る。
② P→Q=バカボンのパパは天才であるならば、太陽は東から昇る。
といふ「仮言命題」が「真」であるとしても、
① P=バカボンのパパは天才である。
② P=バカボンのパパは天才である。
といふ「命題」が「偽」であるとすれば、
① 太陽は西から昇り、尚且つ、
② 太陽は東から昇る。
といふことは、無いし、
③(~P&P)→Q=(バカボンのパパが天才でなくて天才である)ならば、太陽は西から昇る。
といふ「仮言命題(爆発則)」が、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことも、無い。
従って、
(23)により、
(24)
「実質含意のパラドクス」と呼ばれるものは、
実際には、「パラドクス」ではない。


(1114)「これって、演繹定理かな?」

2022-06-09 15:42:30 | 論理

(01)
(ⅰ)
1 (1) P      A
 2(2)(P→Q)   A
12(3)   Q    12MPP
(ⅱ)
1 (1) P      A
 2(2) P→Q    A
12(3)   Q    12MPP
1 (4)(P→Q)→Q 23CP
(ⅲ)
1 (1) P    A
 2(2)(P→Q) A
12(3)   Q  12MPP
 2(4) P→Q  13CP
従って、
(01)により、
(02)
① P,(P→Q├ Q
② P├(P→Q)→Q
③(P→Q)├ P→Q
といふ「連式」は、「妥当」である。
然るに、
(03)
断定記号(assertion-sign)とよばれる記号,
 ├
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
(E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、16頁)
従って、
(02)(03)により、
(04)
① P,(P→Q)├ Q
② P├(P→Q)→ Q
③(P→Q)├ P→ Q
といふ「連式」、すなはち、
① Pであって(PならばQである)が故に、Qである。
② Pなので、(PならばQである)ならば、Qである。
③(PならばQ)なので、Pならば、Qである。
といふ「連式」は、「妥当」である。
然るに、
(04)により、
(05)
A= P
B=(P→Q)
C= Q
とすると、
① A,B├ C
② A├ B→C
③ B├ A→C
といふ「連式」は、「妥当」である。
然るに、
(06)
① A,B├ C
② A├ B→C
③ B├ A→C
といふ「連式」は、
① 二つの条件 AとBが、揃ってゐれば、 そのまま、  Cであるが、
② 先に、条件 Aだけがある場合は、更に、Bが加はれば、その時点でCである。
③ 先に、条件 Bだけがある場合は、更に、Aが加はれば、その時点でCである。
といふ「意味」である。
然るに、
(07)
① 二つの条件 AとBが、揃ってゐれば、 そのまま、  Cであるが、
② 先に、条件 Aだけがある場合は、更に、Bが加はれば、その時点でCである。
③ 先に、条件 Bだけがある場合は、更に、Aが加はれば、その時点でCである。
といふことは、「当然」である。
然るに、
(08)
(ⅳ)
1  (1)         P          A
 2 (2)(~(Q→R)→~P)         A
  3(3)    ~R              A
1  (4)       ~~P          1DN
12 (5)~~(Q→R)             24MTT
12 (6)   Q→R              5DN
123(7)  ~Q                36MTT
(ⅴ)
1  (1)         P          A
 2 (2)(~(Q→R)→~P)         A
  3(3)    ~R              A
1  (4)       ~~P          1DN
12 (5)~~(Q→R)             24MTT
12 (6)   Q→R              5DN
123(7)  ~Q                36CP
12 (8)  ~R→~Q             37CP
(ⅵ)
1  (1)         P          A
 2 (2)(~(Q→R)→~P)         A
  3(3)    ~R              A
1  (4)       ~~P          1DN
12 (5)~~(Q→R)             24MTT
12 (6)   Q→R              5DN
123(7)  ~Q                36CP
12 (8)  ~R→~Q             37CP
1  (9)(~(Q→R)→~P)→(~R→~Q) 28CP
従って、
(08)により、
(09)
④ P,(~(Q→R)→~P),~R├ ~Q
⑤ P,(~(Q→R)→~P)├ ~R→~Q
⑥ P├(~(Q→R)→~P)→(~R→~Q)
といふ「連式」は、「妥当」である。
従って、
(09)により、
(10)
A=P
B=(~(Q→R)→~P)
C=~R
D=~Q
とすると、
④ A,B,C├ D
⑤ A,B├(C→D)
⑥ A├B→(C→D)
といふ「連式」は、「妥当」である。
然るに、
(11)
④ A,B,C├ D
⑤ A,B├(C→D)
⑥ A├B→(C→D)
といふ「連式」は、
④ 三つの条件 AとBとCが、揃ってゐれば、 そのまま、  Dであるが、
② 先に、条件 AとBだけがある場合は、更に、Cが加はれば、その時点でDである。
③ 先に、条件 Aだけ  がある場合は、更に、Bが加はり、更にCが加はれば、その時点でDである。
といふ「意味」である。
然るに、
(12)
④ 三つの条件 AとBとCが、揃ってゐれば、 そのまま、  Dであるが、
② 先に、条件 AとBだけがある場合は、更に、Cが加へれば、その時点でDである。
③ 先に、条件 Aだけ  がある場合は、更に、Bが加はり、更にCが加はれば、その時点でDである。
といふことは、「当然」である。
従って、
(05)(06)(07)
(10)(11)(12)により、
(13)
① A,B├ C
② A├ B→C
③ B├ A→C
④ A,B,C├ D
⑤ A,B├(C→D)
⑥ A├B→(C→D)
といふ「推論」は、当然、「妥当」である。
然るに、
(14)


