日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(479)「パースの法則」の「証明」の「説明」。

2020-01-25 17:49:17 | 論理

(01)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる。
パースの法則は直観論理や中間命題論理では成立せず、演繹定理だけからでは導くことができない(ウィキペディア)。
従って、
(01)により、
(02)
①((P→Q)→P)→P
①((PならばQ)ならばPならば)Pである。
といふ「パースの法則」は、「演繹定理だけからでは導くことができない」(ウィキペディア)。
然るに、
(03)
連式に対して10個の原始的規則のみを用いて証明が見出されるならば、その連式を、簡単な言いかたをとって、導出可能(deriable)であるとよぶことにしよう。―中略、―
メタ定理1:すべての導出可能な連式は、トートロジーである。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、97頁)
(04)
原始的規則よって導出できる連式はすべてトートロジー的であり、従ってメタ定理がえられることになる。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、102頁)
然るに、
(05)
メタ定理1:すべての導出可能な連式は、トートロジーである。
といふ「定理」を導く際に用ひられてゐるのは、『演繹定理』だけである。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
   (1)    P→P        TI(同一律:PならばPである。)
   (2)   ~P∨P        1含意の定義(または、排中律。)
3  (3)   ~P          A
3  (4)   ~P∨Q        3∨I
3  (5)    P→Q        4含意の定義
3  (6)   (P→Q)&~P    34&I
3  (7)~(~(P→Q)∨ P)   6ド・モルガンの法則
 8 (8)   (P→Q)→ P    A
 8 (9)  ~(P→Q)∨ P    8含意の定義
38 (ア)~(~(P→Q)∨ P)&
       (~(P→Q)∨ P)   79&I
3  (イ) ~((P→Q)→ P)   8アRAA
3  (ウ) ~((P→Q)→ P)∨P イ∨I
  エ(エ)      P        A
  エ(オ) ~((P→Q)→ P)∨P エ∨I
   (カ) ~((P→Q)→ P)∨P 13ウエオ∨E
   (キ)  ((P→Q)→ P)→P カ含意の定義
   (〃)  ((PならばQ)ならばPならば)Pである。 カ含意の定義
といふ「計算」で用ひられてゐる、「排中律」と、「含意の定義」と、「ド・モルガンの法則」が、「(E.J.レモンの)10個の原始的規則」から、「導出」出来るのであれば、
①((P→Q)→P)→P
①((PならばQ)ならばPならば)Pである。
といふ「パースの法則」は、「演繹定理だけからでは導くことができない」(ウィキペディア)。
といふことは、「本当」ではない
といふ、ことになる。
(07)
さうでなければ、固より、「以上の計算(06)」が「マチガイ」である。
といふことになるものの、「以上の計算(06)」に「マチガイ」はない。
然るに、
(08)
44├ ~P∨P
1 (1) ~(~P∨P)  A
 2(2)   ~P     A
 2(3)   ~P∨P   2∨I
12(4) ~(~P∨P)&
       (~P∨P)  13&I
1 (5)  ~~P     24RAA
1 (6)    P     5DN
1 (7)   ~P∨P   6∨I
1 (8) ~(~P∨P)&
       (~P∨P)  17&I
  (9)~~(~P∨P)  18RAA
  (ア)   ~P∨P   9DN
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、66頁改)
従って、
(06)(08)により、
(09)
(2)   ~P∨P        1含意の定義(または、排中律。)
は、「(E.J.レモンの)10個の原始的規則」から、「導出」出来る。
然るに、
(10)
(ⅰ)
1  (1)    P→Q   A
 2 (2) ~(~P∨Q)  A
  3(3)   ~P     A
  3(4)   ~P∨Q   3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  24&I
 2 (6)  ~~P     35RAA
 2 (7)    P     6DN
12 (8)      Q   17MPP
12 (9)   ~P∨Q   8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  29&I
