日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(358)「強調形」と「排他的命題」(其の?)。

2019-09-30 13:53:31 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
(3)今商王受、婦言是用。(書経、牧誓)
〔いま商王受は、これ婦言をこれ用ふ。〕
〔「受」は、商の紂王の名、この「」は、その次の「婦言」を強調しているのである。〕
」と「」 
「惟」は、《書経》の〈商周書〉にきわめて多く用いられており、総字数に対して、二.五%強の高い使用率のものであったのであるが、春秋以降には、次第に用いられなくなっている。しかし、この強調する語気の「」は、次第に、専一・単独などの意味を表わす副詞として用いられるようになり、多く「」と書かれるようになっている。それで右の例(3)の「」は「タダ」と読んでいる人もある。
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、309・310頁)
(02)
【唯】[二]ヰ、ユイ
[二]① ただひとり限定の助辞、惟・維に通ず。② これ。發語の助辭、惟・維に通ず。
(参照、大修館、漢和大辞典デジタル版)
従って、
(01)(02)により、
(03)
例へば、
(3)今商王受、婦言是用。
に於ける「強調語気詞)」は、「婦言を」を「強調」してゐるものの、その「結果」として、「婦言を」は、「唯一、婦言だけを」の「意味」になってゐる。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(3)今商王受、婦言是用。
といふ漢文に於ける「強調の語気詞)」は、「only)」といふ「副詞」と、「区別」が付かない。
然るに、
(05)
①「商王は、婦言だけを用ひる。」
②「商王は、婦言を用ひ、婦言以外を用ひない。」
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
「AはBであり、A以外はBでない。」
といふ「命題」を、「排他的命題」といふ。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
例へば、
(3)今商王受、婦言是用。
がさうであるやうに、「強調形」は、「AはBであり、A以外はBでない。」といふ意味である所の、「排他的命題」を主張する。
然るに、
(08)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、ハとガで意味が反対になることがある。
 これはいいです。(不用)
 これいいです。(用)
ここで異を立てる方にはハを使っているが、述語が同型異議になっている。不用の方はテモイイ、デモイイ(許可)で、入用の方はほめことば(好適)である。つまり、初めの方は「これはもらわ(有償)なくてもいいです」「これは引っ込めてもらっていいです」などの短絡的表現だろう(三上章、日本語の論理、1963年、156・7頁)。
従って、
(08)により、
(09)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
②「これ良いです。」
といふのであれば、
②「これ以外は(相対的に)に良くないので、これを下さい。」
といふ、「意味」になる。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
① これはいいです。(不用)
② これいいです。(用)
に於ける、
②「これ」 は、
①「これは」 に対する、「強調形」であると、思はれる。
従って、
(10)により、
(11)
① 私は理事長です。
② 私理事長です。
に於ける、
②「私」 は、
①「私は」 に対する、「強調形」であると、思はれる。
然るに、
(12)
①「私は」の「は」は「清音」であって、
②「私」の「」は「音」である。
然るに、
(13)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① 私は(清音)
② 私音)
に於いて、
① の「(心理的な)音量」よりも、
② の「(心理的な)音量」の方が、「大きい」。 
然るに、
(15)
 私理事長です。(理事長は私です)
のように、ガの文がいわばハを内蔵していることがあるから、その説明が必要である。このような「私が」強声的になっていると言うことにする。そこに発音上のストレスを与えたのと似た効果を持っているからである。
(三上章、日本語の論理、1963年、106頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
強声的・発音上のストレス」のいふ「言葉」を用ひて、
① 私は(清音)
② 私音)
に於いて、
① の「(心理的な)音量」よりも、
② の「(心理的な)音量」の方が、「大きい」。 
といふことを、三上章先生自身が、認められてゐる。
従って、
(07)(14)(15)(16)により、
(17)
① 私は理事長です。
② 私理事長です。
に於ける、
① 私は(清音)
② 私音)
に於いて、
① に対する「強調形」が、
② であるため、
① 私は理事長です=私は理事長です。
② 私理事長です=私は理事長であり、私以外は理事長ではない
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(18)
② 私以外は理事長ではない
の「対偶(Contraposition)」は、
理事長は私である。
である。
従って、
(17)(18)により、
(19)
② 私理事長です=私は理事長であり、私以外は理事長ではない
② 私が理事長です=私は理事長であり、理事長は私です。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(20)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(19)(20)により、
(21)
「事実」として、
② 私理事長です=私は理事長であり、私以外は理事長ではない
② 私理事長です=私は理事長であり、理事長は私です。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(22)
1     (1)∀x{T記念会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(y≠z→~理事長zx)]} A
1     (2)   T記念会員a→∃y[私y&理事長ya&∀z(y≠z→~理事長za)]  1UE
 3    (3)   T記念会員a                              A
13    (4)          ∃y[私y&理事長ya&∀z(y≠z→~理事長za)]  23MPP
  5   (5)             私b&理事長ba&∀z(b≠z→~理事長za)   A
  5   (6)             私b&理事長ba                  5&E
  5   (7)             私b                        5&E
  5   (8)                理事長ba                  5&E
  5   (9)                      ∀z(b≠z→~理事長za)   5&E
  5   (ア)                         b≠c→~理事長ca    9UE
   イ  (イ)   ∃z(倉田z&~私z)                         A
    ウ (ウ)      倉田c&~私c                          A
    ウ (エ)      倉田c                              ウ&E
    ウ (オ)          ~私c                          ウ&E
     カ(カ)            b=c                        A
    ウカ(キ)          ~私b                          オカ=E
  5 ウカ(ク)          ~私b&私b                       7キ&I
  5 ウ (ケ)            b≠c                        カクRAA
  5 ウ (コ)                        ~理事長ca         アケMPP
  5 ウ (サ)      倉田c&~理事長ca                       エコ&I
  5 ウ (シ)   ∃z(倉田z&~理事長za)                      サEI
  5イ  (ス)   ∃z(倉田z&~理事長za)                      イウシEE
13 イ  (セ)   ∃z(倉田z&~理事長za)                      45スEE
1  イ  (ソ)   T記念会員a→∃z(倉田z&~理事長za)               3セCP
1  イ  (タ)∀x{T記念会員x→∃z(倉田z&~理事長zx)}              ソUI
従って、
(22)により、
(23)
(1)すべてのxについて、xがタゴール記念会の会員であるならば、あるyは私であって、yはxの理事長であって、すべてのzについて、yがzでないならば、zはxの理事長ではない。 然るに、
(イ)あるzは倉田であって、zは私ではない。 従って、
(タ)すべてのxについて、xがタゴール記念会の会員であるならば、あるzは倉田であって、zはxの理事長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(23)により、
(24)
(1)タゴール記念会は私理事長です。 然るに、
(イ)倉田氏は私ではない。       従って、
(タ)タゴール記念会であるならば、倉田は理事長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(22)(23)(24)により、
(25)
 タゴール記念会は私理事長です。⇔
 ∀x{T記念会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(y≠z→~理事長zx)]}⇔
 すべてのxについて、xがタゴール記念会の会員であるならば、あるyは私であって、yはxの理事長であって、すべてのzについて、yがzでないならば、zはxの理事長ではない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(26)
 ∀x{T記念会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(y≠z→~理事長zx)]}
から、                    ∀z(y≠z→~理事長zx)
を除いて
 ∀x{T記念会員x→∃y[私y&理事長yx]}
とするならば、
(1)タゴール記念会はが理事長です。 然るに、
(イ)倉田氏は私ではない。       従って、
(タ)タゴール記念会であるならば、倉田は理事長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない
然るに、
(27)
妥当な推論」を、「妥当」ではないとすることは、出来ない
従って、
(24)~(27)により、
(28)
三上章先生であっても、
「タゴール記念会は私理事長です。」といふ「日本語」の、
 ∀x{T記念会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(y≠z→~理事長zx)]}。
といふ「論理構造」を、「否定」することは、出来ないし、「無視」することも、出来ない


(356)「正確に1つのものがFである」(Ⅱb)。

2019-09-28 19:01:27 | 論理

(01)
1(1)  Fa A
1(2)∃xFx 1EI
(02)
1(1)  F A
1(2)∃xFx 1EI
従って、
(01)(02)により、
(03)
「Fa」ならば「∃xFx」であるが、
「∃xFx」ならば「F」かも、知れない。
従って、
(03)により、
(04)
①   Fa
② ∃xFx
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
然るに、
(05)
142 ∃xFx├ ∃x∃y(Fx&Fy)
1 (1)   ∃xFx     A
 2(2)     Fa     A(代表的選言項)
 2(3)     Fa&Fa  22&I
 2(4)  ∃y(Fa&Fy) 3EI
 2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
― 中略、―
言い換えると、相異なった変数「x」と「y」を用いる場合に、そのことから、それに対応する相異なった対象が存在するということは帰結しないのである(E.J.レモン 著、竹尾 治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、210頁)。
然るに、
(06)
1   (1)∃x∃y{(Fx&Fy)&x=y} A
 2  (2)  ∃y{(Fa&Fy)&a=y} A
  3 (3)      Fa&Fb &a=b  A
  3 (4)      Fa&Fb       3&E
  3 (5)             a=b  3&E
  3 (6)      Fa&Fa       45=E
  3 (7)      Fa          6&E
  3 (8)    ∃xFx          7EI
 2  (9)    ∃xFx          238EE
1   (ア)    ∃xFx          129EE
従って、
(05)(06)により、
(07)
① ∃xFx
② ∃x∃y{(Fx&Fy)&x=y}
に於いて、
① ならば、② であり、
② ならば、① である。
従って、
(07)により、
(08)
① ∃xFx
② ∃x∃y{(Fx&Fy)&x=y}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
① ∃xFx
①「少なくとも、1つのモノがFである。」
に於いて、
①=② である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
② ∃x∃y{(Fx&Fy)&x=y}=
②「少なくとも、1つのモノがFである。」
然るに、
(11)
② ∃x∃y{(Fx&Fy)&x=y}  ではなく、
③ ∃x∃y{(Fx&Fy)&xy}  であるならば、
②「少なくとも、1つのモノがFである。」ではなく、
③「少なくとも、2つのモノがFである。」である。
然るに、
(12)
③「少なくとも2つのモノがFである。」といふことは、
③「2つ以上のモノがFである。」といふ、ことである。
然るに、
(13)
③「2つ以上」の「否定」は、
④「2つ未満」である。
然るに、
(14)
④「2つ未満」  =「1個か、 0個」
④「個か、0個」=「多くとも個」
従って、
(11)~(14)により、
(15)
③  ∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}
の「否定」すなはち、
∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}
といふことは、
④「多くとも1つのモノがFである。」
といふ、ことである。
然るに、
(16)
(ⅳ)
1(1)~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y} A
1(2)∀x~∃y{(Fx&Fy)&x≠y} 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~{(Fx&Fy)&x≠y} 2量化子の関係
1(4)   ∀y~{(Fa&Fy)&a≠y} 3UE
1(5)    ~{(Fa&Fb)&a≠b} 4UE
1(6)      ~(Fa&Fb)∨a=b  5ド・モルガンの法則
1(7)       (Fa&Fb)→a=b  6含意の定義
1(8)    ∀y{(Fa&Fy)→a=y} 7UI
1(9) ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}  8UI
(ⅴ)
1(1) ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}  A
1(2)   ∀y{(Fa&Fy)→a=y}  1UE
1(3)       Fa&Fb →a=b  2UE
1(4)     ~(Fa&Fb)∨a=b  3含意の定義
1(5)    ~{(Fa&Fb)&a≠b} 4ド・モルガンの法則
1(6)  ∀y~{(Fa&Fy)&a≠y} 5UI
1(7)  ~∃y{(Fa&Fy)&a≠y} 6量化子の関係
1(8)∀x~∃y{(Fa&Fy)&x≠y} 7UI
1(9)~∃x∃y{(Fa&Fy)&x≠y} 8量化子の関係
従って、
(16)により、
(17)
④ ~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}
⑤   ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
④ ~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}
④   ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}
は、両方とも、
④「多くとも1つのモノがFである。」
④「多くとも1つのモノがFである。」
といふ、ことである。
従って、
(09)(18)により、
(19)
⑤ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
であれば、
⑤「少なくとも1つのモノがFであり、多くとも1つのモノがFである。」
といふ、ことになる。
然るに、
(20)
(ⅴ)
1  (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  A
1  (2)∃xFx                  1&E
 3 (3)  Fa                  A
1  (4)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  1&E
1  (5)       ∀y(Fa&Fy→a=y)  4UE
1  (6)          Fa&Fb→a=b   5UE
  7(7)             Fb       A
 37(8)          Fa&Fb       37&I
137(9)                a=b   68MPP
13 (ア)             Fb→a=b   79CP
13 (イ)          ∀y(Fy→a=y)  アUI
13 (ウ)       Fa&∀y(Fy→a=y)  3イ&I
13 (エ)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ウUI
1  (オ)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 13エEE
(ⅵ)
1  (1)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
 2 (2)       Fa&∀y(Fy→a=y)  A
 2 (3)       Fa             2&E
 2 (4)          ∀y(Fy→a=y)  2&E
 2 (5)             Fb→a=b   4UE
  6(6)          Fb&Fb       A
  6(7)             Fb       6&E
 26(8)                a=b   57MPP
 26(9)            a=b&a=b   88&I
 26(ア)                a=b   9&E
 26(イ)                b=b   8ア=E
 2 (ウ)          Fb&Fb→b=b   5イCP
 2 (エ)       ∀y(Fb&Fy→b=y)  ウUI
 2 (オ)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  エUI
 2 (キ)     ∃xFx             3EI
 2 (ク)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  オキ&I
1  (ケ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  12クEE
従って、
(20)により、
(21)
⑤ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
⑥ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(19)(20)(21)により、
(22)
⑤ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
⑤ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
は、両方とも、
⑤「少なくとも、1つのモノがFであり、多くとも、1つのモノがFである。」
⑤「少なくとも、1つのモノがFであり、多くとも、1つのモノがFである。」
といふ「意味」になる。
然るに、
(23)
⑤「少なくとも1つのモノがFであり、多くとも1つのモノがFである。」
といふことは、
⑤「正確に1つのモノがFである。」
といふことに、他ならない。
従って、
(22)(23)により、
(24)
⑤「正確に1つのモノがFである。」⇔
⑤ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}⇔
⑤ あるxはFであり、すべてのyについて、yがFであるならば、xはyと「同一」である。
といふ「等式」が、成立する。
令和元年09月28日、毛利太。