従って、
(13)(14)により、
(15)
「帰納法」を用ひなくとも、『演繹定理』は、当然、「正しい」。


(1113)「両立的選言」と「排他的論理和」と「実質含意のパラドクス」。

2022-06-08 17:17:53 | 論理

(01)
① 真&真=真
② 真&偽=偽
③ 偽&真=偽
④ 偽&偽=偽
に於いて、
真=1
偽=0
&=×
とすると、
① 1×1=1
② 1×0=0
③ 0×1=0
④ 0×0=0
といふ「掛け算」になる。
従って、
(01)により、
(02)
① 真&真=真
② 真&偽=偽
③ 偽&真=偽
④ 偽&偽=偽
といふ「結果」は、
① 1×1=1
② 1×0=0
③ 0×1=0
④ 0×0=0
といふ「掛け算」に喩へることが出来るため、
「P&Q(連言)」を、「論理」といふ。
然るに、
(03)
① 真∨真=真
② 真∨偽=偽
③ 偽∨真=真
④ 偽∨偽=真
に於いて、
真=1
偽=0
∨=+
とすると、
① 1+1=2
② 1+0=1
③ 0+1=1
④ 0+0=0
といふ「足し算」になるものの、
① 1+1=2
に関しては、
1+1=
とする。
従って、
(03)により、
(04)
① 真∨真=真
② 真∨偽=真
③ 偽∨真=真
④ 偽∨偽=偽
といふ「結果」も、「足し算」に喩へることによって、
「P∨Q(選言)」を、「両立的論理(弱選言)」といふ。
といふ。
然るに、
(05)
① 1+1=
② 1+0=1
③ 0+1=1
④ 0+0=0
ではなく、
① 1+1=
② 1+0=1
③ 0+1=1
④ 0+0=0
といふ「結果」になるものとして、
この場合は、「排他的論理(強選言)」といふ。
然るに、
(06)
「太郎かあるいは次郎が辞書をもっている」と言われるとき、「太郎が辞書をもっている」と「次郎が辞書をもっている」の二つの命題は同時に真になることが可能である。
このような選言は「両立的選言と」呼ばれる。
「太郎は3階か5階にいる」と言われるとき、「太郎は3階にいる」と「太郎は5階にいる」の二つの命題が同時に真になることはありえない。
このような選言は「排他的選言」である。
論理学の「・・・あるいは・・・」は両立的選言に決めてある。それは論理学の体系がよりシンプルなものになるからである。
とりわけ、∨を両立的選言の方に決めておけば、排他的選言の方は∨と&と~によって簡単に表現できる ―(P∨Q)&~(P&Q)―。
(昭和堂入門選書、論理学の基礎、1994年、11頁)
然るに、
(07)
(ⅰ)
1    (1)(P∨Q)&~(P&Q)  A
1    (2) P∨Q          1&E
1    (3)      ~(P&Q)  1&E
 4   (4)        P     A
  5  (5)          Q   A
 45  (6)        P&Q   45&I
145  (7)~(P&Q)&(P&Q)  26&I
14   (8)         ~Q   57RAA
1    (9)       P→~Q   48CP
   ア (ア) P            A
1  ア (イ)         ~Q   9アMPP
1  ア (ウ) P&~Q         アイ&I
1  ア (エ)(P&~Q)∨(Q&~P) ウ∨I
    オ(オ)    Q         A
    オ(カ)  ~~Q         オDN
1   オ(キ)~P            9カMTT
1   オ(ク) Q&~P         オキ&I
1   オ(ケ)(P&~Q)∨(Q&~P) ク∨I
1    (コ)(P&~Q)∨(Q&~P) 2アエオケ∨E
(ⅱ)
1  (1)(P&~Q)∨(Q&~P) A
 2 (2)(P&~Q)        A
 2 (3) P            2&E
 2 (4) P∨ Q         3∨I
 2 (5)   ~Q         2&E
 2 (6)~P∨~Q         5∨I
 2 (7)~(P&Q)        6ド・モルガンの法則
 2 (8)(P∨Q)&~(P&Q)  47&I
  9(9)        Q&~P  A
  9(ア)        Q     9&E
  9(イ)      P∨Q     ア∨I
  9(ウ)          ~P  9&E
  9(エ)       ~P∨~Q  ウ∨I
  9(オ)      ~(P&Q)  エ、ド・モルガンの法則
  9(カ)(P∨Q)&~(P&Q)  イオ&I
1  (キ)(P∨Q)&~(P&Q)  1289カ∨E
従って、
(07)により、
(08)
(P∨ Q)&~(P&Q)
②(P&~Q)∨(Q&~P)
に於いて、すなはち、
①(Pまたは、 Qである)が、(Pであって、Qである)といふことはない。
②(Pであって、Qでない)か、または(Qであって、Pでない)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)(08)により、
(09)
排他的選言」といふ「選言」は、
①(Pまたは、 Qである)が、(Pであって、Qである)といふことはない。
②(Pであって、Qでない)か、または(Qであって、Pでない)。
といふ「選言(disjunction)」を言ふ。
然るに、
(04)により、
(10)
① 真∨真=真
② 真∨偽=真
③ 偽∨真=真
④ 偽∨偽=偽
といふことは、
① 真∨=真
② 真∨=真
である。
然るに、
(10)により、
(11)
① 真∨真=
② 真∨偽=
といふことは、
③ 真
であれば、それだけで、
③ 真∨□
は、そのまま、
③ 真∨□=
である。
然るに、
(12)
1(1)P A
であれば、それだけで、
1(1)真 A
である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
1(1)P A
であれば、それだけで、
1(1)真 A
であるが故に、
 (2)P∨Q 1∨I
は、Qの「真・偽」に拘はらず、「恒に真」である。
然るに、
(14)
① P∨Q
② P▽Q
に於いて、
① が「(PとQによる)両立的選言」であるに対して、
② は「(PとQによる)排他的選言」であるとする。
従って、
(06)(08)(13)(14)により、
(15)
① 真∨真=
② 真∨偽=真
ではなく、
① 真▽真=
② 真▽偽=真
であるならば、
1(2)P▽Q 1∨I
の「偽・真」は、「Qの真・偽」に従って、「」にも、「」にもなる。
従って、
(10)~(15)により、
(16)
1(1)P   A
1(2)P∨Q 1∨I(両立的選言導入)
といふ「推論」は「妥当(valid)」であるが、
1(1)P   A
1(2)P▽Q 1∨I(排他的選言導入)
といふ「推論」は「妥当(invalid)」である。
然るに、
(17)
(ⅰ)
1   (1)   P∨ Q  A
 2  (2)  ~P&~Q  A
  3 (3)   P     A
 2  (4)  ~P     2&E
 23 (5)   P&~P  34&I
  3 (6)~(~P&~Q) 25RAA
   7(7)      Q  A
 2  (8)     ~Q  2&E
 2 7(9)   Q&~Q  78&I
   7(ア)~(~P&~Q) 29RAA
1   (イ)~(~P&~Q) 1367ア∨E
(ⅱ)
1   (1)~(~P&~Q)  A
 2  (2) ~(P∨ Q)  A
  3 (3)   P      A
  3 (4)   P∨ Q   3∨I
 23 (5) ~(P∨ Q)&
         (P∨ Q)  24&I
 2  (6)  ~P      35RAA
   7(7)      Q   A
   7(8)   P∨ Q   7∨I
 2 7(9) ~(P∨ Q)&
         (P∨ Q)  28&I
 2  (ア)     ~Q   79RAA
 2  (イ)  ~P&~Q   6ア&I
12  (ウ)~(~P&~Q)&
        (~P&~Q)  1イ&I
1   (エ)~~(P∨ Q)  2ウRAA
1   (オ)   P∨ Q   エDN
従って、
(17)により、
(18)
①       P∨ Q
② ~(~P&~Q)
に於いて、すなはち、
① PかQの、すくなくとも、一方は、本当である。
② PとQの、両方が、同時にウソである。といふことはない。
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
然るに、
(16)(17)により、
(19)
(ⅱ)
1   (1)~(~P&~Q)  A
 2  (2) ~(P▽ Q)  A
  3 (3)   P      A
  3 (4)   P▽ Q   3▽I
 23 (5) ~(P▽ Q)&
         (P▽ Q)  24&I
 2  (6)  ~P      35RAA
   7(7)      Q   A
   7(8)   P▽ Q   7▽I
 2 7(9) ~(P▽ Q)&
         (P▽ Q)  28&I
 2  (ア)     ~Q   79RAA
 2  (イ)  ~P&~Q   6ア&I
12  (ウ)~(~P&~Q)&
        (~P&~Q)  1イ&I
1   (エ)~~(P▽ Q)  2ウRAA
1   (オ)   P▽ Q   エDN
に於ける、
  3 (4)   P▽ Q   3▽I
   7(8)   P▽ Q   7▽I
に関しては、「妥当(invalid)」である。
従って、
(19)により、
(20)
①       P Q
② ~(~P&~Q)
に於いて、すなはち、
① PかQの、どちらか、一方だけが、本当である。
② PとQの、両方が、同時にウソである。といふことはない。
に於いて、
①⇒② であったとしても、
①=② ではない
従って、
(14)(18)(20)により、
(21)
ド・モルガンの法則」といふのは、
両立的選言()」と、「連言(&)」の間で成り立つ「法則」であって、
排他的選言(▽)」と、「連言(&)」の間で成り立つ「法則」ではない
然るに、
(22)

従って、
(22)により、
(23)
① ¬A├ A→B
②   B├ A→B
すなはち、
① ~P├ P→Q
②   Q├ P→Q
は、「実質含意のパラドクス」である。
然るに、
(24)
(ⅰ)
1  (1) ~P      A
1  (2) ~P∨ Q   1∨I
1  (3)~(P&~Q)  2ド・モルガンの法則
 4 (4)  P      A
  5(5)    ~Q   A
 45(6)  P&~Q   45&I
145(7)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  36&I
14 (8)   ~~Q   57RAA
14 (9)     Q   8DN
1  (ア)  P→ Q   49CP
(ⅱ)
1  (1)     Q   A
1  (2) ~P∨ Q   1∨I
1  (3)~(P&~Q)  2ド・モルガンの法則
 4 (4)  P      A
  5(5)    ~Q   A
 45(6)  P&~Q   45&I
145(7)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  36&I
14 (8)   ~~Q   57RAA
14 (9)     Q   8DN
1  (ア)  P→ Q   49CP
従って、
(16)(21)~(24)により、
(25)
① ~P├ P→Q
②   Q├ P→Q
といふ「連式」は、「同じ計算」によって、「妥当(Valid)」であるが、「この計算」には、「排他的選言」では、「不可」である所の、
1  (2) ~P∨ Q   1∨I
1  (3)~(P&~Q)  2ド・モルガンの法則
といふ「計算」がなされてゐる。
従って、
(25)により、
(26)
① ~P├ P→Q
②   Q├ P→Q
である所の「実質含意のパラドクス」は、
排他的選言(∨)のパラドクス」ではなく
両立的選言(∨)のパラドクス」である。