1  (イ)~~(~P∨Q)  2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q   イDN
(ⅱ)
1      (1)  ~P∨ Q   A
 2     (2) ~(P→ Q)  A
  3    (3)   P&~Q   A
   4   (4)  ~P      A
  3    (5)   P      3&E
  34   (6)  ~P& P   45&I
   4   (7) ~(P&~Q)  36RAA
    8  (8)      Q   A
  3    (9)     ~Q   3&E
  3 8  (ア)   Q&~Q   89&I
    8  (イ) ~(P&~Q)  3アRAA
1      (ウ) ~(P&~Q)  1478イ∨E
     エ (エ)   P      A
      オ(オ)     ~Q   A
     エオ(カ)   P&~Q   エオ&I
1    エオ(キ) ~(P&~Q)&
            (P&~Q)  ウカ&I
1    エ (ク)    ~~Q   オキRAA
1    エ (ケ)      Q   クDN
1      (コ)    P→Q   エケCP
12     (サ)  ~(P→Q)&
            (P→ Q)  2コ&I
1      (シ)~~(P→ Q)  2サRAA
1      (ス)   P→ Q   シDN
(ⅲ)
1  (1)    (P→Q)→P   A
 2 (2) ~(~(P→Q)∨P)  A
  3(3)   ~(P→Q)     A
  3(4)   ~(P→Q)∨P   3∨I
 23(5) ~(~(P→Q)∨P)&
        (~(P→Q)∨P)  24&I
 2 (6)  ~~(P→Q)     35RAA
 2 (7)    (P→Q)     6DN
12 (8)          P   17MPP
12 (9)   ~(P→Q)∨P   8∨I
12 (ア) ~(~(P→Q)∨P)&
        (~(P→Q)∨P)  29&I
1  (イ)~~(~(P→Q)∨P)  2アRAA
1  (ウ)   ~(P→Q)∨P   イDN
(ⅳ)
1      (1)  ~(P→Q)∨ P   A
 2     (2) ~((P→Q)→ P)  A
  3    (3)   (P→Q)&~P   A
   4   (4)  ~(P→Q)      A
  3    (5)   (P→Q)      3&E
  34   (6)  ~(P→Q)&
             (P→Q)      45&I
   4   (7) ~((P→Q)&~P)  36RAA
    8  (8)          P   A
  3    (9)         ~P   3&E
  3 8  (ア)       P&~P   89&I
    8  (イ) ~((P→Q)&~P)  3アRAA
1      (ウ) ~((P→Q)&~P)  1478イ∨E
     エ (エ)   (P→Q)      A
      オ(オ)         ~P   A
     エオ(カ)   (P→Q)&~P   エオ&I
1    エオ(キ) ~((P→Q)&~P)&
            ((P→Q)&~P)  ウカ&I
1    エ (ク)        ~~P   オキRAA
1    エ (ケ)          P   クDN
1      (コ)   (P→Q)→ P   エケCP
12     (サ) ~((P→Q)→ P)&
            ((P→Q)→ P)  2コ&I
1      (シ)~~((P→Q)→ P)  2サRAA
1      (ス)   (P→Q)→ P   シDN
(ⅴ)
1  (1)    ((P→Q)→P)→P   A
 2 (2) ~(~((P→Q)→P)∨P)  A
  3(3)   ~((P→Q)→P)     A
  3(4)   ~((P→Q)→P)∨P   3∨I
 23(5) ~(~((P→Q)→P)∨P)&
        (~((P→Q)→P)∨P)  24&I
 2 (6)  ~~((P→Q)→P)     35RAA
 2 (7)    ((P→Q)→P)     6DN
12 (8)              P   17MPP
12 (9)   ~((P→Q)→P)∨P   8∨I
12 (ア) ~(~((P→Q)→P)∨P)&
        (~((P→Q)→P)∨P)  29&I
1  (イ)~~(~((P→Q)→P)∨P)  2アRAA
1  (ウ)   ~((P→Q)→P)∨P   イDN
(ⅵ)
1      (1)  ~((P→Q)→P)∨ P   A
 2     (2) ~(((P→Q)→P)→ P)  A
  3    (3)   ((P→Q)→P)&~P   A