(354)「述語論理」の『新しい規則』について。

2019-09-26 17:10:28 | 論理

(01)
私は理事長であって、理事長は私である。然るに、
倉田氏は私ではない。従って、
私は理事長であって倉田氏ではなく、倉田氏は理事長ではなく私ではない。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
然るに、
(02) 
1    (1)∃x{私x&理事長x&∀y(理事長y→x=y)}  A
1    (〃)私は理事長であって、理事長は私である。       A
 2   (2)∃y(倉田y&~私y)               A
 2   (〃)倉田は私ではない。                 A
  3  (3)    私a&理事長a&∀y(理事長y→a=y)  A
  3  (4)    私a                    3&E
    3  (5)       理事長a               3&E
  3  (6)            ∀y(理事長y→a=y)  3&E
  3  (7)               理事長b→a=b   6UE
   8 (8)   倉田b&~私b                A
   8 (9)   倉田b                    8&E
   8 (ア)       ~私b                8&E
    イ(イ)       a=b                A
  3 イ(ウ)    私b                    4イ=E
  38イ(エ)    私b&~私b                アウ&I
  38 (オ)       a≠b                イエRAA
  38 (カ)   倉田b&a≠b                9オ&I
  38 (キ)  ~倉田a                     カであるため
  38 (ク)   理事長a&~倉田a              5キ&I
  38 (ケ)   私a&理事長a&~倉田a           4ク&I
  38 (コ)∃x(私x&理事長x&~倉田x)          ケEI
 23  (サ)∃x(私x&理事長x&~倉田x)          28コEE
12   (シ)∃x(私x&理事長x&~倉田x)          13サEE 
  38 (ス)              ~理事長b       7オMTT
  38 (セ)   倉田b&~理事長b              9ス&E
  38 (ソ)   倉田b&~理事長b&~私b          アセ&I
  38 (タ)∃y(倉田y&~理事長y&~私y)         ソEI
 23  (チ)∃y(倉田y&~理事長y&~私y)         28タEE
12   (ツ)∃y(倉田y&~理事長y&~私y)         13チEE
12   (テ)∃x(私x&理事長x&~倉田x)&∃y(倉田y&~理事長y&~私y)             シツ&I
12   (〃)あるxは私であって理事長であって倉田ではない。あるyは倉田であって理事長ではなく私ではない。 シツ&I
12   (〃)私は理事長であって倉田ではなく、倉田は理事長ではなく私ではない。               シツ&I
従って、
(01)(02)により、
(03)
今行った「述語計算(Predicate calculation)」が、「妥当」でないはずがない
然るに、
(04)
第1に、固有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
     m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
     a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
     x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
     F,G,H,・・・・・
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、176頁改)
First,    I define a proper name as one of the marks
      'm','n',....
Secondly, I define an arbitrary name as one of the marks
          'a','b','c',....
Thirdly,  I define an individual variable as one of the marks
          'x','y','z',....
Fourthly, I define a predicate-letter as one of the marks
     'F','G','H',....
(E.J.Lemmon, Beginning Logic,P138)
従って、
(04)により、
(05)
モハメッド」のやうな「固有名詞(proper name)」を、「述語文字(predicate-letter)」として使ふことは、「認めれてはゐない」ため、「m=モハメッド」として、
練習問題1(c)
1    (1)∀x{駱x→∀y(馭y&優y→好xy)} A
 2   (2)∃x(駱x&~好xm)          A
  3  (3)馭m                   A
   4 (4)   優m                A
1    (5)   駱a→∀y(馭y&優y→好ay)  1UE
1    (6)   駱a→   馭m&優m→好am   1UE
    7(7)   駱a&~好am           A
    7(8)   駱a                7&E
1   7(9)         馭m&優m→好am   68MPP
  34 (ア)         馭m&優m       34&I
1 347(イ)               好am   9アMPP
    7(ウ)      ~好am           7&E
1 347(エ)      ~好am&好am       イウ&I
1 3 7(オ)  ~優m                 4エRAA
123  (カ)  ~優m                 27オEE
123  (〃)モハメッドは優しくない。         27オEE
と書くのが、「正しく」、
練習問題1(c)
1       (1)∀x{駱駝x→∀y(馭者y&優y→好xy)} A
 2      (2)∃x∃y(駱駝x&モハメッドy&~好xy)  A
  3     (3)  ∃y(駱駝a&モハメッドy&~好ay)  A
   4    (4)     駱駝a&モハメッドb&~好ab   A
   4    (5)     駱駝a               4&E
   4    (6)         モハメッドb        4&E
   4    (7)                ~好ab   4&E
    8   (8)  ∃y(モハメッドy&馭者y)       A
     9  (9)     モハメッドb&馭者b        A
     9  (ア)            馭者b        9&E
      イ (イ)  ∃y(モハメッドy&優y)        A
       ウ(ウ)     モハメッドb&優b         A
       ウ(エ)            優b         ウ&E
1       (オ)   駱駝a→∀y(馭者y&優y→好ay)  1UE
1  4    (カ)       ∀y(馭者y&優y→好ay)  5オMPP
1  4    (キ)          馭者b&優b→好ab   カUE
     9 ウ(ク)          馭者b&優b       アエ&I
1  4 9 ウ(ケ)                 好ab   キクMPP
1  4 9 ウ(コ)            ~好ab&好ab   7ケ&I
1  4 9  (サ)           ~優b         エコRAA
1  4 9  (シ)    モハメッドb&~優b         6サ&I
1  4 9  (ス) ∃y(モハメッドy&~優y)        シEI
1  48   (セ) ∃y(モハメッドy&~優y)        89スEE
1 3 8   (ソ) ∃y(モハメッドy&~優y)        34セEE
12  8   (タ) ∃y(モハメッドy&~優y)        12ソEE
12  8   (〃)あるyはモハメッドであってyは優しくない。  12ソEE
12  8   (〃)    モハメッドは優しくない。       12ソEE
と書くのは、「正しく」はない
従って、
(05)により、
(06)
   8 (8)   倉田b&~私b                A
   8 (9)   倉田b                    8&E
   8 (ア)       ~私b                8&E
のやうに、「倉田」のやうな「固有名詞(proper name)」を、「倉田y(yは倉田である)」のやうな「述語文字(predicate-letter)」として用ひることは、「認めれてはゐない」し、ましてや、「」のやうな「人称代名詞(individual)」を、「~私b(bは私ではない)」と書くことも、「教科書的」には、「マチガイ」である。
然るに、
(07)
「日本語に即した文法の樹立を」を目指すわれわれは「日本語人称代名詞と呼ばれているものは、実は名詞だ」と宣言したい。どうしても区別したいなら「人称名詞」で十分だ。日本語の「人称代名詞」はこれからは「人称名詞」と呼ぼう。
(金谷武洋、日本語文法の謎を解く、2003年、40・41頁)
従って、
(07)により、
(08)
日本語の「私」は、「人称代名詞」ではなく、「単なる名詞」であるため、「私x&理事長x(xは私であって理事長である。)」といふ風に、「述語文字(predicate-letter)」、用ひてはならないとする「理由」はない。
然るに、
(09)
「私(individual)」を、「述語文字(predicate-letter)」として用ひても良いのであれば、「倉田」のやうな「固有名詞(proper name)」であっても、「述語文字(predicate-letter)」として、用ひても良いことになる。
然るに、
(10)
「大倉」のやうな「固有名詞(proper name)」を、「述語文字(predicate-letter)」として、用ひてゐると、
1    (1)∃x( 私x& 理事長x)     A
1    (〃)私は理事長である。         A
 2   (2)∃y(大倉y&~理事長y)     A
 2   (〃)大倉氏は理事長ではない。      A
  3  (3)    私a& 理事長a      A
  3  (4)    私a            3&E
  3  (5)        理事長a      3&E
   6 (6)   大倉b&~理事長b      A
   6 (7)   大倉b            6&E
   6 (8)       ~理事長b      6&E
    9(9)   a=b            A
  3 9(ア)        理事長b      59=E
  369(イ)       ~理事長b&理事長b 89&I
  36 (ウ)   a≠b            9イRAA
  36 (エ)   大倉b&a≠b        7ウ&I
  36 (オ)  ~大倉a            エ[∵ 大倉が「固有名詞」で「bが大倉で、aがbでないならば、aは大倉ではない。」ただし、このやうな規則は、教科書には無い。]
  23  (カ)  ~大倉a            26オEE         
 23  (キ)   私a&~大倉a        4カ&I
 23  (ク)∃x(私x&~大倉x)       キEI
12   (ケ)∃x(私x&~大倉x)       13クEE
12   (〃)あるxは私であって、大倉ではない。 13クEE
12   (〃)私は大倉氏ではない。        13クEE
といふ風に、
  36 (エ)   大倉b&a≠b        7ウ&I
  36 (オ)  ~大倉a            エ[∵ 大倉が「固有名詞」で「bが大倉で、aがbでないならば、aは大倉ではない。」ただし、このやうな規則は、教科書には無い。]
といふ「事態」に、至ることになる。
従って、
(02)(06)(10)により、
(11)
(ⅰ)
私は理事長である。然るに、
倉田氏は理事長ではない。従って、
私は倉田氏ではない。
といふ「推論」や、
(ⅱ)
私は理事長であって、理事長は私である。然るに、
倉田氏は私ではない。従って、
私は理事長であって倉田氏ではなく、倉田氏は理事長ではなく私ではない。
といふ「推論」を行ふ際には、
  36 (エ)   大倉b&a≠b        7ウ&I
  36 (オ)  ~大倉a            ∵ エであるため。
といふ、「新しい規則」が、「必要」になる。
(12)
First,    I define a proper name as one of the marks
      'm','n',....
Secondly, I define an arbitrary name as one of the marks
          'a','b','c',....
Thirdly,  I define an individual variable as one of the marks
          'x','y','z',....
Fourthly, I define a predicate-letter as one of the marks
     'F','G','H',....
(E.J.Lemmon, Beginning Logic,P138)
第1に、固有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
     m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
     a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
     x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
     F,G,H,・・・・・
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、176頁改)
といふ「規則」に縛られず、「固有名詞や、人称名詞」を、「述語文字(predicate-letter)」として、使用したいがためである