(1112)「2つの選言三段論法」と「ド・モルガンの法則」。

2022-06-07 14:12:08 | 論理

(01)
「太郎かあるいは次郎が辞書をもっている」と言われるとき、「太郎が辞書をもっている」と「次郎が辞書をもっている」の二つの命題は同時に真になることが可能である。
このような選言は「両立的選言と」呼ばれる。
「太郎は3階か5階にいる」と言われるとき、「太郎は3階にいる」と「太郎は5階にいる」の二つの命題が同時に真になることはありえない。
このような選言は「排他的選言」である。
(昭和堂入門選書、論理学の基礎、1994年、11頁)
然るに、
(02)
PとQの両立的選言=P∨Q
PとQの排他的選言=P▽Q
といふ風に書くことにするが、
「∨」といふ「記号」に対して、
「▽」といふ「記号」は、「教科書」等には無いので、ここだけの「記号」である。
然るに、
(01)(02)により、
(03)
① 真▽真
② 真▽偽
③ 偽▽真
④ 偽▽偽
は、それぞれ、
① 偽
② 真
③ 真
④ 偽
である。
然るに、
(04)
①(真&~真)∨(真&~真)
②(真&~偽)∨(偽&~真)
③(偽&~真)∨(真&~偽)
④(偽&~偽)∨(偽&~偽)
は、それぞれ、
①(真&偽)∨(真&偽)
②(真&真)∨(偽&偽)
③(偽&偽)∨(真&真)
④(偽&真)∨(偽&真)
であって、これらは、
①(偽)∨(偽)
②(真)∨(偽)
③(偽)∨(真)
④(偽)∨(偽)
であって、これらは、
① 偽
② 真
③ 真
④ 偽
である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
①  P▽  Q
②(P&~Q)∨(Q&~P)
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)
① P▽ Q
②(P&~Q)∨(Q&~P)
に於いて、すなはち、
①  PとQの、どちらか一方だけが、本当である。
②(Pであって、Qでない)か、または(Qであって、Pでない)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)
1(1) P▽ Q         A
1(2)(P&~Q)∨(Q&~P) 1Df.▽
1(3) P▽ Q         2Df.▽
とする。
然るに、
(08)
1   (1)   P▽ Q         A
1   (2)  (P&~Q)∨(Q&~P) 1Df.▽
 3  (3) (~P&~Q)        A
  4 (4)  (P&~Q)        A
 3  (5)  ~P            3&E
  4 (6)   P            4&E
 34 (7)  ~P&P          56&I
  4 (8)~(~P&~Q)        37RAA
   9(9)         (Q&~P) A
 3  (ア)         ~Q     3&E
   9(イ)          Q     9&E
 3 9(ウ)         ~Q&Q   アイ&I
   9(エ)~(~P&~Q)        3ウRAA
1   (オ)~(~P&~Q)        1489エ∨E
従って、
(08)により、
(09)
①    P▽ Q
② ~(~P&~Q)
に於いて、
①⇒② である。
然るに、
(10)
(ⅱ)
1   (1)~(~P&~Q)  A
 2  (2) ~(P∨ Q)  A
  3 (3)   P      A
  3 (4)   P∨ Q   3∨I
 23 (5) ~(P∨ Q)&
         (P∨ Q)  24&I
 2  (6)  ~P      35RAA
   7(7)      Q   A
   7(8)   P∨ Q   7∨I
 2 7(9) ~(P∨ Q)&
         (P∨ Q)  28&I
 2  (ア)     ~Q   79RAA
 2  (イ)  ~P&~Q   6ア&I
12  (ウ)~(~P&~Q)&
        (~P&~Q)  1イ&I
1   (エ)~~(P∨ Q)  2ウRAA
1   (オ)  (P∨ Q)  エDN
(ⅲ)
1   (1)   P∨ Q       A
 2  (2)  ~P&~Q       A
  3 (3)   P          A
 2  (4)  ~P          2&E
 23 (5)   P&~P       34&I
  3 (6)~(~P&~Q)      25RAA
   7(7)      Q       A
 2  (8)     ~Q       2&E
 2 7(9)   Q&~Q       78&I
   7(ア)~(~P&~Q)      29RAA
1   (イ)~(~P&~Q)      1367ア∨E
従って、
(10)により、
(11)
② ~(~P&~Q)
③    P∨ Q
に於いて、
②=③ である(ド・モルガンの法則)。
従って、
(10)(11)により、
(12)
①    P▽ Q
② ~(~P&~Q)
③    P∨ Q
に於いて、
①⇒② であるが、
②⇔③ である。
従って、
(12)により、
(13)
「番号」を付け直すと、
①    P▽ Q
②    P∨ Q
③ ~(~P&~Q)
に於いて、
①⇒③ であるが、
②⇔③ であるため、いづれにせよ、
① ならば、③ であって、
② ならば、③ である。
然るに、
(14)
(ⅲ)
1  (1)~(~P&~Q)  A
 2 (2)  ~P      A
  3(3)     ~Q   A
 23(4)  ~P&~Q   23&I
123(5)~(~P&~Q)&
       (~P&~Q)  14&I
12 (6)    ~~Q   35RAA
12 (7)      Q   6DN
1  (8)  ~P→ Q   27CP
(ⅳ)
1  (1)  ~P→ Q  A
 2 (2)  ~P&~Q  A
 2 (3)  ~P     2&E
12 (4)      Q  13MPP
 2 (5)     ~Q  2&E
12 (6)   Q&~Q  45&I
1  (7)~(~P&~Q) 26RAA
従って、
(14)により、
(15)
③ ~(~P&~Q)
④   ~P→ Q
に於いて、
③=④ である。
従って、
(13)(15)により、
(16)
①    P▽ Q
②    P∨ Q
③ ~(~P&~Q)
④   ~P→ Q
に於いて、
①⇒③ であるが、
②=③ であるため、いづれにせよ、
① ならば、③ であって、
② ならば、③ であって、尚且つ、
③=④ である。
従って、
(16)により、
(17)
①    P▽ Q
②    P∨ Q
③ ~(~P&~Q)
④ ~P→ Q
に於いて、
① ならば、③ であり、③ ならば、④ である。
② ならば、③ であり、③ ならば、④ である。
従って、
(17)により、
(18)
①  P▽Q
②  P∨Q
③ ~P→Q
に於いて、
① ならば、③ である。
② ならば、③ である。
従って、
(01)(02)(18)により、
(19)
① P▽Q,~P├ Q
② P∨Q,~P├ Q
といふ「推論」、すなはち、
① PとQの、どちらか一方だけが、本当である。然るに、Pはウソである。故に、Qは本当である。
② PとQの、少なくとも一方は、 本当である。然るに、Pはウソである。故に、Qは本当である。
といふ「推論(選言三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(01)(02)(19)により、
(20)
①「排他的選言三段論法」は、「妥当」であり、
②「両立的選言三段論法」も、「妥当」である。
然るに、
(10)により、
(21)
1   (1)~(~P&~Q)  A
 2  (2) ~(P∨ Q)  A
  3 (3)   P      A
  3 (4)   P∨ Q   3∨I
は、「妥当」である。
然るに、
(22)
1   (1)~(~P&~Q)  A
 2  (2) ~(P▽ Q)  A
  3 (3)   P      A
  3 (4)   P▽ Q   3∨I
は、「妥当」ではない
(23)
  3 (3)   P      A
であれば、「仮定の規則(A)」によって、
この時点で、
  3 (4)   真▽ Q   3∨I
であり、そのため、
  3 (4)   真▽ 偽   3∨I
ではなく、
  3 (4)   真▽    3∨I
であれば、
  3 (4)   P▽ Q   3∨I
は、「」であるからである。
従って、
(10)(21)(22)(23)により、
(24)
(ⅱ)
1   (1)~(~P&~Q)  A
 2  (2) ~(P▽ Q)  A
  3 (3)   P      A
  3 (4)   P▽ Q   3▽I
 23 (5) ~(P▽ Q)&
         (P▽ Q)  24&I
 2  (6)  ~P      35RAA
   7(7)      Q   A
   7(8)   P▽ Q   7▽I
 2 7(9) ~(P▽ Q)&
         (P▽ Q)  28&I
 2  (ア)     ~Q   79RAA
 2  (イ)  ~P&~Q   6ア&I
12  (ウ)~(~P&~Q)&
        (~P&~Q)  1イ&I
1   (エ)~~(P▽ Q)  2ウRAA
1   (オ)  (P▽ Q)  エDN
といふ「推論」は、
  3 (4)   P▽ Q   3▽I
   7(8)   P▽ Q   7▽I
の「部分」が「妥当」ではないため、「全体」として、「妥当」ではない。
従って、
(02)(03)(10)(11)(24)により、
(25)
「ド・モルガンの法則」は、
「両立的選言」では、「成立」するが、
排他的選言」では、「半分」しか「成立」しない。
すなはち、
(26)
①    P▽ Q
② ~(~P&~Q)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。