   4   (4)  ~((P→Q)→P)      A
  3    (5)   ((P→Q)→P)      3&E
  34   (6)  ~((P→Q)→P)& 
             ((P→Q)→P)      45&I
   4   (7) ~(((P→Q)→P)&~P)  36RAA
    8  (8)              P   A
  3    (9)             ~P   3&E
  3 8  (ア)           P&~P   89&I
    8  (イ) ~(((P→Q)→P)&~P)  3アRAA
1      (ウ) ~(((P→Q)→P)&~P)  1478イ∨E
     エ (エ)   ((P→Q)→P)      A
      オ(オ)             ~P   A
     エオ(カ)   ((P→Q)→P)&~P   エオ&I
1    エオ(キ) ~(((P→Q)→P)&~P)&
            (((P→Q)→P)&~P)  ウカ&I
1    エ (ク)            ~~P   オキRAA
1    エ (ケ)             P    クDN
1      (コ)   ((P→Q)→P)→P    エケCい
12     (サ) ~(((P→Q)→P)→P)&
            (((P→Q)→P)→P)   2コ&I
1      (シ)~~(((P→Q)→P)→P)   2サRAA
1      (ス)   ((P→Q)→P)→P    シDN
従って、
(06)(10)により、
(11)
3  (4)   ~P∨Q       3∨I
3  (5)    P→Q       4含意の定義
 8 (8)   (P→Q)→P    A
 8 (9)  ~(P→Q)∨P    8含意の定義
   (カ) ~((P→Q)→P)∨P 13ウエオ∨E
   (キ)  ((P→Q)→P)→P カ含意の定義
といふ「6行の、含意の定義」は、「(E.J.レモンの)10個の原始的規則」から、「導出」出来る。
cf.
(S1)証明された定理の任意の代入例に対して、証明が見出されうる。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、69頁)
然るに、
(12)
(ⅶ)
1   (1)  (P→Q)&~P   A
 2  (2) ~(P→Q)∨ P   A
1   (3)  (P→Q)      1&E
  4 (4) ~(P→Q)      A
1 4 (5)  (P→Q)&
        ~(P→Q)      34&I
  4 (6)~((P→Q)&~P)  15RAA
1   (7)        ~P   1&E
   8(8)         P   A
1  8(9)      ~P&P   78&I
   8(ア)~((P→Q)&~P)  19RAA
 2  (イ)~((P→Q)&~P)  2468ア
12  (ウ) ((P→Q)&~P)&
       ~((P→Q)&~P)  1イ&I
1   (エ)~(~(P→Q)∨P)  1ウRAA
(ⅷ)
1  (1)~(~(P→Q)∨P)  A
 2 (2)  ~(P→Q)     A
 2 (3)  ~(P→Q)∨P   2∨I
12 (4)~(~(P→Q)∨P)&
       (~(P→Q)∨P)  13&I
1  (5) ~~(P→Q)     24RAA
1  (6)   (P→Q)     5
  6(7)         P   A
  6(8)  ~(P→Q)∨P   6∨I
1 6(9)~(~(P→Q)∨P)&
       (~(P→Q)∨P)  17&I
1  (ア)        ~P   68RAA
1  (イ)  (P→Q)&~P   59&I
従って、
(06)(12)により、
(13)
3  (6)   (P→Q)&~P    34&I
3  (7)~(~(P→Q)∨ P)   6ド・モルガンの法則
といふ「2行の、ド・モルガンの法則」は、「(E.J.レモンの)10個の原始的規則」から、「導出」出来る。
従って、
(06)(09)(11)(13)により、
(14)
   (1)    P→P        TI(同一律:PならばPである。)
   (2)   ~P∨P        1含意の定義(または、排中律。)
3  (3)   ~P          A
3  (4)   ~P∨Q        3∨I
3  (5)    P→Q        4含意の定義
3  (6)   (P→Q)&~P    34&I
3  (7)~(~(P→Q)∨ P)   6ド・モルガンの法則
 8 (8)   (P→Q)→ P    A
 8 (9)  ~(P→Q)∨ P    8含意の定義
38 (ア)~(~(P→Q)∨ P)&
       (~(P→Q)∨ P)   79&I
3  (イ) ~((P→Q)→ P)   8アRAA