(353)「正確に1つのモノがFである」(Ⅱ)。

2019-09-25 17:13:47 | 論理

(01)
①  ∃xFx             =少なくとも、1つのモノが、 Fである(1個以上がFである)。
②  ∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}=少なくとも、2つのモノが、 Fである(2個以上がFである)。
③ ~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}=多くとも、 1つのモノしか、Fでない(2個未満がFである)。
然るに、
(02)
(ⅲ)
1(1)~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y} A
1(2)∀x~∃y{(Fx&Fy)&x≠y} 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~{(Fx&Fy)&x≠y} 2量化子の関係
1(4)  ∀y~{(Fa&Fy)&a≠y} 3UE
1(5)    ~{(Fa&Fb)&a≠b} 4UE
1(6)     ~(Fa&Fb)∨a=b  5ド・モルガンの法則
1(7)      (Fa&Fb)→a=b  6含意の定義
1(8)   ∀y{(Fa&Fy)→a=y} 7UI
1(9) ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y} 8UI
(ⅳ)
1(1) ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y} A
1(2)   ∀y{(Fa&Fy)→a=y} 1UE
1(3)      (Fa&Fb)→a=b  2UE
1(4)     ~(Fa&Fb)∨a=b  3含意の定義
1(5)    ~{(Fa&Fb)&a≠b} 4ド・モルガンの法則
1(6)  ∀y~{(Fa&Fy)&a≠y} 5UI
1(7)∀x∀y~{(Fa&Fy)&a≠y} 6UI
1(8)∀x~∃y{(Fa&Fy)&a≠y} 7量化子の関係
1(9)~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y} 8量化子の関係
従って、
(01)(02)により、
(03)
①  ∃xFx             =1個以上がFである。
②  ∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}=2個以上がFである。
③ ~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}=2個未満がFである。
④   ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}=2個未満がFである。
従って、
(03)により、
(04)
③ ∃xFx&~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}=1個以上がFであって、2個未満がFである。
④ ∃xFx&  ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}=1個以上がFであって、2個未満がFである。
然るに、
(05)
(ⅳ)
1  (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  A
1  (2)∃xFx                  1&E
 3 (3)  Fa                  A
1  (4)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  1&E
1  (5)       ∀y(Fa&Fy→a=y)  4UE
1  (6)          Fa&Fb→a=b   5UE
  7(7)             Fb       A
 37(8)          Fa&Fb       37&I
137(9)                a=b   68MPP
13 (ア)             Fb→a=b   79CP
13 (イ)          ∀y(Fy→a=y)  アUI
13 (ウ)       Fa&∀y(Fy→a=y)  3イ&I
13 (エ)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ウUI
1  (オ)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 13エEE
(ⅴ)
1  (1)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
 2 (2)       Fa&∀y(Fy→a=y)  A
 2 (3)       Fa             2&E
 2 (4)          ∀y(Fy→a=y)  2&E
 2 (5)             Fb→a=b   4UE
  6(6)          Fb&Fb       A
  6(7)             Fb       6&E
 26(8)                a=b   57MPP
 26(9)            a=b&a=b   88&I
 26(ア)                a=b   9&E        
 26(イ)                b=b   8ア=E
 2 (ウ)          Fb&Fb→b=b   5イCP
 2 (エ)       ∀y(Fb&Fy→b=y)  ウUI
 2 (オ)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  エUI
 2 (キ)     ∃xFx             3EI
 2 (ク)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  オキ&I
1  (ケ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  12クEE
従って、
(04)(05)により、
(06)
③ ∃xFx&~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}=1個以上がFであって、2個未満がFである。
④ ∃xFx&  ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}=1個以上がFであって、2個未満がFである。
⑤        ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}=1個以上がFであって、2個未満がFである。
に於いて、
③=④=⑤ である。
然るに、
(07)
「1個以上のモノがFであって、2個未満のモノがFである。」
といふことは、
『(0個でも、2個以上でもなく、)正確に、1個のモノがFである。』
といふ、ことである。
cf.
1個以上⇒ 〔1,2,・・・・・
2個未満=0,1〕
従って、
(06)(07)により、
(08)
③ ∃xFx&~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}=正確に、1個のモノがFである。
④ ∃xFx&  ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}=正確に、1個のモノがFである。
⑤        ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}=正確に、1個のモノがFである。
然るに、
(09)
(ⅰ)
1   (1)∃x{ 私x&理事長x&∀y(理事長y→x=y)} A
 2  (2)∃y{大倉y&理事長y}              A
  3 (3)    私a&理事長a&∀y(理事長y→a=y)  A
  3 (4)    私a                    3&E
  3 (5)            ∀y(理事長y→a=y)  3&E
  3 (6)               理事長b→a=b   5UE
   7(7)   大倉b&理事長b               A
   7(8)   大倉b                    7&E
   7(9)       理事長b               7&E
  37(ア)                    a=b   69MPP
  37(イ)    私b                    4ア=E
  37(ウ)    私b&大倉b                48&I
  37(エ) ∃y(私y&大倉y)               ウEI
 23 (カ) ∃y(私y&大倉y)               27エEE
12  (キ) ∃y(私y&大倉y)               13カEE
12  (〃)あるyは私であり、大倉である。           13カEE
(ⅱ)
1    (1)∃x( 私x& 理事長x)     A
 2   (2)∃y(大倉y&~理事長y)     A
  3  (3)    私a& 理事長a      A
  3  (4)    私a            3&E
  3  (5)        理事長a      3&E
   6 (6)   大倉b&~理事長b      A
   6 (7)   大倉b            6&E
   6 (8)       ~理事長b      6&E
    9(9)   a=b            A
  3 9(ア)        理事長b      59=E
  369(イ)       ~理事長b&理事長b 89&I
  36 (ウ)   a≠b            9イRAA
  36 (エ)   大倉b&a≠b        7ウ&I
  36 (オ)  ~大倉a            エ[∵ 大倉が「固有名詞」で「bが大倉で、aがbでないならば、aは大倉ではない。」ただし、このやうな規則は、教科書には無い。]
  23  (カ)  ~大倉a            26オEE         
 23  (キ)   私a&~大倉a        4カ&I
 23  (ク)∃x(私x&~大倉x)       キEI
12   (ケ)∃x(私x&~大倉x)       13クEE
12   (〃)あるxは私であって、大倉ではない。 13クEE
従って、
(08)(09)により、
(10)
① 正確に、私一人が理事長であって、大倉が理事長であるならば、私は大倉である。
②     私が  理事長であって、大倉が理事長でないならば、私は大倉ではない。


(352)「ラッセルの確定記述」と「は・が」。

2019-09-24 17:09:44 | 「は」と「が」

(01)
ラッセルの確定記述の理論を用いて、次の論証の健全性を確立せよ。
(a)マイン・カンプの著者は1945年に死んだ。ヒトラーはマイン・カンプを書いた。故にヒトラー1945年に死んだ。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、215頁)
(02)
〔私の解答〕
1   (1)∃x(我が闘争x&45年死x)         A
 2  (2)   我が闘争a&45年死a          A
  3 (3)∃y{ヒトラーy&∀x(我が闘争x→x=y)} A
   4(4)   ヒトラーb&∀x(我が闘争x→x=b)  A
   4(5)         ∀x(我が闘争x→x=b)  4&E
   4(6)            我が闘争a→a=b   5UE
 2  (7)            我が闘争a       2&E
 2 4(8)                  a=b   67MPP
   4(9)   ヒトラーb                4&E
 2 4(ア)   ヒトラーa                89=E
 2  (イ)         45年死a          2&E
 2 4(ウ)   ヒトラーa&45年死a          アイ&I
 2 4(エ)∃x(ヒトラーx&45年死x)         ウEI
 23 (オ)∃x(ヒトラーx&45年死x)         34エEE
1 3 (カ)∃x(ヒトラーx&45年死x)         12オEE
1 3 (〃)あるxはヒトラーであって1945年に死んだ。  12オEE
1 3 (〃)Therefore Hitler died in 1945.                 12オEE
従って、
(01)(02)により、
(03)
「ラッセルの確定記述の理論(definite description)」により、
① ヒトラー=マイン・カンプの著者.
といふことは、
② ヒトラーはマイン・カンプの著者であり、マイン・カンプの著者はヒトラーである。
③ ヒトラーはマイン・カンプの著者であり、ヒトラー以外はマイン・カンプの著者ではない
といふことに、他ならない。
従って、
(03)により、
(04)
① A=B.
といふことは、
② AはBであり、BはAである。
③ AはBであり、A以外はBではない
といふことに、他ならない。
然るに、
(05)
逆は必ずしも、真ではない。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① AはBである。
からと言って、
① BはAである。
とは、限らない。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① AはBである。
からと言って、
① A=B
とは、限らない。
従って、
(07)により、
(08)
① AはBである(A is B)。
には、
② A=B
③ A≠B
といふ、「2通り」があることになる。
然るに、
(09)
Consider the six English sentences below.
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I most admire.
(E.J.Lemmon, Beginning Logic,1978/6/1,p160)
(10)
つぎの6つの日本語の文を考えてみよう。
(1)ソクラテスは哲学者である。
(2)パリは都市である。
(3)勇気は徳である。
(4)ソクラテスはプラトンを教えた哲学者である。
(5)パリはフランスの首都である。
(6)勇気はわたしが最も賛美する徳である。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、204頁)
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
① AはBである(A is B)。
には、
② A=B(A is the B).
③ A≠B(A is  a  B).
といふ、「2通り」があることになる。
然るに、
(12)
①{ソクラテス、プラトン、アリストテレス}
を{対象}とする際に、
① ソクラテスは哲学者である。
② ソクラテス哲学者である。
に於いて、
① は、「正しく」、
② は、「間違ひ」である。
然るに、
(13)
①{ソクラテス、プラトン、アリストテレス}
を{対象}とする際に、
① ソクラテスはプラトンを教えた哲学者である。
② ソクラテスプラトンを教えた哲学者である。
に於いて、
① は、「正しく」、
② も、「正しい」。
然るに、
(14)
①{ソクラテス、プラトン、アリストテレス}
を{対象}とする際に、
① ソクラテスは哲学者である。
③ 哲学者はソクラテスである。
に於いて、
① は、「正しく」であるが、
③ は、「間違ひ」である。
然るに、
(15)
①{ソクラテス、プラトン、アリストテレス}
を{対象}とする際に、
① ソクラテスはプラトンを教えた哲学者である。
③ プラトンを教えた哲学者はソクラテスである。
に於いて、
① は、「正しく」、
③ も、「正しい」。
従って、
(12)~(15)により、
(16)
① ソクラテスは哲学者である。
② ソクラテス哲学者である。
③ 哲学者はソクラテスである。
であれば、
① 以外は「間違ひ」であって、
① ソクラテスはプラトンを教えた哲学者である。
② ソクラテスプラトンを教えた哲学者である。
③ プラトンを教えた哲学者はソクラテスである。
であれば、
① は「正しく」、
② も「正しく」、
③ も「正しい」。
従って、
(16)により、
(17)
① AはBであって、
③ BはAである。
ならば、そのときに限って、
① AはBである。は、
② ABである。
と、「言ひ得る」といふ、ことになる。
従って、
(09)(17)により、
(18)
Consider the six English sentences below.
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I most admire.
(E.J.Lemmon, Beginning Logic,1978/6/1,p160)
であるならば、
(1,2,3)A is  a  B.
(4,5,6)A is the B.
に於いて、
(1,2,3)は、「AはBである。」の「1通り」しかなく、
(4,5,6)は、「AはBである。」&「ABである。」の「2通り」がある。
といふ、ことになる。
従って、
(17)(18)により、
(19)
(2)Paris is a city.
(5)Paris is the capital of France.
であれば、
(2)ではなく、
(5)の場合は、
(5)Paris is the capital of France.であると同時に、
(〃)the capital of France is Paris.であるが故に、
(5)パリはフランスの首都である。  と同時に、
(〃)パリフランスの首都である。  といふ、ことなる。
然るに、
(20)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(19)(20)により、
(21)
(7)I am the 理事長 of タゴール記念会. であると同時に、
(〃)the 理事長 of タゴール記念会 is me. であるが故に、
(7)私はタゴール記念会の理事長である。  と同時に、
(〃)私タゴール記念会の理事長である。  といふ、ことなる。