(1111)35年以上も前から思ってゐること(は・が)。

2022-06-05 14:45:17 | 「は」と「が」

― 門外漢ではあるのですが、昭和60年頃、『國語と國文學』に投稿したことが有ります。―
(01)
① A者[読み]Aは:Aは主語[訳]A
(天野成之、漢文基本語辞典、1999年、166頁)
従って、
(01)により、
(02)
① A者B也(ABなり)。
であるため、
① ABである(A者B也)。
であって、
② ABである(A者B也)。
ではない。
従って、
(02)により、
(03)
① ABである。
② ABである。
に於いて、
① は、昔から有ったが、
② は、昔は無かった。
然るに、
(04)
① Aは の「は」は、「清音」であって、
② A の「が」は、「濁音」である。
然るに、
(05)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① Aは の「は」は、「清音」であって、
② A の「が」は、「濁音」であるが故に、
② A の「心理的な音量」の方が、
① Aは の「心理的の音量」よりも、「大きい」。
然るに、
(07)
理事長です。(理事長は私です)
のように、ガの文がいわばハを内蔵していることがあるから、その説明が必要である。このような「私」を強声的になっていると言うことにする。そこに発音上のストレスを与えたのと似た効果を持っているからである(三上章、日本語の論理、1963年、106頁)。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 私は の「は」は、「清音」であって、
② 私 の「」は、「濁音」であるが故に、
① 私は に対して、
② 私 は、「強声的」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① I am 理事長。
に於ける、
① I を「強調」しない「形」が、
① 私は理事長です。
であって、
② I を「強調」した「形」が、
② 私理事長です。
といふことになる。
然るに、
(10)
① ειμι 理事長。
② εγω ειμι 理事長。
に於いて、
② εγω は、「人称代名詞の主格」である。
然るに、
(11)
(4)人称代名詞の主格は、特にそれが強調される場合以外には用いられない。
(J・G・メイチェン 著、田辺滋 訳、新約聖書ギリシャ語原典入門、1967年、55頁)
従って、
(10)(11)により、
(12)
① ειμι 理事長(I am 理事長)。
② εγω ειμι 理事長(I am 理事長)。
に於いて、
② は、「I(一人称代名詞の主格)」が「強調」されてゐる。
然るに、
(13)
(a)この理由は、動詞の語尾が、主語が一人称であるか、それとも二人称であるか、または、三人称であるかを充分に示しているからである。つまり λεγω は「私は言う」(I say)である。故に、特に「私」を強調が置かれるのでなければ、εγω を付け加えない。
(b)強調というのは、通常対照によって生ずる。たとえば、εγω λεγω,συ δε γραφειs,「私は語るが、しかし汝は書く」(I say,but you write)という文で,εγω と συ とは強調されている。εγω と συ は互いに対照されているからである。そして、εγω λεγω、「私は語る」(I say)という文では、誰か他の人は語っていないということが、当然、類推されるわけである。
(J.G.メイチェン著、田辺滋 訳、新約聖書ギリシャ語原点入門、1967年、55頁)
従って、
(12)(13)により、
(14)
① ειμι 理事長(I am 理事長)。
② εγω ειμι 理事長(I am 理事長)。
に於いて、
② の場合は、「I(一人称代名詞の主格)」が「強調」されてゐるが故に、
② 私は理事長であって、私以外は理事長ではない
といふ「意味(排他的命題)」になる。
然るに、
(15)
② 私は理事長であって、私以外は理事長ではない
といふことは、
② 私=理事長
といふことに、他ならない。
従って、
(09)~(15)により、
(16)
① 私は理事長です(ειμι 理事長)。
② 私理事長です(εγω ειμι 理事長)。
に於いて、
① ではなく、
② に関しては、
② 私=理事長
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(17)
② 私=理事長
であるならば、そのときに限って、
③ 理事長=私
といふ「交換法則(Commutative law)」が、成立する。
然るに、
(17)により、
(18)
② 私=理事長
③ 理事長=私
であるならば、当然、
② 私は理事長であって、尚且つ、
③ 理事長は私である。
然るに、
(19)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(18)(19)により、
(20)
果たして、
② 私理事長です。
③ 私は理事長であって、理事長は私です。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(07)~(20)により、
(21)
① 私は の「は」は、「清音」であって、
② 私が の「」は、「濁音」であるが故に、
① 私は に対して、
② 私が は、「強調形」であって、そのため、
① 私は理事長です(ειμι 理事長)。
② 私理事長です(εγω ειμι 理事長)。
に於いて、
① ではなく、
② に関しては、
② 私=理事長
といふ「等式」が、成立し、だからこそ、
② 私理事長です。
③ 私は理事長であって、理事長は私です。
④ 私は理事長であって、私以外は理事長ではない
に於いて、
②=③=④ である。
といふ、ことになる。
従って、
(21)により、
(22)
① Aは、BCである。
② Aは、BはCであり、B以外はCでない
に於いて、
①=② である。
従って、
(23)
① 象は鼻長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(24)
② 象の鼻は、耳ではない。
従って、
(25)
② 象は、鼻以外は長くない
とするならば、
② 耳が長い動物(例へば、兎)は象でない。
従って、
(23)(24)(25)により、
(26)
(ⅰ)象は鼻は長いが、鼻以外は長くない。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。 従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
cf.
1    (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2   (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3  (3)∃x(兎x&象x)                      A
1    (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2   (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6 (6)   兎a&象a                       A
   6 (7)      象a                       6&E
   6 (8)   兎a                          6&E
1  6 (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  47MPP
 2 6 (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  58MPP
 2 6 (イ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
    ウ(ウ)         耳ba&長b                A
1  6 (エ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
 2 6 (オ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
1  6 (カ)                    ~鼻ba→~長b   エUE
 2 6 (キ)                    耳ba→~鼻ba   オUE
    ウ(ク)         耳ba                   ウ&E
 2 6ウ(ケ)                        ~鼻ba   キクMPP
12 6ウ(コ)                         ~長b   カケMPP
    ウ(サ)             長b                ウ&E
12 6ウ(シ)             長b&~長b            コサ&I
12 6 (ス)             長b&~長b            イウシEE
123  (セ)             長b&~長b            36スEE
12   (ソ)~∃x(兎x&象x)                     36セRAA
12   (タ)∀x~(兎x&象x)                     ソ量化子の関係
12   (チ)  ~(兎a&象a)                     タUE
12   (ツ)  ~兎a∨~象a                      チ、ド・モルガンの法則
12   (テ)   兎a→~象a                      ツ含意の定義
12   (ト)∀x(兎x→~象x)                     テUI
従って、
(26)により、
(27)
(ⅰ)象は鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」を、「妥当」である。
と、思ふのであれば、その人は、必ず
① 象は鼻長い。
といふ「日本語」を、
② 象は鼻は長いが、鼻以外は長くない
といふ「意味」に、捉へてゐる。
然るに、
(28)
三上章 先生は、
(ⅰ)象は鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」を、「妥当」である。
と思ふに、違ひない。
従って、
(23)~(28)により、
(29)
三上章 先生も、
① 象は鼻長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって長く)、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。
に於いて、
①=②=③=④ である。
といふことは、認めざるを得ない。
然るに、
(30)
三上章 先生は、
① 象は鼻長い。
といふ「日本語」の、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「意味」については、何らの言及をすることなく、
① 象は鼻長い。
に於ける、
① 象は は、「主語」ではない。
といふことだけを、「力説」される。
然るに、
(31)
① For any x, if x is an elephant then x is an animal.
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物である。
③ ∀x(象x→動物x)。
④ Elephants are animals.
⑤ 象動物である。
に於いて、
①=②=③=④=⑤ であって、
④ Elephants が「主語」である以上、
⑤ 象 も、「主語」であるに、違ひない。