3  (ウ) ~((P→Q)→ P)∨P イ∨I
  エ(エ)      P        A
  エ(オ) ~((P→Q)→ P)∨P エ∨I
   (カ) ~((P→Q)→ P)∨P 13ウエオ∨E
   (キ)  ((P→Q)→ P)→P カ含意の定義
   (〃)  ((PならばQ)ならばPならば)Pである。 カ含意の定義
といふ「16行の証明」は、「(E.J.レモンの)10個の原始的規則」だけが、用ひられてゐる。
従って、
(06)(14)により、
(15)
①((P→Q)→P)→P
①((PならばQ)ならばPならば)Pである。
といふ「パースの法則」は、「演繹定理だけからでは導くことができない」(ウィキペディア)。
といふことは、「本当」ではなく、「ウソ」であると、思はれる。
(16)
   (2)   ~P∨P        1排中律。
3  (3)   ~P          A
といふ「2行」は、
(2)Pでないか、Pである(排中律)。
は、「必ず、真」である。が、今は、
(3)Pでない。 と、「仮定」する。
といふ、「意味」である。
(17)
3  (3)   ~P          A
3  (4)   ~P∨Q        3∨I
といふ「2行」は、
(3)Pでない。 と、「仮定」するが、その上、
(4)Qかも知れないし、Qでないかも、知れない。
といふ「意味」である。
(18)
3  (4)   ~P∨Q        3∨I
3  (5)    P→Q        4含意の定義
ので、(5)は、「含意の定義」である。
(19)
3  (6)   (P→Q)&~P    34&I
といふ「一行」は、
3  (5)    P→Q        4含意の定義
に対して、
3  (3)   ~P          A
を加へた「形」である。
(20)
3  (6)   (P→Q)&~P
を得ることが出来れば、
3  (7)~(~(P→Q)∨ P)   6ド・モルガンの法則
 8 (8)   (P→Q)→ P    A
 8 (9)  ~(P→Q)∨ P    8含意の定義

38 (ア)~(~(P→Q)∨ P)&
       (~(P→Q)∨ P)   79&I
3  (イ) ~((P→Q)→ P)   8アRAA
によって、
3  (ウ) ~((P→Q)→ P)∨P イ∨I
を得ることが、出来る。
(21)
   (2)   ~P∨P        1排中律。
  エ(エ)      P        A
といふ「2行」は、
(2)Pでないか、Pである(排中律)。
は、「必ず、真」である。が、今度は、
(エ)Pである。 と、「仮定」する。
といふ「意味」である。
(22)
  エ(エ)      P        A
  エ(オ) ~((P→Q)→ P)∨P エ∨I
といふ「2行」は、
(エ)Pである。 と、「仮定」するが、その上、
(オ)~((P→Q)→ P)であるかも知れないし、さうでないかも知れない。
といふ、「意味」である。
(23)
   (カ) ~((P→Q)→ P)∨P 13ウエオ∨E
といふ「1行」は、
(2)Pでないか、Pである(排中律)。
は、「必ず、真」である。が、
(2)Pでなくても、Pであっても、いづれにせよ、
(カ)~((P→Q)→ P)∨P
である。といふ、「意味」である。
(24)
   (カ) ~((P→Q)→ P)∨P 13ウエオ∨E
   (キ)  ((P→Q)→ P)→P カ含意の定義
といふ「2行」は、「含意の定義」により、
(カ)=(キ) である。
といふ、「意味」である。
然るに、
(25)
①((P→Q)→P)→P
といふ「論理式」は、「日本語」でいふと、
①((PならばQ)ならばPならば)Pである。
といふ「意味」である。
(26)
①((P→Q)→P)→P
①((PならばQ)ならばPならば)Pである。
といふ「式」が、「恒真式(トートロジー)」だと知ったときは、「意外」であったものの、今は「意外」であるとは、思ってゐない。
(27)
「昨日(令和02年01月24日)の記事」でも書いた通り、
①((P→Q)→P)→P
①((PならばQ)ならばPならば)Pである。
の「対偶(Contraposition)」を「計算」してみたところ、
② ~P→(~Q→~P)
②  Pでないならば(Qでなかろうと、Qであろうと、Pでない)。
であることが、分かったものの、
②  Pでないならば(Qでなかろうと、Qであろうと、Pでない)。
といふことは、「当然」である。


(478)「ド・モルガンの法則」と「含意の定義」。

2020-01-25 12:50:18 | 論理

(01)
①(Pであって、その上、Qである。)といふことはない
といふことは、
② Pでないか、Qでないか、少なくとも、その一方である。
といふことである。
従って、
(01)により、
(02)
①(Pであって、その上、Qである。)といふことはない。
② Pでないか、Qでないか、少なくとも、その一方である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