(351)「正確に1つのものがF」の「述語論理」。

2019-09-23 14:56:03 | 論理

(01)
それ故、正確に1つのものがFをもつということは、つぎのように言うことである。
  (16)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
さて(16)は、実はより短くすっきりしたつぎの式と相互に導出可能なのである。
  (17)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
(17)は、あるものがFをもち、そして任意のFをもつものはまさにそのものにほかならない、と主張する。
(E.J.レモン 著、竹尾 治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、211・212頁)
(02)
練習問題3 つぎに相互に導出可能な結果を確立せよ(本文の(16)および(17)を参照)。
(a)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}┤├ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 
(ヒント:練習問題1(c)を用いてSIを適用すれば、労が省かれるだろう)
(E.J.レモン 著、竹尾 治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、215頁)
然るに、
(03)
練習問題1(c)b=a,c=a├ b=c
といふ「問題」が、どうして、ヒントになるのかが、私には、分からない。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1  (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  A
1  (2)∃xFx                  1&E
 3 (3)  Fa                  A
1  (4)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  1&E
1  (5)       ∀y(Fa&Fy→a=y)  4UE
1  (6)          Fa&Fb→a=b   5UE
  7(7)             Fb       A
 37(8)          Fa&Fb       37&I
137(9)                a=b   68MPP
13 (ア)             Fb→a=b   79CP
13 (イ)          ∀y(Fy→a=y)  アUI
13 (ウ)       Fa&∀y(Fy→a=y)  3イ&I
13 (エ)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ウUI
1  (オ)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 13エEE
(ⅱ)
1  (1)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
 2 (2)       Fa&∀y(Fy→a=y)  A
 2 (3)       Fa             2&E
 2 (4)          ∀y(Fy→a=y)  2&E
 2 (5)             Fb→a=b   4UE
  6(6)          Fb&Fb       A
  6(7)             Fb       6&E
 26(8)                a=b   57MPP
 26(9)            a=b&a=b   88&I
 26(ア)                a=b   9&E
 26(イ)                b=b   8ア=E
 2 (ウ)          Fb&Fb→b=b   5イCP
 2 (エ)       ∀y(Fb&Fy→b=y)  ウUI
 2 (オ)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  エUI
 2 (キ)     ∃xFx             3EI
 2 (ク)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  オキ&I
1  (ケ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  12クEE
従って、
(04)により、
(05)
3 つぎに相互に導出可能な結果を確立せよ(本文の(16)および(17)を参照)。
(a)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}┤├ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 
といふ「問題」の「解答」は、(04)であっても、「マチガイではない」はずであるが、残念なことに、「E.J.レモン 著、竹尾 治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年」には、「問題に対する解答」が載ってゐない。


(350)「同一性」の「is」と「は・が」。

2019-09-21 15:22:21 | 「は」と「が」

(01)
① 埼玉は日本であるが、埼玉は東京ではない。
従って、
(01)により、
(02)
① 日本は東京である。
といふ「命題」は、「偽(ウソ)」である。
然るに。
(03)
① 日本は東京である。
に対して、
② 日本の首都は東京である。
といふ「命題」は、「真(本当)」である。
然るに、
(04)
③ 東京日本である。
といふ「命題」は、「偽(ウソ)」であるが、
④ 東京日本の首都である。
といふ「命題」は、「真(本当)」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
③ 東京日本である。
① 日本は東京である。
④ 東京日本の首都である。
② 日本の首都は東京である。
に於いて、
③&① は「偽(ウソ)」であって、
④&② は「(本当)」である。
然るに、
(06)
① 日本は東京である。
② 日本の首都は東京である。
に対する「対偶(Contraposition)」は、それぞれ、
① 東京以外は日本ではない
② 東京以外は日本の首都ではない
従って、
(05)(06)により、
(07)
① AがBである。
が「真(本当)」であるならば、そのときに限って、
② BはAである(A以外はBでない)。
も「真(本当)」である。
然るに、
(08)
① ABである。ならば、
② ABでない。といふことはない
従って、
(08)により、
(09)
① AがBである。ならば、
② ABである。
従って、
(07)(09)により、
(10)
① ABである。
が「真(本当)」であるならば、そのときに限って、
② AはBであり、BはAである。
② AはBであり、A以外はBでない
は「真(本当)」である。
然るに、
(11)
② AはBであり、BはAである。
といふことは、
② A=B
といふことに、他ならない。
従って、
(01)~(11)により、
(12)
① AはBである。
といふ「言ひかた」を、
① ABである。
といふ風に、「言い換へ」た際に、
① ABである。
といふ「命題」が、「(本当)」であるならば、そのときに限って
② A
である。
従って、
(12)により、
(13)
① A is B.
といふ「言ひかた」を、
① ABである。
といふ風に、「言い換へ」た際に、
① ABである。
といふ「命題」が、「(本当)」であるならば、そのときに限って
② A
である。
然るに、
(14)
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I most admire.
(E.J.Lemmon, Beginning Logic,1978/6/1,p160)
に於いて、例へば、
(2)Paris is a city.
(5)Paris is the capital of France.
であれば、
(2)パリが都市である。
(5)パリフランスの首都である。
に於いて、
(2)は「偽(ウソ)」であって、
(5)は「(本当)」であるため、
(2)パリ=都市      ではないが、
(5)パリ=フランスの首都 である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
① A is  a  B.
② A is the B.
であれば、
② ならば、そのときに限って
② ABである。
であって、
② A
である。
従って、
(13)(15)により、
(16)
② パリ フランスの首都である。
② パリ is the 首都 of フランス。
② パリ = the 首都 of フランス。
に於ける、
② パリ is the
の、  is
を、「同一性(identity)のis」と言ふ。
cf.
This‘ is ’we distinguish as the‘ is ’of identity.
(E.J.Lemmon, Beginning Logic,1978/6/1,p160)
然るに、
(16)により、
(17)
② パリフランスの首都である。⇔
② Paris is the capital of France.⇔
② ∃x{パリx&∀y(フランスの首都y→x=y)}⇔
② あるxはパリであって、すべてのyについて、yがフランスの首都であるならならば、xとyは「同一」である。
然るに、
(18)
②  ∃x{パリx&∀y(フランスの首都y→x=y)}
を「否定」すると、
① ~∃x{パリx&∀y(フランスの首都y→x=y)}
である。
然るに、
(19)
(a)
1  (1)~∃x{パリx&∀y(フランスの首都y→x=y)} A
1  (2)∀x~{パリx&∀y(フランスの首都y→x=y)} 1量化子の関係
1  (3)  ~{パリa&∀y(フランスの首都y→a=y)} 1UE
1  (4)  ~パリa∨~∀y(フランスの首都y→a=y)  1ド・モルガンの法則
1  (5)   パリa→~∀y(フランスの首都y→a=y)  4含意の定義
 6 (6)   パリa                    A
16 (7)       ~∀y(フランスの首都y→a=y)  56MPP
16 (8)       ∃y~(フランスの首都y→a=y)  7量化子の関係
  9(9)         ~(フランスの首都b→a=b)  A
  9(ア)        ~(~フランスの首都b∨a=b)  9含意の定義
  9(イ)           フランスの首都b&a≠b   ア、ド・モルガンの法則
  9(ウ)        ∃y(フランスの首都y&a≠y)  9EI
16 (エ)        ∃y(フランスの首都y&a≠y)  89EE
1  (オ)    パリa→∃y(フランスの首都y&a≠y)  6エCP
1  (カ) ∀x{パリx→∃y(フランスの首都y&x≠y)} オUI
(b)
1  (1) ∀x{パリx→∃y(フランスの首都y&x≠y)} A
1  (2)    パリa→∃y(フランスの首都y&a≠y)  1UE
 3 (3)    パリa                   A
13 (4)        ∃y(フランスの首都y&a≠y)  23MPP
  5(5)           フランスの首都y&a≠b   A
  5(6)        ~~(フランスの首都y&a≠b)  5DN
  5(7)        ~(~フランスの首都y∨a=b)  6ド・モルガンの法則
  5(8)         ~(フランスの首都y→a=b)  7含意の定義
  5(9)       ∃y~(フランスの首都y→a=y)  8EI
13 (ア)       ∃y~(フランスの首都y→a=y)  459EE
13 (イ)       ~∀y(フランスの首都y→a=y)  ア量化子の関係
1  (ウ)   パリa→~∀y(フランスの首都y→a=y)  3イCP
1  (エ)  ~パリa∨~∀y(フランスの首都y→a=y)  ウ含意の定義
1  (カ)  ~{パリa&∀y(フランスの首都y→a=y)} エ、ド・モルガンの法則
1  (キ)∀x~{パリa&∀y(フランスの首都y→a=y)} カUI
1  (ク)~∃x{パリx&∀y(フランスの首都y→x=y)} キ量化子の関係
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
② パリフランスの首都である。⇔
② ∃x{パリx&∀y(フランスの首都y→x=y)}。
の「否定」は、
① ∀x{パリx→∃y(フランスの首都y&x≠y)}⇔
① いかなるxであっても、xがパリであるならば、あるyはフランスの首都であって、尚且つ、ではない
である。
然るに、
(21)
① xがパリであるならば、あるyはフランスの首都であって、尚且つ、ではない
といふことは、
① x=パリ 以外にも、
① y=フランスの首都 が在る
といふ、ことである。
然るに、
(21)
① x=パリ 以外にも、
① y=フランスの首都 が在る
といふのであれば、
② パリフランスの首都である。⇔
② Paris is the capital of France.
とは、言へない