(1110)「動物は象である」の「述語論理」。

2022-06-04 20:15:50 | 「は」と「が」

(01)
(ⅰ)
1  (1) ∀x(象x→ 動物x)  A
 2 (2) ∃x(~動物x&象x)  A
1  (3)    象a→ 動物a   1UE
  4(4)    ~動物a&象a   A
  4(5)    象a        4&E
1 4(6)        動物a   35&I
  4(7)       ~動物a   4&E
1 4(8)   動物a&~動物a   67&I
  4(9)~∀x(象x→ 動物x)  18RAA
 2 (ア)~∀x(象x→ 動物x)  249EE
12 (イ) ∀x(象x→ 動物x)&
      ~∀x(象x→ 動物x)  1ア&I
1  (ウ)~∃x(~動物x&象x)  2イRAA
(ⅱ)
1  (1)~∃x(~動物x&象x)  A
1  (2)∀x~(~動物x&象x)  1量化子の関係
1  (3)  ~(~動物a&象a)  1UE
 2 (4)    象a        A
  3(5)       ~動物a   A
 23(6)    ~動物a&象a   45&I
123(7)  ~(~動物a&象a)&
          (~動物a&象a)  36&I
12 (8)      ~~動物a   37RAA
12 (9)        動物a   8DN
1  (ア)    象a→ 動物a   29CP
1  (イ) ∀x(象x→ 動物x)  アUI
従って、
(01)により、
(02)
①   ∀x(象x→ 動物x)
② ~∃x(~動物x&象x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。
②(動物でないxで、象であるx)は存在しない。
に於いて、
①=② である。
従って、
然るに、
(03)
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。
といふことは、
① 象であるならば、それは動物である。
といふこと、すなはち、
① 象について言へば、それは動物である。
といふことである。
然るに、
(04)
「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① ∀x(象x→動物x)⇔
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。⇔
① For any x, if x is an elephant then x an animal.⇔
① 象であるならば、それは動物である。 ⇔
① 象について言へば、それは動物である。⇔
① 象は動物である。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
①   ∀x(象x→ 動物x)
② ~∃x(~動物x&象x)
に於いて、すなはち、
① 象は動物である。
②(動物でない象)は存在しない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
① ∀x(動物x→ 象x)
② ~∃x(~象x&動物x)
に於いて、すなはち、
① 動物は象である。
②(象でない動物)は存在しない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)により、
(08)
xの変域={、兎、河馬、ライオン}
であるならば、
① 動物は象である。
② 象以外は動物ではない。
といふ「命題」は、「ウソ(偽)」である。
然るに、
(09)
xの変域={桜、電車、鉛筆、机、
であるならば、
① 動物は象である。
② 象以外は動物ではない。
といふ「命題」は、「本当(真)」である。
従って、
(01)(08)(09)により、
(10)
確かに、
①   ∀x(動物x→ 象x)
② ~∃x(~象x&動物x)
といふ「命題」に於いて、すなはち、
①  動物は象である。
②(象でない動物)は存在しない。
といふ「命題」に於いて、
① の「真理値」と、
② の「真理値」は、「等しい」。