「記号」で書くと、
① ~(P& Q)
②  ~P∨~Q
に於いて、
①=② であるものの、この「等式」を、「ド・モルガンの法則」といふ。
従って、
(02)(03)により、
(04)
③(Pであって、その上、Qである。)といふことはない。といふことはない。
④(Pでないか、Qでないか、少なくとも、その一方である。)といふことはない。
に於いて、すなはち、
③ ~~(P& Q)
④ ~(~P∨~Q)
に於いて、
③=④ であるものの、この「等式」も、「ド・モルガンの法則」といふ。
然るに、
(05)
③ ~~(P&Q)
③(Pであって、その上、Qである。)といふことはない。といふことはない。
といふことは、「二重否定律(DN)により、
③  P&Q
③  Pであって、その上、Qである。
といふことである。
従って、
(04)(05)により、
(06)
③    P& Q
④ ~(~P∨~Q)
に於いて、
③=④ であるものの、この「等式」も、「ド・モルガンの法則」といふ。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
①  ~(P& Q)≡(Pであって、その上、Qである。)といふことはない。
②   ~P∨~Q ≡ Pでないか、Qでないか、少なくとも、その一方である。
③    P& Q ≡ Pであって、その上、Qである。
④ ~(~P∨~Q)≡(Pでないか、Qでないか、少なくとも、その一方である。)といふことはない。
に於いて、
①=② であって、
③=④ であり、これらの「等式」を、「ド・モルガンの法則」といふ。
然るに、
(08)
1 代入の規則
 一つの恒真式のなかの命題変項を他の命題変項、または論理式でおきかえることによって得られた式は同じく恒真式である。
(沢田允、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(07)(08)により、
(09)
例へば、
③    P& Q
④ ~(~P∨~Q)
に於いて、
P=(P→Q)
Q=~P
といふ「代入(Substitution)」を行へば、
③    (P→~P)& ~P
④ ~(~(P→~P)∨~~P)
に於いて、
③=④ であって、この「等式」も、「ド・モルガンの法則」といふ。
cf.
この場合の「③=④」を、「ベン図」ではどう描くのかだろうか(?)。
然るに、
(10)
①  ~(P& Q)
②   ~P∨~Q
に於いて、
Q=~Q
といふ「代入(Substitution)」を行へば、
①  ~(P& ~Q)
②   ~P∨~~Q
に於いて、
①=② であって、この「等式」も、「ド・モルガンの法則」といふ。
然るに、
(11)
「二重否定律(DN)により、
② ~~Q は、
②     Q に「等しい」。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① ~(P&~Q)
②  ~P∨ Q
に於いて、
①=② であって、この「等式」も、「ド・モルガンの法則」といふ。
然るに、
(13)
「交換法則」により、
① ~(P&~Q)
②  ~P∨ Q
といふ「式」は、
③ ~(~Q&P)
④   Q∨~P
といふ「式」に、他ならない。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① ~(P&~Q)
②  ~P∨ Q
③ ~(~Q&P)
④   Q∨~P
に於いて、
①=②=③=④ であって、この「等式」も、「ド・モルガンの法則」といふ。
従って、
(14)により、
(15)
① ~(P&~Q)≡(Pであって、その上、Qでない。)といふことはない。
②  ~P∨ Q ≡ Pでないか、Qであるか、少なくとも、その一方である。
③ ~(~Q&P)≡(Qでなくて、その上、Pである。)といふことはない。
④   Q∨~P ≡ Qであるか、Pでないか、少なくとも、その一方である。
に於いて、
①=②=③=④ であって、この「等式」も、「ド・モルガンの法則」といふ。
然るに、
(16)
①(Pであって、その上、Qでない。)といふことはない。
といふことは。
③  Pである。ならば、Qである。
といふことに、他ならない。
然るに、
(17)
② Pでないか、Qであるか、少なくとも、その一方である。
として、
② Pでない、ではない。
であるならば、「消去法」により、
②             Qである。
然るに、
(18)
「二重否定律(DN)により、
② Pでない、ではない。
といふことは、
② Pである。
といふ、ことである。
従って、
(17)(18)により、
(19)
② Pでないか、Qであるか、少なくとも、その一方である。
といふことは、
③ Pである。ならば、Qである。
といふことである。
従って、
(16)(19)により、
(20)
①(Pであって、その上、Qでない。)といふことはない
②  Pでないか、Qであるか、少なくとも、その一方である。