(349)「ド・モルガンの法則」の「命題計算」。

2019-09-18 13:37:23 | 論理

(01)
 A= であるならば、そのとき限って、
~A& は、
~A& である。
然るに、
(02)
~A& は「矛盾」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
 A= であるならば、そのとき限って、
~A& は、すなはち、
~A& は、「矛盾」である。
然るに、
(04)
(a)
1   (1) ~( P& Q)  A
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨~Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨~Q)&
 23 (6)  (~P∨~Q)  24&I
 2  (7)  ~~P      3RAA
 2  (8)    P      7DN
   9(9)      ~Q   A
   9(ア)   ~P∨~Q   9∨I
 2 9(イ) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  2ア&I
 2  (ウ)     ~~Q   9イRAA
 2  (エ)       Q   ウDN
 2  (オ)    P& Q   8エ&I
12  (カ) ~( P& Q)&
         ( P& Q)
1   (キ)~~(~P∨~Q)  2カRAA
1   (ク)   ~P∨~Q
(b)
1   (1) ~P∨~Q  A
 2  (2)  P& Q  A
  3 (3) ~P     A
 2  (4)  P     2&E
 23 (5) ~P&P   34&I
  3 (6)~(P& Q) 25RAA
   7(7)    ~Q  A
 2  (8)     Q  2&E
 2 7(9)  ~Q&Q  78&I
   7(ア)~(P& Q) 29RAA
1   (イ)~(P& Q) 1367ア∨E
(c)
1  (1)~(~P∨~Q)  A
 2 (2)  ~P      A
 2 (3)  ~P∨~Q   2∨I
12 (4)~(~P∨~Q)&
       (~P∨~Q)  12&I
1  (5) ~~P      24RAA
1  (6)   P      5DN
  7(7)     ~Q   A
  7(8)  ~P∨~Q   7∨I
1 7(9)~(~P∨~Q)&
       (~P∨~Q)  18&I
1  (ア)    ~~Q   79RAA
1  (イ)      Q   アDN
1  (ウ)   P& Q   6イ&I
(d)
1   (1)   P& Q   A
 2  (2)  ~P∨~Q   A
1   (3)   P      1&E
  4 (4)  ~P      A
1 4 (5)   P&~P   34&I
  4 (6) ~(P& Q)  15RAA
1   (7)      Q   1&E
   8(8)     ~Q   A
1  8(9)   Q&~Q   78&I
   8(ア) ~(P& Q)  19RAA
 2  (イ) ~(P& Q)  2468ア
12  (ウ)  (P& Q)&
        ~(P& Q)  1イ&I
1   (エ)~(~P∨~Q)  2ウRAA
従って、
(04)により、
(05)
 A=  ~(P& Q)
 B=   ~P∨~Q
 C=~(~P∨~Q)
 D=   (P& Q)
に於いて、
A=B といふ「等式(ド・モルガンの法則)」は、「正しく」、
C=D といふ「等式(ド・モルガンの法則)」は、「正しい」。
然るに、
(05)により、
(06)
 A=  ~(P& Q)
 B=   ~P∨~Q
~B=~(~P∨~Q)
~A=  (P& Q)
従って、
(06)により、
(07)
~A=(P&Q)
 B=(~P∨~Q)=A=~(P&Q)
であって、尚且つ、
(P&Q)&~(P&Q)は「矛盾」である。
従って、
(03)(05)(06)(07)により、
(08)
 A= であるならば、そのとき限って、
~A& は、すなはち、
~A& は、「矛盾」である。
といふ「命題」は、「ド・モルガンの法則」によっても、「確認」出来る。
(09)
以前にも、書いたものの、
①「AとBの両方ともが本当である。といふことはない。」
②「AとBの、少なくとも、一方はウソである。」
に於いて、
①=② である。
(10)
③「AとBの、少なくとも、一方が本当である。といふことはない。」
④「AとBの両方ともがウソである。」
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(11)
①「AとBの両方ともが本当である。といふことはない。」
②「AとBの、少なくとも、一方はウソである。」
③「AとBの、少なくとも、一方が本当である。といふことはない。」
④「AとBの両方ともがウソである。」
といふことを、「命題論理の記号」で書くならば、
① ~(A& B)
②  ~A∨~B
③ ~(A∨ B)
④  ~A&~B
である。
然るに、
(12)
① ~(A& B)
②  ~A∨~B
③ ~(A∨ B)
④  ~A&~B
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
といふことは、「モルガンの法則」に、他ならない。
従って、
(09)~(12)により、
(13)
①「AとBの両方ともが本当である。といふことはない。」
②「AとBの、少なくとも、一方はウソである。」
③「AとBの、少なくとも、一方が本当である。といふことはない。」
④「AとBの両方ともがウソである。」
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
といふことを、「初めから、理解」出来るのであれば、その人は、「モルガンの法則」を、「初めから、理解」してゐることになる。
従って、
(13)により、
(14)
「ド・モルガンの法則」そのものを、「理解」する際に、敢へて「ベン図を用ひる必要はない


(348)「象は鼻が長い」の「4通りの論理式」(其の壱)。

2019-09-17 18:17:16 | 象は鼻が長い、述語論理。

―「昨日(令和元年09月16)日の記事」を書き直します。―
―「文字数」が「過剰」なので、「其の壱(348)」と「其の弐(347)」に分けます。―
(01)
①   ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
②   ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③   ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y &   ~鼻yx→~長y)}  
④ ∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y)}
に於いて、
①=②   ではないが、
②=③=④ である。
といふことを、「証明」したい。
(02)
①   ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
②   ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いては、
        ① ∃y(鼻yx&長y)=あるyはxの鼻であって、長い。
        ② ∀y(鼻yx→長y)=すべてのyについて、yがxの鼻であるならば、yは長い。
といふ「部分論理式」が異なってゐる。
然るに、
(03)
  A=B であるならば、そのとき限って、
 ~A&B は「矛盾」する。
従って、
(03)により、
(04)
① A=~∃y(鼻yx&長y)
② B= ∀y(鼻yx→長y)
に於いて、
 ~A&B が「矛盾」するならば、そのときに限って
① ∃y(鼻yx&長y)
② ∀y(鼻yx→長y)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
(a)
1(1)~∃y(鼻yx&長y) A
1(2)∀y~(鼻yx&長y) 1量化子の関係
1(3)  ~(鼻bx&長b) 1UE
1(4)  ~鼻bx∨~長b  3ド・モルガンの法則
1(5)   鼻bx→~長b  4含意の定義
1(6)∀y(鼻yx→~長y) 5UI
(b)
1(1)∀y(鼻yx→~長y) A
1(2)   鼻bx→~長y  1UI
1(3)  ~鼻bx∨~長b  2含意の定義
1(4) ~(鼻bx& 長b) 3ド・モルガンの法則
1(5)∀y~(鼻yx&長y) 4UI
1(6)~∃y(鼻yx&長y) 5含意の定義
従って、
(04)(05)により、
(06)
① A=~∃y(鼻yx&長y)=∀y(鼻yx→~長y)
② B= ∀y(鼻yx→長y)=∀y(鼻yx→ 長y)
である。
従って、
(06)により、
(07)
① ∀y(鼻yx→~長y)=A
② ∀y(鼻yx→ 長y)=B
従って、
(07)により、
(08)
「含意の定義」により、
① ∀y(~鼻yx∨~長y)=A
② ∀y(~鼻yx∨ 長y)=B
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① A=~∃y(鼻yx&長y)=∀y(~鼻yx∨~長y)
② B= ∀y(鼻yx→長y)=∀y(~鼻yx∨ 長y)
である。
然るに、
(10)
① ∀y(~鼻yx&~長y)=A
② ∀y(~鼻yx& 長y)=B
であれば、「連言除去(&E)」により、
① ∀y(~長y)=A
② ∀y( 長y)=B
であるため、「矛盾」するが、
① ∀y(~鼻yx∨~長y)=A
② ∀y(~鼻yx∨ 長y)=B
であれば、
① ∀y(~長y)=A
② ∀y( 長y)=B
でないため、「矛盾」しない
従って、
(04)(09)(10)により、
(11)
① A=~∃y(鼻yx&長y)
② B= ∀y(鼻yx→長y)
に於いて、
 ~A&B が「矛盾」しないが故に、
① ∃y(鼻yx&長y)
② ∀y(鼻yx→長y)
に於いて、
①=② ではない
従って、
(02)(11)により、
(12)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
① ∃y(鼻yx&長y)
② ∀y(鼻yx→長y)
とふ「部分論理式」だけが、異なってゐるが、その、
① ∃y(鼻yx&長y)
② ∀y(鼻yx→長y)
に於いて、
①=② ではない。
従って、
(12)により、
(13)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いては、
①=② ではない。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
①   ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
②   ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③   ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y &   ~鼻yx→~長y)} 
④ ∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y)}
に於いて、
①=② ではない。
といふことに関しては、「正しい」。
然るに、
(15)
② ∀y(Py)&∀(Qz)=∀y(Py)&∀(Qy)
cf.
(長尾真・淵一博、論理と意味、1983年、56頁、20行目)
従って、
(14)(15)により、
(16)
②   ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀(~鼻zx→~長z)}
といふ「式」は、
②   ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀(~鼻yx→~長y)}
といふ「式」に、「等しい」。
然るに、
(17)
次(18)に示す通り、
②   ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(~鼻yx→~長y)}
③   ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y &   ~鼻yx→~長y)} 
④ ∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y)}
に於いて、
② ならば、③ であり、③ ならば、② であり、
② ならば、④ であり、④ ならば、② である。
(18)
(ⅱ)
1 (1)象は鼻長い。                        A
1 (〃)∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀y(~鼻yx→~長y)} A
1 (2)   象a→∀y(鼻ya→長y)&∀y(~鼻ya→~長y)  1UE
 3(3)   象a                          A
13(4)      ∀y(鼻ya→長y)&∀y(~鼻ya→~長y)  23MPP
13(5)      ∀y(鼻ya→長y)               4&E
13(6)         鼻ba→長b                5UE
13(7)                 ∀y(~鼻ya→~長y)  4&E
13(8)                    ~鼻ba→~長b   7UE
13(9)         鼻ba→長b&~鼻ba→~長b       68&I
13(ア)      ∀y(鼻ya→長y&~鼻ya→~長y)      9UI
1 (イ)   象a→∀y(鼻ya→長y&~鼻ya→~長y)      3アCP
1 (ウ)∀x{象x→∀y(鼻yx→長y&~鼻yx→~長y)}     イUI
(ⅲ)
1 (1)象は鼻長い。                        A
1 (〃)    ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y&~鼻yx→~長y)} A
1 (2)       象a→∀y(鼻ya→長y&~鼻ya→~長y)  1UE
 3(3)       象a                      A
13(4)          ∀y(鼻ya→長y&~鼻ya→~長y)  23MPP
13(5)             鼻ba→長b&~鼻ba→~長b   4UE
13(6)             鼻ba→長b            5&E
13(7)          ∀y(鼻ya→長y)           6UI
13(8)                    ~鼻ba→~長b   5&E
13(9)                 ∀y(~鼻ya→~長y)  8UI
13(ア)      ∀y(鼻ya→長y)&∀y(~鼻ya→~長y)  79&I
1 (イ)   象a→∀y(鼻ya→長y)&∀y(~鼻ya→~長y)} 3アCP
1 (ウ)∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀y(~鼻yx→~長y)} イUI
(ⅱ)
1   (1)象は鼻長い。                         A
1   (〃) ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1   (2)    象a→∀y(鼻ya→長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2  (3)    象a                          A
12  (4)       ∀y(鼻ya→長y)&∀z(~鼻za→~長z)  23MPP
12  (5)       ∀y(鼻ya→長y)               4&E
12  (6)          鼻ba→長b                5UE
12  (7)                  ∀z(~鼻za→~長z)  4&E
12  (8)                     ~鼻ba→~長b   7UE
1   (9)    象a→鼻ba→ 長b                  36CP
  ア (ア)    象a&鼻ba                      A
  ア (イ)    鼻a                          ア&E
  ア (ウ)       鼻ba                      ア&E
1 ア (エ)       鼻ba→ 長b                  9イMPP
1 ア (オ)            長b                  ウエMPP
1   (カ)   (象a&鼻ba)→長b                  アオCP
1   (キ)                 象a→~鼻ba→ ~長b   38CP
   ク(ク)                 象a&~鼻ba        A
   ク(ケ)                 象a             ク&E
   ク(コ)                    ~鼻ba        ク&E
1  ク(サ)                    ~鼻ba→ ~長b   キケMPP
1  ク(シ)                          ~長b   コサMPP
1   (ス)                (象a&~鼻ba)→~長b   クシCP
1   (セ)     (象a&鼻ba)→長b&(象a&~鼻ba)→~長b  カス&I
1   (ソ)  ∀y{(象a&鼻ya)→長y&(象a&~鼻ya)→~長y} セUI
1   (タ)∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y} セUI
(ⅳ)
1   (1)象は鼻長い。                         A
1   (〃)∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y} A
1   (2)  ∀y{(象a&鼻ya)→長y&(象a&~鼻ya)→~長y} 1UE
1   (3)     (象a&鼻ba)→長b&(象a&~鼻ba)→~長b  1UE
1   (4)     (象a&鼻ba)→長b                3&E
1   (5)                 (象a&~鼻ba)→~長b  3&E
 6  (6)      象a                        A
  7 (7)         鼻ba                    A
 67 (8)      象a&鼻ba                    67&I
167 (9)              長b                48MPP
16  (ア)         鼻ba→ 長b                79CP
16  (イ)      ∀y(鼻ya→長y)                アUI
   ウ(ウ)                     ~鼻ba       A
 6 ウ(エ)                  象a&~鼻ba       6ウ&I
16 ウ(オ)                           ~長b  5エMPP
16  (カ)                     ~鼻ba→ ~長b  ウオCP
16  (キ)                  ∀z(~鼻za→~長z)  カUI
16  (ク)       ∀y(鼻ya→長y)&∀z(~鼻za→~長z)  イキ&I
1   (ケ)    象a→∀y(鼻ya→長y)&∀z(~鼻za→~長z)  6クCP
1   (コ) ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} ケUI
―(347)「象は鼻が長い」の「4通りの論理式」(其の弐)に、続く。―