(1109)「ラッセルの確定記述の理論」と「は・が」。

2022-06-04 18:42:26 | 「は」と「が」

(01)
① ヒトラーは我が闘争を書いた。
② タゴール記念会は、私理事長です。
といふ「日本語」は、
① ∃x{ヒトラーx&我が闘争の著者x&∀y(我が闘争の著者y→y=x)}
② ∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}
といふ風に、すなはち、
① あるxは{ヒトラーであって、我が闘争の著者であって、すべてのyについて(yが我が闘争の著者であるならば、y=x である)}。
② すべてのxについて{xがタゴール記念会の会員であるならば、あるyは[私であって、xの理事長であって、すべてのzについて(zがxの理事長であるならば、y=z である)]}。
といふ風に、「翻訳」出来る。
然るに、
(02)
ラッセルの確定記述の理論を用いて、つぎの論証の健全性を確立せよ。
(a)我が闘争の著者は1945年に死んだ。ヒトラーは我が闘争を書いた。故にヒトラーは1945年に死んだ。
Using Russell's theory of definite description, establish the soundness of the following argument:
(a)The author of Mine Kamp died in 1945. Hitler wrote Mine Kamp. Hitler therefore died in 1945.
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、215頁と原文)
〔私による解答〕
1   (1)∃y(我が闘争の著者y&45年死y)                  A
 2  (2)   我が闘争の著者a&45年死a                   A
  3 (3)∃x{ヒトラーx&我が闘争の著者x&∀y(我が闘争の著者y→y=x)} A
   4(4)   ヒトラーb&我が闘争の著者b&∀y(我が闘争の著者y→y=b)  A
   4(5)                  ∀y(我が闘争の著者y→y=b)  4&E
   4(6)                     我が闘争の著者a→a=b   5UE
 2  (7)                     我が闘争の著者a       2&E
 2 4(8)                              a=b   67MPP
   4(9)   ヒトラーb                            4&E
 2 4(ア)   ヒトラーa                            89=E
 2  (イ)         45年死a                      2&E
 2 4(ウ)   ヒトラーa&45年死a                      アイ&I
 2 4(エ)∃y(ヒトラーy&45年死y)                     ウEI
 23 (オ)∃y(ヒトラーy&45年死y)                     34エEE
1 3 (カ)∃y(ヒトラーy&45年死y)                     12オEE
1 3 (〃)あるyはヒトラーであって、yは1945年に死んだ。           12オEE
(03)
ラッセルの確定記述の理論を用いて、つぎの論証の健全性を確立せよ。
(b)タゴール記念会は、私理事長です。然るに、小倉氏は私ではない。従って、タゴール記念会は、小倉氏は理事長ではない。
〔自問自答〕
1     (1)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]} A
1     (2)   T会の会員a→∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)]  1UE
 3    (3)   T会の会員a                             A
13    (4)          ∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)]  23MPP
  5   (5)             私b&理事長ba&∀z(理事長za→b=z)   A
  5   (6)             私b&理事長ba                 5&E
  5   (7)                      ∀z(理事長za→b=z)   5&E
  5   (8)                         理事長ca→b=c    7UE
   9  (9)     ∃z(小倉z&~私z)                      A
    ア (ア)        小倉c&~私c                       A
    ア (イ)        小倉c                           ア&E
    ア (ウ)            ~私c                       ア&E
     エ(エ)               b=c                     A
    アエ(オ)            ~私b                       ウエ=E
  5   (カ)             私b                       6&E
  5 アエ(キ)            ~私b&私b                    オカ&I
  5 ア (ク)              b≠c                     エキRAA
  5 ア (ケ)                        ~理事長ca        8クMTT
  5 ア (コ)        小倉c&~理事長ca                    イケ&I
  5 ア (サ)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   コEI
  59  (シ)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   9アサEE
13 9  (ス)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   45シEE
1  9  (セ)   T会の会員a→∃z(小倉z&~理事長za)              3スCP
1  9  (ソ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}             セUI
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ヒトラーは我が闘争を書いた。
② タゴール記念会は、私理事長です。
といふ「日本語」が、
① ∃x{ヒトラーx&我が闘争の著者x& ∀y(我が闘争の著者y→y=x)}
② ∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}
といふ風に、「翻訳」出来るが故に、
① 我が闘争の著者は1945年に死んだ。ヒトラーは我が闘争を書いた。故にヒトラーは1945年に死んだ。
② タゴール記念会は、私理事長です。然るに、小倉氏は私ではない。従って、タゴール記念会は、小倉氏は理事長ではない。
といふ「推論」は、「健全(sound)」である。
然るに、
(05)
交換法則(commutative law)」により、
①(y=x)は(x=y)と「同じ」であって、
②(y=z)は(z=y)と「同じ」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
交換法則(commutative law)」により、
① ヒトラーは我が闘争を書いた。
② タゴール記念会は、私理事長です。
といふ「命題」は、それぞれ、
① 我が闘争を書いたのはヒトラーであった。
② タゴール記念会は、理事長は私です。
といふ「命題」に「等しい」。
然るに、
(07)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
① A=B(B=A)
であること(交換法則が成り立つこと)は、
① AはBである。
といふ「日本語」が、
② ABである。
③ BはAである。
といふ風に、言ひ得る上での、『必要条件』である。
然るに、
(09)
記述の理論
〔英〕theory of descriptions
指示句には様々な種類があるが、基本的なものは(1)all で始まる名詞句、(2)a で始まる名詞句、(3)the で始まる単数形の名詞句の三つである(Webサイト:記述の理論)。
然るに、
(10)
定冠詞(the)は、それが厳密に用いられるときには、一意性を内含している。確かに、しかじかのひと(So-and-so)がいく人かの息子をもっている場合でさえ、the son of So-and-so という表現を使用するが、本当はその場合には、a son of So-and-so という方がより正しいといえよう。それゆえわれわれの目的のためには、the一意性を内含しているものと考えていく(頸草書房、現代哲学基本論文集Ⅰ、バートランド・ラッセル、指示について、1986年、53頁)。
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
① A is B.
ではなく
① A is the B.
であることは、
① AはBである。
といふ「日本語」を、
② ABである。
③ BはAである。
といふ風に、言ひ得る上での、『必要条件』である。
然るに、
(12)
Consider the English setence below.
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I most admire.
(E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、論理学初歩、1973年、204頁、原文)
従って、
(11)(12)により、
(13)
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
ではなく
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I most admire.
であれば、これらの「命題」は、
(4)ソクラテスプラトンを教へた哲学者である(プラトンを教へた哲学者はソクラテスである)。
(5)パリフランスの首都である(フランスの首都はパリである)。
(6)勇気私が最も賛美する徳である(私が最も賛美する徳は勇気である)。
といふ風に、言ひ得ることになる。


(1108)「サイコロを3回投げたとき(反復試行)」の確率。

2022-06-03 13:05:56 | 場合の数

(01)
サイコロを3回投げた際に、
① 3回とも、2の目が出た。
⑧ 3回とも、2の目以外(□)が出た。
といふことを、
①(2,2,2)
⑧(□,□,□)
といふ風に、書くことにする。
従って、
(01)により、
(02)
□={1,3,4,5,6}は「2以外」。 であるとして、
②(2,2,□)は、(6-1=5通リ)があって、
③(2,□,2)も、(6-1=5通リ)があって、
④(□,2,2)も、(6-1=5通リ)がある。
従って、
(01)(02)により、
(03)
□ ={1,3,4,5,6}
であるため、
□□={11,31,41,51,61,13,33,43,53,63,14,34,44,54,64,15,35,45,55,65,16,36,46,56,66}
であるとして、
⑤(2,□,□)は、(5×5=25通リ)があって、
⑥(□,2,□)も、(5×5=25通リ)があって、
⑦(□,□,2)も、(5×5=25通リ)がある。
然るに、
(04)
(ⅰ)□={1,3,4,5,6}
(ⅱ)□={1,3,4,5,6}
(ⅲ)□={1,3,4,5,6}
に於ける、
(ⅰ)の「5通リ」の、その各々に対して、
(ⅱ)の「5通リ」が有って、その各々に対して、
(ⅲ)の「5通リ」があるため、
⑧(□,□,□)は、
⑧(5×5)×5=125
による「125通リ」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
□={1,3,4,5,6}は「2以外」。
であるとして、
①(2,2,2)
②(2,2,□)
③(2,□,2)
④(□,2,2)
⑤(2,□,□)
⑥(□,2,□)
⑦(□,□,2)
⑧(□,□,□)
は、「合計」で、
1+15+75+125=216
による「216通リ」である。
然るに、
(06)
(1,1,1)(1,1,)(1,1,3)(1,1,4)(1,1,5)(1,1,6)
(1,,1)(1,)(1,,3)(1,,4)(1,,5)(1,,6)
(1,3,1)(1,3,)(1,3,3)(1,3,4)(1,3,5)(1,3,6)
(1,4,1)(1,4,)(1,4,3)(1,4,4)(1,4,5)(1,4,6)
(1,5,1)(1,5,)(1,5,3)(1,5,4)(1,5,5)(1,5,6)
(1,6,1)(1,6,)(1,6,3)(1,6,4)(1,6,5)(1,6,6)

,1,1)(,1,)(,1,3)(,1,4)(,1,5)(,1,6)
,1)()(,3)(,4)(,5)(,6)
,3,1)(,3,)(,3,3)(,3,4)(,3,5)(,3,6)
,4,1)(,4,)(,4,3)(,4,4)(,4,5)(,4,6)
,5,1)(,5,)(,5,3)(,5,4)(,5,5)(,5,6)
,6,1)(,6,)(,6,3)(,6,4)(,6,5)(,6,6)

(3,1,1)(3,1,)(3,1,3)(3,1,4)(3,1,5)(3,1,6)
(3,,1)(3,)(3,,3)(3,,4)(3,,5)(3,,6)
(3,3,1)(3,3,)(3,3,3)(3,3,4)(3,3,5)(3,3,6)
(3,4,1)(3,4,)(3,4,3)(3,4,4)(3,4,5)(3,4,6)
(3,5,1)(3,5,)(3,5,3)(3,5,4)(3,5,5)(3,5,6)
(3,6,1)(3,6,)(3,6,3)(3,6,4)(3,6,5)(3,6,6)

(4,1,1)(4,1,)(4,1,3)(4,1,4)(4,1,5)(4,1,6)
(4,,1)(4,)(4,,3)(4,,4)(4,,5)(4,,6)
(4,3,1)(4,3,)(4,3,3)(4,3,4)(4,3,5)(4,3,6)
(4,4,1)(4,4,)(4,4,3)(4,4,4)(4,4,5)(4,4,6)
(4,5,1)(4,5,)(4,5,3)(4,5,4)(4,5,5)(4,5,6)
(4,6,1)(4,6,)(4,6,3)(4,6,4)(4,6,5)(4,6,6)

(5,1,1)(5,1,)(5,1,3)(5,1,4)(5,1,5)(5,1,6)
(5,,1)(5,)(5,,3)(5,,4)(5,,5)(5,,6)
(5,3,1)(5,3,)(5,3,3)(5,3,4)(5,3,5)(5,3,6)
(5,4,1)(5,4,)(5,4,3)(5,4,4)(5,4,5)(5,4,6)
(5,5,1)(5,5,)(5,5,3)(5,5,4)(5,5,5)(5,5,6)
(5,6,1)(5,6,)(5,6,3)(5,6,4)(5,6,5)(5,6,6)

