日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(472)「素朴・対偶論」と「消去法」と「順、逆、裏、対偶」。

2020-01-20 13:37:59 | 訓読

(01)
「乗法(連言)の交換法則」により、
①(であって、Qでない。)
②(Qでなくて、である。)
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)により、
(02)
①(Pであって、でない。)といふことはない。
②(でなくて、Pである。)といふことはない。
に於いても、
①=② である。
然るに、
(03)
①(あって、Qでない。)といふことはない
②(Qでなくてある。)といふことはない
といふことは、
①  Pであるならばある
②  ないならばPでない
といふことに、他ならない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
①(Pであって、Qでない。)といふことはない。
②(Qでなくて、Pである。)といふことはない。
に於いて、
①=② である。が故に、
①  PであるならばQである。
②  QでないならばPでない。
に於いても、
①=② であるものの、この「論証」を、「素朴・対偶論」とする。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
「素朴・対偶論」の「妥当性」は、
「乗法(連言)の交換法則」の「妥当性」に由来する。
然るに、
(06)
「乗法(連言)の交換法則」ではなく、
加法(選言)の交換法則」により、
①(であるか、Qである。)
②(Qであるか、である。)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
① Pであるか、Qである。然るに、Pでない。故に、Qである
② Qであるか、Pである。然るに、Qでない。故に、Pである
といふ「選言三段論法(消去法)」は、「妥当」である。
然るに、
(08)
① Pでない。故に、Qである。
② Qでない。故に、Pである。
といふことは、
③ Pでないならば、Qである。
④ Qでないならば、Pである。
といふことを、「前提」とする。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① Pであるか、Qである。
② Qであるか、Pである。
といふ「選言命題」は、「順番」に、
③ Pでないならば、Qである。
④ Qでないならば、Pである。
といふ「仮言命題」に、「等しい」。
従って、
(09)により、
(10)
「記号」で書くと、
① P∨Q
② Q∨P
といふ「選言命題」は、「順番」に、
③ ~P→Q
④ ~Q→P
といふ「仮言命題」に、「等しい」。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1     (1)   P∨ Q   A
 2    (2)  ~P&~Q   A
  3   (3)   P      A
 2    (4)  ~P      2&E
 23   (5)   P&~P   34&I
  3   (6)~(~P&~Q)  25RAA
   7  (7)      Q   A
 2    (8)     ~Q   2&E
 2 7  (9)   Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(~P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(~P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  ~P      A
     エ(エ)     ~Q   A
    ウエ(オ)  ~P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(~P&~Q)&
          (~P&~Q)  6オ&I
1   ウ (キ)    ~~Q   ウRAA
1   ウ (ケ)      Q   キDN
1     (コ)  ~P→ Q   ウケCP
(ⅲ)
1     (1)  ~P→Q   A
 2    (2) ~(P∨Q)  A
  3   (3)   P     A
  3   (4)   P∨Q   3∨I
 23   (5) ~(P∨Q)&
           (P∨Q)  14&I
 2    (5)  ~P     3RAA
12    (6)     Q   15MPP
12    (7)   P∨Q   6∨I
12    (8) ~(P∨Q)&
           (P∨Q)  27&I
1     (9)~~(P∨Q)  28&RAA
1     (ア)   P∨Q   9DN
従って、
(11)により、
(12)
「命題計算(Propositional calculus)」の結果も、
①  P∨Q
③ ~P→Q
に於いて、
①=③ である。
従って、
(12)により、
(13)
①  P∨Q
③ ~P→Q
に於いて、
P=Q
Q=P
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
②   Q∨P
④ ~Q→P
に於いて、
②=④ である。
cf.
(S1)証明された定理の任意の代入例に対して、証明が見出され得る。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、69頁)
然るに、
(14)
「加法(選言)の交換法則」により、
① P∨Q
② Q∨P
に於いて、
①=② である。
cf.
(ⅰ)
1  (1)P∨Q A
 2 (2)P   A
 2 (3)Q∨P 2∨I
  3(4)  Q A
  3(5)Q∨P 4∨I
1  (6)Q∨P 12345∨E
(ⅱ)
1  (1)Q∨P A
 2 (2)Q   A
 2 (3)P∨Q 2∨I
  3(4)  P A
  3(5)P∨Q 4∨I
1  (6)P∨Q 12345∨E
従って、
(13)(14)により、
(15)
①  P∨Q
②   Q∨P
③ ~P→Q
④ ~Q→P
に於いて、
①=② であって、
①=③ であって、
②=④ である。
従って、
(15)により、
(16)
③ ~P→Q
④ ~Q→P
に於いて、
③=④ である。
従って、
(16)により、
(17)
③ ~P→Q
④ ~Q→P
に於いて、
P=~P
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
① ~~P→ Q
②  ~Q→~P
に於いて、
①=② である。
従って、
(17)により、
(18)
「二重否定律(DN)」により、
①  P→ Q
② ~Q→~P
に於いて、
①=② である。
従って、
(18)により、
(19)
①  P→ Q
② ~Q→~P
に於いて、
P=~P
Q=~Q
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
③  ~P→ ~Q
④ ~~Q→~~P
に於いて、
③=④ である。
従って、
(19)により、
(20)
「二重否定律(DN)」により、
③ ~P→~Q
④  Q→ P
に於いて、
③=④ である。
従って、
(18)(19)(20)により、
(21)
①  P→ Q
② ~Q→~P
③ ~P→~Q
④  Q→ P
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
然るに、
(22)
P=~P
Q=~Q
といふ「代入(Substitution)」を行ふ。といふことは、
言はば、『裁判の途中で、証人が、自分の証言を、自分で否定してゐる場合』に、「譬へ」ることが出来る。
従って、
(19)(21)(22)により、
(23)
①  P→ Q
② ~Q→~P
③ ~P→~Q
④  Q→ P
に於いて、
①=② であって、
③=④ であるが、
①=③ ではないし、
②=④ でもない
従って、
(24)
「日本語」で言ふならば、
① Pであるならば、Qである。
② Qでないならば、Pでない。
③ Pでないならば、Qでない。
④ Qであるならば、Pである。
に於いて、
①=② であって、
③=④ であるが、
①=③ ではないし、
②=④ でもない
従って、
(25)
「論理学の用語」で言ふと、
①「順」
②「対偶
③「裏」
④「逆」
に於いて、
①=② であって、
③=④ であるが、
①=③ ではないし、
②=④ でもない
従って、
(01)~(25)により、
(26)
論理学で「ある命題が真であるとすると、対偶は真であるが、は必ずしも真ではない」とされています(弁護士と理数系の知識 - 西野法律事務所)。
といふことに、付け加へて、言ふならば、「」の関係も、「対偶」である。といふ、ことになる。