(347)「象は鼻が長い」の「4通りの論理式」(其の弐)。

2019-09-17 17:51:37 | 象は鼻が長い、述語論理。

―「昨日(令和元年09月16)日の記事」を書き直します。―
―「文字数」が「過剰」なので、「其の壱(348)」と「其の弐(347)」に分けます。―
従って、
(13)(16)(17)(18)により、
(19)
①   ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
②   ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(~鼻yx→~長y)}
③   ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y &   ~鼻yx→~長y)} 
④ ∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② すべてのxについて、xが象であるならば、すべてのyについて、yがxの鼻ならば、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
③ すべてのxについて、xが象であるならば、すべてのyについて、yがxの鼻ならば、yは長く、 yがxの鼻でないならば、yは長くない。
④ すべてのxとyについて、xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長く、xが象であって、yがxの鼻でないならば、yは長くない。
に於いて、
①=②     ではないが、
  ②=③=④ である。
といふことが、「証明」された。
然るに、
(20)
(ⅰ)
1     (1)象は鼻が長い。                        A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。              A
 2    (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)有る兎は象である。                      A
  3   (〃)∃x(兎x&象x)                      A
  3   (〃)あるxは兎であって象である。                 A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
 2 6  (ウ)      ∃y(耳ya&長y)               ア&E
    エ (エ)         鼻ba&長b                A
     オ(オ)         耳ba&長b                A
1  6  (カ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
1  6  (キ)                    ~鼻ba~長b   カUE
 2 6  (ク)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ケ)                    耳ba→~鼻ba   クUE
    オ (コ)                    耳ba        オ&E
 2 6オ (サ)                        ~鼻ba   ケコMPP
12 6オ (シ)                         ~長b   キサMPP
    オ (ス)             長b                オ&E
12 6オ (セ)             長b&~長b            シス&I
12 6  (ソ)             長b&~長b            ウオセEE
123   (タ)             長b&~長b            36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
12    (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。   ナUI
12    (〃)兎は象ではない。                       ナUI
(ⅱ)
1    (1)象は鼻が長い。                        A
1    (〃)∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(~鼻yx→~長y)} A
は、(ⅲ)と「ほとんど、同じ」であるため、「以下、省略」。
(ⅲ)
1    (1)象は鼻が長い。                        A
1    (〃)∀x{象x→∀y(鼻yx→長y&~鼻yx→~長y)}     A
 2   (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。              A
 2   (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3  (3)有る兎は象である。                      A
  3  (〃)∃x(兎x&象x)                      A
  3  (〃)あるxは兎であって象である。                 A
1    (4)   象a→∀y(鼻ya→長y&~鼻ya→~長y)      1UE
 2   (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6 (6)   兎a&象a                       A
   6 (7)   兎a                          6&E
   6 (8)      象a                       6&E
1  6 (9)      ∀y(鼻ya→長y&~鼻ya→~長y)      48MPP
1  6 (ア)         鼻ba→長b&~鼻ba→~長b       9UE
1  6 (イ)         鼻ba→長b                ア&E
1  6 (ウ)                ~鼻ba~長b       ア&E
 2 6 (エ)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
 2 6 (オ)      ∃y(耳ya&長y)               エ&E
    カ(カ)         耳ba&長b                A
    カ(キ)         耳ba                   カ&E
    カ(ク)             長b                カ&E
 2 6 (ケ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  エ&E
 2 6 (コ)                    耳ba→~鼻ba   ケUE
 2 6カ(サ)                        ~鼻ba   キコMPP
12 6カ(シ)                     ~長b       ウサMPP
12 6カ(ス)             長b&~長b            クシ&I        
12 6 (セ)             長b&~長b            オカスEE
123  (ソ)             長b&~長b            36セEE
12   (タ)~∃x(兎x&象x)                     3ソRAA
12   (チ)∀x~(兎x&象x)                     タ量化子の関係
12   (ツ)  ~(兎a&象a)                     チUE
12   (テ)  ~兎a∨~象a                      ツ、ド・モルガンの法則
12   (ト)   兎a→~象a                      テ含意の定義
12   (ナ)∀x(兎a→~象a)                     トUI
12   (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。   トUI
12   (〃)兎は象ではない。                       トUI
(ⅳ)
1    (1)象は鼻が長い。                          A
1    (〃)∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y)} A
 2   (2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。               A
 2   (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}   A
  3  (3)ある兎は象である。                        A
  3  (〃)∃x(兎x&象x)                        A
  3  (〃)あるxは兎であって象である。                   A
1    (4)  ∀y{(象a&鼻ya)→長y&(象a&~鼻ya)→~長y)} 1UE
1    (5)     (象a&鼻ba)→長b&(象a&~鼻ba)→~長b   1UE
1    (6)     (象a&鼻ba)→長b                 5&E
1    (7)                 (象a&~鼻ba)→~長   5&E
 2   (8)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)    2UE
   9 (9)   兎a&象a                         A
   9 (ア)   兎a                            9&E
   9 (イ)      象a                         9&E
 2 9 (ウ)      ∃y(耳ya&長y)                 8アMPP
    エ(エ)         耳ba&長b                  A
    エ(オ)         耳ba                     エ&E
    エ(カ)             長b                  エ&E
 2   (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)    8&E
 2   (ク)                    耳ba→鼻ba     キUE
 2  エ(ケ)                        ~鼻ba     オクMPP
 2 9エ(コ)                     象a&~鼻ba     イケ&I
12 9エ(サ)                           ~長   7コMPP
12 9エ(シ)             長b&~長              カサ&I
12 9 (ス)             長b&~長              ウエシEE
123  (セ)             長b&~長              39スEE
12   (ソ)~∃x(兎x&象x)                       3セRAA
12   (タ)∀x~(兎x&象x)                       ソ量化子の関係
12   (チ)  ~(兎a&象a)                       タUE
12   (ツ)  ~兎a∨~象a                        チ、ド・モルガンの法則
12   (テ)   兎a→~象a                        ツ含意の定義
12   (ト)∀x(兎x→~象x)                       テUI
12   (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。     テUI
12   (〃)兎は象ではない。                         テUI
従って、
(20)により、
(21)
(ⅰ)象は鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」を行ふ際には、
① 象は鼻長い=  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
であっても、
② 象は鼻長い=  ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(~鼻yx→~長y)}。 
であっても、
③ 象は鼻長い=  ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y&   ~鼻yx →~長y)}。
であっても、
④ 象は鼻長い=∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y)}。
であっても、どちらでも良い。
然るに、
(22)
① 象には長い鼻が有り、鼻以外は長くはない
といふ「日本語」からすれば、「4通り」の中では、
① 象は鼻長い。⇔ 
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、有るyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
が、「最も、相応しい」。
然るに、
(23)
(ⅰ)象は鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「明らかに、妥当である」。
従って、
(21)(22)(23)により、
(24)
① 象は鼻長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「等式」を「否定」するのであれば、
(ⅰ)象は鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ、「明らかに、妥当な推論」を、「否定」せざるを得ない。
然るに、
(25)
「明らかに、妥当な推論」を、「否定」することは、出来ない
従って、
(24)(25)により、
(26)
① 象は鼻長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない


(346)「象は鼻が長い」の「2通りの論理式」。

2019-09-13 17:37:12 | 象は鼻が長い、述語論理。

―「一昨日(令和元年09月12日)の記事」を書き直します。―
(01)
① 象は鼻は長く、象は鼻以外は長くない。然るに、
② 兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
兎は象ではない
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(02)
1     (1)象は鼻長い。                        A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。              A
 2    (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)有る兎は象である。                      A
  3   (〃)∃x(兎x&象x)                      A
  3   (〃)あるxは兎であって象である。                 A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  1UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
 2 6  (ウ)      ∃y(耳ya&長y)               ア&E
    エ (エ)         鼻ba&長b                A
     オ(オ)         耳ba&長b                A
1  6  (カ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
1  6  (キ)                    ~鼻ba~長b   カUE
 2 6  (ク)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ケ)                    耳ba→~鼻ba   クUE
    オ (コ)                    耳ba        オ&E
 2 6オ (サ)                        ~鼻ba   ケコMPP
12 6オ (シ)                         ~長b   キサMPP
    オ (ス)             長b                オ&E
12 6オ (セ)             長b&~長b            シス&I
12 6  (ソ)             長b&~長b            ウオセEE
123   (タ)             長b&~長b            36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
12    (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。   ナUI
12    (〃)兎は象ではない。                       ナUI
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}然るに、
② ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}故に、
③ ~∃x(兎x&象x)=兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
(04)
1    (1)象は鼻長い。                          A
1    (〃)∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y)} A
 2   (2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。               A
 2   (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}   A
  3  (3)ある兎は象である。                        A
  3  (〃)∃x(兎x&象x)                        A
  3  (〃)あるxは兎であって象である。                   A
1    (4)  ∀y{(象a&鼻ya)→長y&(象a&~鼻ya)→~長y)} 1UE
1    (5)     (象a&鼻ba)→長b&(象a&~鼻ba)→~長b   2UE
1    (6)     (象a&鼻ba)→長b                 5&E
1    (7)                 (象a&~鼻ba)→~長b   5&E
 2   (8)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)    2UE
   9 (9)   兎a&象a                         A
   9 (ア)   兎a                            9&E
   9 (イ)      象a                         9&E
 2 9 (ウ)      ∃y(耳ya&長y)                 8アMPP
    エ(エ)         耳ba&長b                  A
    エ(オ)         耳ba                     エ&E
    エ(カ)             長b                  エ&E
 2   (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)    8&E
 2   (ク)                    耳ba→~鼻ba     キUE
 2  エ(ケ)                        ~鼻ba     オクMPP
 2 9エ(コ)                     象a&~鼻ba     イケ&I
12 9エ(サ)                           ~長b   7コMPP
12 9エ(シ)             長b&~長b              カサ&I
12 9 (ス)             長b&~長b              ウエシEE
123  (セ)             長b&~長b              39スEE
12   (ソ)~∃x(兎x&象x)                       3セRAA
12   (タ)∀x~(兎x&象x)                       ソ量化子の関係
12   (チ)  ~(兎a&象a)                       タUE
12   (ツ)  ~兎a∨~象a                        チ、ド・モルガンの法則
12   (テ)   兎a→~象a                        ツ含意の定義
12   (ト)∀x(兎x→~象x)                       テUI
12   (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。     テUI
12   (〃)兎は象ではない。                         テUI
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y)}然るに、
② ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}故に、
③ ~∃x(兎x&象x)=兎は象ではない。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 象は鼻長い。
② 象は鼻長い。
といふ場合が、さうであるように、
① AはBCである=AはBはCであり、B以外はCでない
② AはBCである=AはBはCであり、B以外はCでない
といふ「日本語」は、少なくとも、
①   ∀x{Ax→∃y(Byx&Cy)&∀z(~Bzx→~Cz)}
② ∀x∀y{(Ax&Byx)→Cy&(Ax&~Byx)→~Cy)}
といふ、「2通りの、論理式」に、対応する。
然るに、
(07)
② ∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y)}⇔
② すべてのxとyについて、xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長く、xが象であって、yがxの鼻でないならば、yは長くない。
ではなく、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
に於ける、
すべてのxについて、xが象であるならば
といふことは、
これから象についてのことを述べますよ
といふ、ことである。
然るに、
(08)
「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。
(三上文法! : wrong, rogue and log)
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① 象は鼻長い。
といふ「日本語」は、
②   ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∀x∀y{(象x&鼻yx)→長y&(象x&~鼻yx)→~長y)}
といふ、「2通りの論理式」に、対応するものの、
① 象は鼻長い。
といふ「日本語」に、「より近い」のは、
③ ではなく、
② である。
といふ、ことになる。