といふことは、両方とも、
③  Pであるならば、Qである。
といふことに、他ならない。
従って、
(21)
「記号」で書くと、
① ~(P&~Q)
②   ~P∨ Q
③     P→ Q
に於いて、
①=②=③ であるものの、「上田泰治、論理学、1967年、86頁」を見ると、
①=② も、「含意の定義」と、なってゐて、
②=③ も、「含意の定義」と、なってゐる。
然るに、
(22)
「このブログ」では、
① ~(P&~Q)
②   ~P∨ Q
③     P→ Q
に於いて、
①=② を、「ド・モルガンの法則」といひ、
②=③ を、「含意の定義」といふ。
然るに、
(23)
① ~(P&~Q)
②   ~P∨ Q
③     P→ Q
に於いて、
①=②=③ である。といふことを、「言葉(日本語)」ではなく、「計算」で示すと、次(24)のやうになる。
(24)
(ⅰ)
1   (1)  ~(P&~Q)  A
 2  (2) ~(~P∨ Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨ Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨ Q)&
         (~P∨ Q)  24&I
 2  (6)  ~~P      35RAA
 2  (7)    P      6DN
   8(8)       Q   A
   8(9)   ~P∨ Q   8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨ Q)&
         (~P∨ Q)  29&I
 2  (イ)      ~Q   8アRAA
 2  (ウ)    P&~Q   7イ&I
12  (エ)  ~(P&~Q)&
          (P&~Q)  1ウ&I
1   (オ)~~(~P∨ Q)  2エRAA
1   (カ)   ~P∨ Q   オDN
(ⅱ)
1   (1) ~P∨ Q  A
 2  (2)  P&~Q  A
  3 (3) ~P     A
 2  (4)  P     2&E
 23 (5) ~P& P  34&I
  3 (6)~(P&~Q) 25RAA
   7(7)     Q  A
 2  (8)    ~Q  2&E
 2 7(9)  ~Q&Q  67&I
   7(ア)~(P&~Q) 29RAA
1   (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
(ⅲ)
1      (1)  ~P∨ Q   A
 2     (2) ~(P→ Q)  A
  3    (3)   P&~Q   A
   4   (4)  ~P      A
  3    (5)   P      3&E
  34   (6)  ~P& P   45&I
   4   (7) ~(P&~Q)  36RAA
    8  (8)      Q   A
  3    (9)     ~Q   3&E
  3 8  (ア)   Q&~Q   89&I
    8  (イ) ~(P&~Q)  3アRAA
1      (ウ) ~(P&~Q)  1478イ∨E
     エ (エ)   P      A
      オ(オ)     ~Q   A
     エオ(カ)   P&~Q   エオ&I
1    エオ(キ) ~(P&~Q)&
            (P&~Q)  ウカ&I
1    エ (ク)    ~~Q   オキRAA
1    エ (ケ)      Q   クDN
1      (コ)    P→Q   エケCP
12     (サ)  ~(P→Q)&
             (P→Q)  2コ&I
1      (シ) ~~(P→Q)  2サRAA
1      (ス)    P→Q   シDN
(ⅳ)
1  (1)    P→Q   A
 2 (2) ~(~P∨Q)  A
  3(3)   ~P     A
  3(4)   ~P∨Q   3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  24&I
 2 (6)  ~~P     35RAA
 2 (7)    P     6DN
12 (8)      Q   17MPP
12 (9)   ~P∨Q   8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  29&I
1  (イ)~~(~P∨Q)  2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q   イDN
従って、
(24)により、
(25)
① ~(P&~Q)
②   ~P∨ Q
③     P→ Q
に於いて、
① ⇔ ② であって、
② ⇔ ③ である。
従って、
(25)により、
(26)
① ~(P&~Q)
②   ~P∨ Q
③     P→ Q
に於いて、
①=②=③ である。