(6,1,1)(6,1,)(6,1,3)(6,1,4)(6,1,5)(6,1,6)
(6,,1)(6,)(6,,3)(6,,4)(6,,5)(6,,6)
(6,3,1)(6,3,)(6,3,3)(6,3,4)(6,3,5)(6,3,6)
(6,4,1)(6,4,)(6,4,3)(6,4,4)(6,4,5)(6,4,6)
(6,5,1)(6,5,)(6,5,3)(6,5,4)(6,5,5)(6,5,6)
(6,6,1)(6,6,)(6,6,3)(6,6,4)(6,6,5)(6,6,6)

従って、
(05)(06)により、
(07)
サイコロを3回投げた際の「場合の数」は、
(6×6)×6=216
による「216通リ」である。
従って、
(03)(05)(07)により、
(08)
□={1,3,4,5,6}は「2以外」。
であるとして、
⑤(2,□,□)は(5×5=25通リ)。
⑥(□,2,□)も(5×5=25通リ)。
⑦(□,□,2)も(5×5=25通リ)。
は(25×3=75通リ)であって、
◇={1,,3,4,5,6}
であるとして、
⑨(◇,◇,◇)
は「216通リ」である。
従って、
(08)により、
(09)
[例題]
1個のサイコロを3回投げるとき、2の目がちょうど1回でる確率を求めよ。
【高校 数学A】 確率14 反復試行の確率1 (16分)
の[答へ]は、
{3C2×(5×5)}÷(6×6×6)=75÷216=25/72
である。
然るに、
(10)
【高校 数学A】 確率14 反復試行の確率1 (16分)
の[答へ]自体は、同じく、
(1/6)×(5/6)×3C2=25/72
である。
然るに、
(11)
【高校 数学A】 確率14 反復試行の確率1 (16分)
の「説明」を視聴しても、何故、
(1/6)×(5/6)×3C2=25/72
となるのか、といふことが、私には、「理解出来ない」。


(1107)「(両立的)選言三論法」と「(排他的)選言三段論法」。

2022-06-02 13:34:45 | 論理

(01)
(ⅰ)
1     (1)   P∨ Q   A
 2    (2)  ~P&~Q   A
  3   (3)   P      A
 2    (4)  ~P      2&E
 23   (5)   P&~P   34&I
  3   (6)~(~P&~Q)  25RAA
   7  (7)      Q   A
 2    (8)     ~Q   2&E
 2 7  (9)   Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(~P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(~P&~Q)  1367ア∨E(ド・モルガンの法則)
    ウ (ウ)  ~P      A
     エ(エ)     ~Q   A
    ウエ(オ)  ~P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(~P&~Q)&
          (~P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)    ~~Q   エRAA
1   ウ (ク)      Q   キDN
1     (ケ)  ~P→ Q   ウクCP
(ⅱ)
1    (1)  ~P→ Q   A
 2   (2)  ~P&~Q   A
 2   (3)  ~P      2&E
12   (4)      Q   13&I
 2   (5)     ~Q   2&E
12   (6)   Q&~Q   45&I
1    (7)~(~P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(P∨ Q)  A
   9 (9)   P      A
   9 (ア)   P∨ Q   9∨I
  89 (イ) ~(P∨ Q)&
          (P∨ Q)  8ア&I
  8  (ウ)  ~P      9イRAA
    エ(エ)      Q   A
    エ(オ)   P∨ Q   エ∨I
  8 エ(カ) ~(P∨ Q)&
          (P∨ Q)  8エ&I
  8  (キ)     ~Q   エカRAA
  8  (ク)  ~P&~Q   ウキ&I
1 8  (ケ)~(~P&~Q)&
         (~P&~Q)  7ク&I
1    (コ)~~(P∨ Q)  8ケRAA
1    (サ)   P∨ Q   コDN(ド・モルガンの法則)
従って、
(01)により、
(02)
①  P∨Q
② ~P→Q
に於いて、
①=② である(含意の定義)
従って、
(02)により、
(03)
1 (1)  P∨Q   A
1 (2) ~P→Q   1含意の定義
 3(3)   ~Q   A
13(4)~~P     23MTT
13(5)  P     4DN
1 (6) ~Q→P   35CP
1 (7)(~P→Q)&
      (~Q→P)  26&I
従って、
(03)により、
(04)
①   P∨Q
②(~P→Q)&(~Q→P)
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(05)
1       (1) (~P& Q)∨(~Q&P)  A
 2      (2) (~P&~Q)         A
  3     (3) (~P& Q)         A
 2      (4)     ~Q          2&E
  3     (5)      Q          3&E
 23     (6)   ~Q&Q          45&I
  3     (7)~(~P&~Q)         2RAA
   8    (8)         (~Q&P)  A
  3     (9)            ~P   2&E
   8    (ア)             P   8&E
  38    (イ)          ~P&P   9ア&I
   8    (ウ)~(~P&~Q)         38RAA
1       (エ)~(~P&~Q)         1378ウ∨E
    オ   (オ)  ~P             A
     カ  (カ)     ~Q          A
    オカ  (キ)  ~P&~Q          オカ&I
1   オカ  (ク)~(~P&~Q)&(~P&~Q) エキ&I
1   オ   (ケ)    ~~Q          カクRAA
1   オ   (コ)      Q          ケDN
1       (サ)  ~P→ Q          オコCP
      シ (シ)     ~Q          A
       ス(ス)  ~P             A
      シス(セ)  ~P&~Q          シス&I
1     シス(ソ)~(~P&~Q)&(~P&~Q) エセ&I
1     シ (タ) ~~P             スソRAA
1     シ (チ)   P             タDN
1       (ツ)  ~Q→ P          シチCP
1       (テ) (~P→ Q)&(~Q→ P) サツ&I
従って、
(05)により、
(06)
③(~P&Q)∨(~Q&P)
④(~P→Q)&(~Q→P)
に於いて、
③ ならば、④ である。
従って、
(04)(06)により、
(07)
①  P∨Q
②(~P→Q)&(~Q→P)
③(~P&Q)∨(~Q&P)
④(~P→Q)&(~Q→P)
に於いて、
① ならば、② であって、
③ ならば、④ である。
従って、
(07)により、
(08)
「番号」を付け直すと、
①   P∨Q
②(~P&Q)∨(~Q&P)
③(~P→Q)&(~Q→P)
に於いて、
① が「真」であっても、
② が「真」であっても、いづれにせよ、
③ は「真」である。
従って、
(08)により、
(09)
①   P∨Q,~P├ Q
②(~P&Q)∨(~Q&P),~P├ Q
といふ「推論」は、両方とも、「妥当」である。
然るに、
(10)
WIIS:
つまり、P∨Qと~Pがともに真であるような任意の解釈のもとでは必ずQ真になります。
これは選言三段論法(disjunctive syllogism)と呼ばれる推論規則です。
然るに、
(11)
「太郎かあるいは次郎が辞書をもっている」と言われるとき、「太郎が辞書をもっている」と「次郎が辞書をもっている」の二つの命題は同時に真になることが可能である。
このような選言は両立的選言と呼ばれる。
「太郎は3階か5階にいる」と言われるとき、「太郎は3階にいる」と「太郎は5階にいる」の二つの命題が同時に真になることはありえない。
このような選言は排他的選言である。
論理学の「・・・あるいは・・・」は両立的選言に決めてある。それは論理学の体系がよりシンプルなものになるからである。
とりわけ、∨を両立的選言の方に決めておけば、排他的選言の方は∨と&と~によって簡単に表現できる ―(P∨Q)&~(P&Q)―。
(昭和堂入門選書、論理学の基礎、1994年、11頁)
然るに、
(12)
②(~P&Q)∨(~Q&P)
といふ「論理式」は、
②(Qでなくて、Pである)か、または(Pでなくて、Qである)。
といふ「意味」である。
従って、
(08)~(12)により、
(13)
①   P∨Q,~P├ Q
②(~P&Q)∨(~Q&P),~P├ Q
といふ「推論」は、両方とも、「妥当」であって、
① は、「両立的選言三段論法」であって、
② は、「排他的選言三段論法」である。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
③ Pまたは、Qである。然るに、Pでない。故に、Qである。
といふ「推論」は、
①   P∨Q,~P├ Q
②(~P&Q)∨(~Q&P),~P├ Q
に於ける、
① であったとしても、
② であったとしえも、いづれにせよ、「妥当」である。
然るに、
(15)
「選言三段論法」と言へば、「教科書的」には、
①   P∨Q,~P├ Q
②(~P&Q)∨(~Q&P),~P├ Q
に於ける、
① であって、固より、
② のやうな「連式」は、私自身、見たことが無い。