(345)「象は鼻が長い」と「鼻は象が長い」の「論理式」(其の?)。

2019-09-12 18:24:52 | 象は鼻が長い、述語論理。

-「この記事」は、書き直します。-
(01)
{変域}={象、兎、馬}であれば、
① 鼻は象長い。
② 耳は兎長い。
③ 顔は馬長い。
従って、
(01)により、
(02)
{変域}={象、兎、馬}であれば、
① 鼻は象の鼻長い。
② 耳は兎の耳長い。
③ 顔は馬の顔長い。
従って、
(02)により、
(03)
{変域}={象、兎、馬}であれば、
① 鼻は、象の鼻以外は長くない
② 耳は、兎の耳以外は長くない
③ 顔は、馬の顔以外は長くない
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外(兎、馬)は長くない。⇔
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
然るに、
(05)
{変域}={象の体の、各部分}であれば、
③ 象は鼻が長い。⇔
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
③ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1(1)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}       A
1(2)   ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a}       1UE
1(3)      (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a        1UE
1(4)     (鼻ab&象b)→長a                      3&I
1(5)  ∀y{(鼻ay&象y)→長a}                     4UI
1(6)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}                     5UI
1(7)                 (鼻ab&~象b)→~長a        3&I
1(8)             ∀y{((鼻ay&~象y)→~長a}       7UI
1(9)           ∀x∀y{((鼻xy&~象y)→~長x}       8UI
1(ア)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}&∀x∀y{(鼻xy&~象y)→~長x} 69&I
(ⅱ)
1(1)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}&∀x∀y{(鼻xy&~象y)→~長x} A
1(2)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}                     1&E
1(3)  ∀y{(鼻ay&象b)→長y}                     2UE
1(4)     (鼻ab&象b)→長a                      3UE
1(5)                  ∀x∀y{(鼻xy&~象y)→~長y} 1&E
1(6)                    ∀y{(鼻ay&~象y)→~長a} 5UI
1(7)                       (鼻ab&~象b)→~長a  6UI
1(8)     (鼻ab&象b)→長a&(鼻ab&~象b)→~長a        47&I
1(9)   ∀y{(鼻ay&象y)→長a&(鼻ay&~象y)→~長a}       8UI
1(ア)∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}       9UI
(ⅲ)
1 (1)象は鼻が長い。                               A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}        A
1 (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         1UE
 3(3)   象a                                 A
13(4)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         23MPP
13(5)      ∃y(鼻ya&長y)                      4&E
1 (6)   象a→∃y(鼻ya&長y)                      35CP
1 (7)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}                     6UI
13(8)                 ∀z(~鼻za→~長z)         4&E
1 (9)              象a→∀z(~鼻za→~長z)         38CP
1 (ア)           ∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)         9UI
1 (イ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)} 7ア&I
(ⅳ)
1 (1)象は鼻は長い。象は鼻以外は長くない。                    A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)} 1
1 (2)∀x{象x→∃y( 鼻yx& 長y)}                   1&E
1 (3)∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}                   1&E
1 (4)   象a→∃y( 鼻ya& 長y)}                   2UE
1 (5)   象a→∀z(~鼻zx→~長z)}                   3UE
 6(6)   象a                                 A
16(7)      ∃y( 鼻ya& 長y)                    46MPP
16(8)      ∀z(~鼻zx→~長z)                    56MPP
16(9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         78&I
1 (ア)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         69CP
1 (イ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}        アUI
従って、
(06)により、
(07)
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}
② ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}&∀x∀y{(鼻xy&~象y)→~長x}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(04)(07)により、
(08)
① 鼻は象長い。⇔
① 鼻は象は長く、鼻は象以外(兎、馬)は長くない。⇔
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x}&∀x∀y{(鼻xy&~象y)→~長x}⇔
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。⇔
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象でないならば、xは長くない。
従って、
(05)(07)により、
(09)
③ 象は鼻長い。⇔
③ 象は鼻は長く、象は鼻以外は長くない。⇔
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
③ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。⇔
③ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのxについて、xが象であるならば、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① 鼻は象長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
③ 象は鼻長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
然るに、
(11)
① 鼻は象長い=∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&(鼻xy&~象y)→~長x}。
③ 象は鼻長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、「鼻」と「象」を「交換」すると、
① 象は鼻長い=∀x∀y{(象xy&鼻y)→長x&(象xy&~鼻y)→~長x}。
③ 鼻は象長い=∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}。
然るに、
(12)
① ∀x∀y{(象xy&鼻y)→長x&(象xy&~鼻y)→~長x}
③ ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}
といふことは、
① 鼻の象は長く、鼻以外の象は長くない
③ 鼻の象は長く、鼻の象以外は長くない
といふ、ことである。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① 象は鼻長い=鼻の象は長く、鼻以外の象は長くない。
③ 鼻は象長い=鼻の象は長く、鼻の象以外は長くない。
であるものの、
① は、「マチガイ」であって、
③ も、「マチガイ」であって、尚且つ、
① 鼻以外の象は長くない。
③ 鼻の象以外は長くない。
①=③ ではない
然るに、
(14)
① ∀x∀y{(象xy&鼻y)→長x&(象xy&~鼻y)→~長x}
③ ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}
といふ「式」は、固より、「同じ」ではない
従って、
(13)(14)により、
(15)
① 象は鼻長い。
② 鼻は象長い。
といふ場合が、さうであるように、
① AはBがCである=AはBはCであり、B以外はCでない
② AはBがCである=AはBはCであり、B以外はCでない
といふ「日本語」には、少なくとも、
① ∀x{Ax→∃y(Byx&Cy)&∀z(~Bzx→~Cz)}
① ∀x∀y{(Axy&By)→Cx&(Axy&~By)→~Cx}
といふ、「2通りの、論理構造」がある、ことになる。


(344)「象は鼻が長い」の「述語論理式」。

2019-09-11 19:41:23 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
(ⅰ)
1 (1)象は鼻長い。                               A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}        A
1 (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         1UE
 3(3)   象a                                 A
13(4)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         23MPP
13(5)      ∃y(鼻ya&長y)                      4&E
1 (6)   象a→∃y(鼻ya&長y)                      35CP
1 (7)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}                     6UI
13(8)                 ∀z(~鼻za→~長z)         4&E
1 (9)              象a→∀z(~鼻za→~長z)         38CP
1 (ア)           ∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)         9UI
1 (イ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)} 7ア&I
(ⅱ)
1 (1)象は鼻長い。象は鼻以外は長くない。                    A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)} 1
1 (2)∀x{象x→∃y( 鼻yx& 長y)}                   1&E
1 (3)∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}                   1&E
1 (4)   象a→∃y( 鼻ya& 長y)}                   2UE
1 (5)   象a→∀z(~鼻zx→~長z)}                   3UE
 6(6)   象a                                 A
16(7)      ∃y( 鼻ya& 長y)                    46MPP
16(8)      ∀z(~鼻zx→~長z)                    56MPP
16(9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         78&I
1 (ア)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)         69CP
1 (イ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}        アUI
従って、
(01)により、
(02)
は鼻長い。
は鼻は長い。は鼻以外は長くない。 
に於いて、すなはち、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長い。すべてのxについて、xが象であるならば、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)鼻が長くない。ならば、象ではなく、
(ⅱ)鼻以外が長い。ならば、象ではなく、
(ⅲ)その両方であれば、  象ではない。
然るに、
(04)
1     (1)象は鼻が長い。                         A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)馬の鼻は長くない。                       A
 2    (〃)∀x{馬x→∃y(鼻yx&~長y)}              A
  3   (3)ある馬は象である。                       A
  3   (〃)∃x(馬x&象x)                       A
  3   (〃)あるxは馬であって象である。                  A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   馬a→∃y(鼻ya&~長y)               A
   6  (6)   馬a&象a                        A
   6  (7)   馬a                           6&E
   6  (8)      象a                        6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
1  6  (ア)      ∃y(鼻ya& 長y)               9&E
    イ (イ)         鼻ya& 長b                A
    イ (ウ)              長b                イ&E
 2 6  (エ)      ∃y(鼻ya&~長y)               57MPP
     オ(オ)         鼻ba&~長b                A
     オ(カ)             ~長b                オ&E
    イオ(キ)              長b&~長b            ウカ&I
 2 6イ (ク)              長b&~長b            エオキEE
12 6  (ケ)              長b&~長b            アイクEE
12    (コ)~∃x(馬x&象x)                      3ケRAA
12    (サ)∀x~(馬x&象x)                      コ量化子の関係
12    (シ)  ~(馬a&象a)                      サUE
12    (ス)  ~馬a∨~象a                       シ、ド・モルガンの法則
12    (セ)   馬a→~象a                       ス含意の定義
12    (ソ)∀x(馬x→~象x)                      セUI
12    (〃)すべてのxについて、xが馬であるならば、xは象ではない。    セUI
12    (〃)馬は象ではない。                        セUI
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 象は鼻長い。然るに、馬の鼻は長くない。故に、馬は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である。
然るに、
(06)
1     (1)象は鼻が長い。                        A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。             A
 2    (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)ある兎は象である。                      A
  3   (〃)∃x(兎x&象x)                      A
  3   (〃)あるxは兎であって象である。                 A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
1  6  (ア)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
1  6  (イ)                    ~鼻ba→~長b   アUE
    エ (ウ)                          長b   A
    エ (エ)                        ~~長b   エDN
1  6エ (オ)                   ~~鼻ba       ウオMTT
1  6エ (カ)                     鼻ba       カDN
1  6  (キ)                     長b→ 鼻ba   エキCP
 2 6  (ク)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
 2 6  (ケ)      ∃y(耳ya&長y)               ケ&E
     コ(コ)         耳ba&長b                A
     コ(サ)         耳ba                   コ&E
     コ(シ)             長b                コ&E
1  6 コ(ス)                         鼻ba   キシMPP
 2 6  (セ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ク&E
 2 6  (ソ)                    耳ba→~鼻ba   セUE
12 6 コ(タ)                        ~鼻ba   サソMPP
12 6 コ(チ)                    鼻ba&~鼻ba   スタ&I
12 6  (ツ)                    鼻ba&~鼻ba   ケコEE
123   (テ)                    鼻ba&~鼻ba   36ツEE
12    (ト)~∃x(兎x&象x)                     3テRAA
12    (ナ)∀x~(兎x&象x)                     ト量化子の関係
12    (ニ)  ~(兎a&象a)                     ナUE
12    (ヌ)  ~兎a∨~象a                      ニ、ド・モルガンの法則
12    (ネ)   兎a→~象a                      ヌ含意の定義
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                     ネUI
12    (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。   ネUI
12    (〃)兎は象ではない。                       ネUI
従って、
(03)(06)により、
(07)
② 象は鼻長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。故に、兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である。


(343)三上章先生 は、気付いてゐない(Ⅱb)。

2019-09-10 16:59:00 | 象は鼻が長い、述語論理。

―「先ほどの記事(令和元年09月10日)」を補足します。―
(23)
(ⅰ)
① AはBであり、A以外はBではない
といふ「命題」を、「排他的命題(exclusive propotison)」といふ。
然るに、
(ⅱ)
強調形」は、「排他的命題」を主張する。
然るに、
(ⅲ)
① 私理事長です。
に於ける、
① 私音)は、
① 私は(清音)に、対する「強調形」である。
従って、
(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)により、
(ⅳ)
① 私理事長です。
② 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=② である。
といふ、そのことに、三上章先生は、気付いては、ゐない
然るに、
(24)
(ⅱ)
1  (1)∀x( 理事長x→ 私x) A
1  (2)    理事長a→ 私a  1UE
 3 (3)         ~私a  A
  4(4)    理事長a      A
1 4(5)          私a  24MPP
134(6)      私a&~私a  35&I
13 (7)   ~理事長a      46RAA
1  (8)   ~私a→~理事長a  37CP
1  (9)∀x(~私x→~理事長x) 8UI
1  (〃)すべてのxについて、xが私でないならば、xは理事長でない。
(ⅲ)
1  (1)∀x(~私x→~理事長x) A
1  (2)   ~私a→~理事長a  1UE
 3 (3)        理事長a  A
  4(4)   ~私a        A
1 4(5)       ~理事長a  24MPP
134(6)        理事長a&
             ~理事長a  35&I
13 (7)  ~~私a        46RAA
13 (8)    私a        7DN
1  (9)    理事長a→ 私a  38CP
1  (ア)∀x( 理事長x→ 私x) 9UI
1  (〃)すべてのxについて、xが理事長であるならば、xは私である。
従って、
(24)により、
(25)
理事長ならば私である。
③ 私でないならば理事長ではない
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(25)により、
(26)
理事長は私である。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(26)により、
(27)
① 私理事長です。
理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
ならば、そのときに限って
① 私理事長です。
理事長は私である。
③ 私以外理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(01)により、
(28)
よく知られているように、
① 私理事長です。
理事長は私である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(27)(28)により、
(29)
① 私理事長です。
理事長は私である。
③ 私以外理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(29)により、
(30)
① 私理事長です。
② 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=② である。
従って、
(30)により、
(31)
① 鼻長い。
② 鼻は長く、鼻以外は長くない
に於いて、
①=② である。
従って、
(31)により、
(32)
① 象は、鼻長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない
に於いて、
①=② である。
従って、
(32)により、
(33)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ「等式」が成立する。
然るに、
(34)
1     (1)象は鼻が長い。                        A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。             A
 2    (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)ある兎は象である。                      A
  3   (〃)∃x(兎x&象x)                      A
  3   (〃)あるxは兎であって象である。                 A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
1  6  (ア)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
1  6  (イ)                    ~鼻ba→~長b   アUE
    エ (ウ)                          長b   A
    エ (エ)                        ~~長b   エDN
1  6エ (オ)                   ~~鼻ba       ウオMTT
1  6エ (カ)                     鼻ba       カDN
1  6  (キ)                     長b→ 鼻ba   エキCP
 2 6  (ク)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
 2 6  (ケ)      ∃y(耳ya&長y)               ケ&E
     コ(コ)         耳ba&長b                A
     コ(サ)         耳ba                   コ&E
     コ(シ)             長b                コ&E
1  6 コ(ス)                         鼻ba   キシMPP
 2 6  (セ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ク&E
 2 6  (ソ)                    耳ba→~鼻ba   セUE
12 6 コ(タ)                        ~鼻ba   サソMPP
12 6 コ(チ)                    鼻ba&~鼻ba   スタ&I
12 6  (ツ)                    鼻ba&~鼻ba   ケコEE
123   (テ)                    鼻ba&~鼻ba   36ツEE
12    (ト)~∃x(兎x&象x)                     3テRAA
12    (ナ)∀x~(兎x&象x)                     ト量化子の関係
12    (ニ)  ~(兎a&象a)                     ナUE
12    (ヌ)  ~兎a∨~象a                      ニ、ド・モルガンの法則
12    (ネ)   兎a→~象a                      ヌ含意の定義
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                     ネUI
12    (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。   ネUI
12    (〃)兎は象ではない。                       ネUI
従って、
(34)により、
(35)
「象は鼻長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。故に、兎は象ではない。」
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である。
然るに、
(36)
1     (1)象は鼻長い。                        A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
ではなく、
1     (1)象は鼻長い。                        A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)               A
とするならば、
1  6  (ア)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
1  6  (イ)                    ~鼻ba→~長b   アUE
    エ (ウ)                          長b   A
    エ (エ)                        ~~長b   エDN
1  6エ (オ)                   ~~鼻ba       ウオMTT
1  6エ (カ)                     鼻ba       カDN
1  6  (キ)                     長b→ 鼻ba   エキCP
といふ「計算」を行ふことが、出来ない
従って、
(34)(35)(36)により、
(37)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は、鼻は長く鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とはせずに、
① 象は鼻長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
とするならば、
「象は鼻長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。故に、兎は象ではない。」
といふ「推論」は、「妥当(valid)」ではない
然るに、
(38)
「象は鼻長い。然るに、兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。故に、兎は象ではない。」
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である
従って、
(37)(38)により、
(39)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
ではなく、
① 象は鼻長い。⇔
① 象は、鼻は長く鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
であると、せざるを得ない
然るに、
(40)
沢田充茂の『現代論理学入門』(一九六ニ年)には楽しい解説が載っています。
・・・・・・たとえば「象は鼻長い」というような表現は、象が主語なのか、鼻が主語なのかはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない。いわば非論理的な文章である、というひともある。しかしこの文の論理的な構造をはっきりと文章にあらわして「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」といえば・・・・・・たとえば動物園で象をはじめて見た小学生が、父親にむかってこのような文章で話しかけたとすれば、その子供は論理的であるといって感心されるまえに社会人としての常識をうたがわれるにきまっている。常識(すなはち共通にもっている情報)でわかっているものはいちいち言明の中にいれないで、いわば暗黙の了解事項として、省略し、できるだけ短い記号の組み合せで、できるだけ多くの情報を伝えることが日常言語の合理性の一つである。・・・・・・
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214頁)
然るに、
(41)
②「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」
といふ「言ひ方」は、
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
といふ「論理式」の「翻訳」であって、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「論理式」の「翻訳」ではない
然るに、
(42)
「象は鼻長い」はどれが主辞がわからないから、このままでは非論理的な構造の文である、と言う人がもしあった(沢田『入門』二九ペ)とすれば、その人は旧『論理学』を知らない人であろう、これはこのままで、
 象は 長い。 
 主辞 賓辞
とはっきりしている。速水式に簡単明リョウである。意味も、主辞賓辞の関係も小学生にもわかるはずの文である。これに文句をつけたり、それを取り次いだりするのは、人々が西洋文法に巻かれていることを語る以外の何物でもない。このまま定理扱いしてもよろしい。そしてこの定理の逆は真でないとして、鼻の長いもの例に、鞍馬山の天狗だの、池の尾の禅珍内供だのを上げるのも一興だろう。それでおしまいである(三上章、日本語の論理、1963年、13・14頁)
従って、
(40)(41)(42)により、
(43)
②「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」
といふ「言ひ方」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「論理式」の「翻訳」ではない
といふ「指摘」を、三上章先生は、行ってゐない
従って、
(43)により、
(44)
三上章先生は、「象は鼻長い。」といふ「日本語」を、
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ風には、捉へては、ゐない
従って、
(44)により、
(45)
三上章先生は、
① 象は鼻が長い=象は鼻は長く、鼻以外は長くない
といふ「等式」に、気付いては、ゐない


(342)三上章先生 は、気付いてゐない(Ⅱ)。

2019-09-10 11:36:37 | 「は」と「が」

(01)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(01)により、
(02)
① 私理事長です。
理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、両者は、固より、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(03)により、
(04)
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
②=③ である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 私理事長です。
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
① 私理事長です。
② 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
① これいいです。
② これは良く、これ以外は(相対的に)良くない
に於いて、
①=② である。
従って、
(08)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これいいです。
とは言はずに、
① これいいです。
と言ふのであれば、
② これは良く、これ以外は(相対的に)良くない
といふ「意味」になる。
然るに、
(09)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
② これは良く、これ以外は(相対的に)良くない
と言ふのであれば、必然的に、
② これ欲しい(これを下さい)。
といふ「意志表示」に、ならざるを得ない。
然るに、
(10)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、ハとガで意味が反対になることがある。
 これいいです。(不用)
 これいいです。(用)
ここで異を立てる方にはハを使っているが、述語が同型異議になっている。不用の方はテモイイ、デモイイ(許可)で、入用の方はほめことば(好適)である。つまり、初めの方は「これはもらわ(有償)なくてもいいです」「これは引っ込めてもらっていいです」などの短絡的表現だろう(三上章、日本語の論理、1963年、156・7頁)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
商品をいろいろ見せてもらって選択するときに、
① これいいです。
と言ふのであれば、
② これは良く、これ以外は(相対的に)良くない
といふ「意味」になる。
といふことは、三上先生も、認められてゐる。
然るに、
(12)
① 私は理事長です。
② 私理事長です。
に於いて、
① 私は(清音)
② 私音)
である。
然るに、
(13)
音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① 私は(清音)
② 私音)
に於いて、
① の「(心理的な)音量」よりも、
② の「(心理的な)音量」の方が、「大きい」。
従って、
(14)により、
(15)
① 私は理事長です。
② 私理事長です。
に於いて、
① 私は(清音)に対する、
② 私音)は、「強調形」である。
然るに、
(16)
 私理事長です。(理事長は私です)
のように、ガの文がいわばハを内蔵していることがあるから、その説明が必要である。このような「私強声的になっていると言うことにする。そこに発音上のストレスを与えたのと似た効果を持っているからである。
(三上章、日本語の論理、1963年、106頁)
従って、
(16)により、
(17)
① 私は(清音)に対する、
② 私音)は、「強調形(強声的)」である。
といふことは、三上先生も、認められてゐる。
然るに、
(18)
例へば、
① これを下さい。
と言ふ際に、
① これを
を「強調強く発音)」するならば、
①(これ以外要らないので、)これを下さい。
といふ「意味」になる。
従って、
(15)~(18)により、
(19)
① これ_いいです。
と言ふ際に、
① これ_
を「強調強く発音)」するならば、
①(これ以外要らないので、)これを下さい。
といふ「意味」になる。
従って、
(19)により、
(20)
① 私_理事長です。
と言ふ際に、
① 私_
を「強調強く発音)」するならば、
②(私以外は理事長ではなく、)理事長は私です。
といふ「意味」になる。
従って、
(06)(15)(16)(20)により、
(21)
① 私理事長です。
② 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=② である。
ところの「理由」は、
① 私は(清音)に対する、
② 私音)が、「強調形(強声的)」である。
からである。
然るに、
(01)(16)により、
(22)
① 私理事長です。
② 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=② である。
ところの「理由」が、
① 私は(清音)に対する、
② 私音)が、「強調形(強声的)」である。
からである。
といふことに、三上章先生は、気付いては、ゐない
(23)
(ⅰ)
① AはBであり、A以外はBではない
といふ「命題」を、「排他的命題(exclusive propotison)」と言ふ。
然るに、
(ⅱ)
強調形」は、「排他的命題」を主張する。
然るに、
(ⅲ)
① 私理事長です。
に於ける、
① 私音)は、
① 私は(清音)に、対する「強調形」である。
従って、
(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)により、
(ⅳ)
① 私理事長です。
② 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=② である。
といふことに、三上章先生は、気付いては、ゐない