(1106)「排他的論理和(強選言)」の「定義」。

2022-06-01 18:23:47 | 論理

(01)
排他的論理和【eXclusive OR】
XORとは、論理演算の一つで、二つの命題のいずれか一方のみが真のときに真となり、両方真や両方偽のときは偽となるものを言う。
(IT用語辞典、e-Wordsを参照)
(02)
論理学の「・・・あるいは・・・」は両立的選言に決めてある。それは論理学の体系がよりシンプルなものになるからである。
とりわけ、∨を両立的選言の方に決めておけば、排他的選言の方は∨と&と~によって簡単に表現できる ―(P∨Q)&~(P&Q)―。
(昭和堂入門選書、論理学の基礎、1994年、11頁)
然るに、
(01)(02)により、
(03)
両立的選言(∨) ではなく、
排他的選言(XOR)であれば、
① 二つの命題(PとQ)のどちらか一方が「真」であるならば、そのときに限って「真」である。
然るに、
(04)
① 二つの命題(PとQ)のどちらか一方が「真」であるならば、そのときに限って「真」である。
といふことは、
② 二つの命題(PとQ)が、両方とも「真」であることはなく、両方とも「偽」であることもない。
といふことである。
然るに、
(05)
② 二つの命題(PとQ)が、両方とも「真」であることはなく、両方とも「偽」であることもない。
といふことは、
③ Pの真理値とQの真理値は、一致しない。
といふことである。
然るに、
(06)
③ Pの真理値とQの真理値は、一致しない。
といふことは、「記号」で書くと、
④ ~(P⇔Q)
といふことである。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1   (1) ~(P⇔Q)         A
1   (2)~{(P→Q)& (Q→P)} 1Df.⇔
1   (3) ~(P→Q)∨~(Q→P)  2ド・モルガンの法則
 2  (4) ~(P→Q)         A
 2  (5)~(~P∨Q)         4含意の定義
 2  (6)  P&~Q          5ド・モルガンの法則
 2  (7) (P&~Q)∨(Q&~P)  6∨I
  8 (8)        ~(Q→P)  A
  8 (9)       ~(~Q∨P)  8含意の定義
  8 (ア)         Q&~P   9ド・モルガンの法則
  8 (イ) (P&~Q)∨(Q&~P)  ア∨I
(ⅱ)
1    (1)(P&~Q)∨(Q&~P)  A
 2   (2)(P&~Q)         A
  3  (3) P→ Q          A
 2   (4) P             2&E
 23  (5)    Q          34MPP
 2   (6)   ~Q          2&E
 23  (7) Q&~Q          56&I
 2   (8)~(P→Q)         37RAA
 2   (9)~(P→Q)∨~(Q→P)  8∨I
   ア (ア)        Q&~P   A
    イ(イ)        Q→ P   A
   ア (ウ)        Q      ア&E
   アイ(エ)           P   イウMPP
   ア (オ)          ~P   ア&E
   アイ(カ)        P&~P   エオ&I
   ア (キ)       ~(Q→P)  イカRAA
   ア (ク)~(P→Q)∨~(Q→P)  キ∨I
1    (ケ)~(P→Q)∨~(Q→P)  129アク∨E
1    (コ)~{(P→Q)&(Q→P)} ケ、ド・モルガンの法則
1    (サ)~(P⇔Q)         コDf.⇔
然るに、
(08)
(ⅲ)
1       (1) (P&~Q)∨(Q&~P) A
 2      (2) (P& Q)        A
  3     (3) (P&~Q)        A
 2      (4)     Q         2&E
  3     (5)    ~Q         3&E
 23     (6)  Q&~Q         45&I
  3     (7)~(P& Q)        2RAA
   8    (8)        (Q&~P) A
  3     (9)            P  2&E
   8    (ア)           ~P  8&E
  38    (イ)         P&~P  9ア&I
   8    (ウ)~(P& Q)        38RAA
1       (エ)~(P& Q)        1378ウ∨E
    オ   (オ)  P            A
     カ  (カ)     Q         A
    オカ  (キ)  P& Q         オカ&I
1   オカ  (ク)~(P&Q)&(P&Q)   エキ&I
1   オ   (ケ)    ~Q         カクRAA
1       (コ)  P→~Q         オケCP
      サ (サ)  Q            A
       シ(シ)  P            A
      サシ(ス)  P& Q         シサ&I
1     サシ(セ)~(P&Q)&(P&Q)   エス&I
1     サ (ソ)    ~P         シセRAA
1       (タ)  Q→~P         サソCP
1       (チ) (P→~Q)&(Q→~P) コタ&I
従って、
(07)(08)により、
(09)
① ~(P⇔ Q)
②  (P&~Q)∨(Q&~P)
③  (P→~Q)&(Q→~P)
於いて、
①=② であって、
②⇒③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① ~(P⇔Q)
②(PであってQでない)か、または(QであってPでない)。
③(Pならば、Qでなく)、その上、(Qならば、Pでない)。
於いて、
①=② であって、
②⇒③ である。
然るに、
(11)
(ⅰ)
②(P&~Q)∨(Q&~P)
に於いて、
(P=&Q=)であるならば、
②(真& 偽)∨(真& 偽)で、「」である。
(ⅱ)
(P=真&Q=偽)であるならば、
②(真& 真)∨(偽& 偽)で、「真」である。
(ⅲ)
(P=偽&Q=真)であるならば、
②(偽& 偽)∨(真& 真)で、「真」である。
(ⅳ)
(P=&Q=)であるならば、
②(偽& 真)∨(偽& 真)で、「」である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
②(P&~Q)∨(Q&~P)
すなはち、
②(PであってQでない)か、または(QであってPでない)。
であるならば、
② 二つの命題(PとQ)のいずれか一方のみが真のときに真となり、両方真や両方偽のときは偽となる。
(01)(12)により、
(13)
②(P&~Q)∨(Q&~P)
すなはち、
②(PであってQでない)か、または(QであってPでない)。
は、「排他的論理」は、そのものである。
然るに、
(01)により、
(14)
①(P∨Q)&~(P&Q)
であれば、すなはち、
①(PあるいはQ)であるが(PであってQである)といふことはない。
であれば、この場合も、「排他的論理和」である。
従って、
(13)(14)により、
(15)
①(P∨ Q)&~(P&Q)
②(P&~Q)∨(Q&~P)
すなはち、
①(PあるいはQ)であるが(PであってQである)といふことはない。
②(PであってQでない)か、または(QであってPでない)。
といふ「2つの言ひ方」は、両方とも、「排他的論理和」である。
然るに、
(01)(14)(15)により、
(16)
② 二つの命題(PとQ)のいずれか一方のみが真のときに真となり、両方真や両方偽のときは偽となる。
といふのであれば、すなはち、「排他的選言」をいふのであれば、
①(PあるいはQ)であるが(PであってQである)といふことはない。
といふ「言ひ方」より、
②(PであってQでない)か、または(QであってPでない)。
といふ「言ひ方」の方が、すなはち、
①(P∨ Q)&~(P&Q)
といふ「論理式」よりも、
②(P&~Q)∨(Q&~P)
といふ「論理式」の方が、分かりやすい。