突然の初夏24度！眩しさの中で【曲水の宴】平安絵巻行列

昨夜半の雷・風雨の凄かったこと！春を招く春雷！太宰府天満宮の梅も見ごろ！

昨日3月4日（日）は太宰府天満宮毎年恒例の神事【曲水の宴】が行われた。平安貴族が梅林の中の小さな流れに酒杯を浮かべ、それが手元に来るまでに「和歌を詠み、短冊にしたためる」といういとも雅な宮中の遊び、復元されて半世紀。

　

「汗ばむ程の陽気、明るく晴れ上がった早春の青空、「雨かも」という予報が見事に外れた。聞くところによると、西高辻宮司さんは【晴れ男】なのだそうだ。大事な神事などの時でも、必ず晴れるという。

10代目松本幸四郎を襲名した、前名染五郎さんが【曲水の宴】に参宴するとの情報を得たので、ご隠居さんや歌舞伎仲間と天満宮に出かけた。眩しすぎる陽光と青空のもと、6千本の梅の樹木は、柔らかな香りを放ち、春の到来を告げていた。

雅な雅楽の音とととも、静々と緩やかに歩みを進める行列の中に・・・「あ、幸四郎さんだ！」ご隠居も「高麗屋！10代目！と”大向こう”を。幸四郎さんは強い陽ざしに目を細めながらも、にこやかな笑顔を返してくれる。やわいつも博多座で「掛け声」を耳にする博多座大向こうの会の人達の姿も見える。友人は「コーシローさ～～ん」と思わず声を掛けて、目があっての笑顔に少々舞い上がり気味だ。「やっぱりオーラがあるねえ」と知らない方が声を掛けてくる。

黒の冠位束帯姿の幸四郎さんは、凛々しく涼やか、以前は細身の貴公子で、源氏の「薫の君」を思い浮かべたが、今の幸四郎さんは貫禄もつき、平安貴族の気品もあり、観光客や参拝客大喜びである。若い方達が「何も知らないで来たけど、よかったぁ」カメラを向ける。

　

　

【曲水の宴】は入場するのに並ばないといけないし（近年どんどん来る人達が多くなった）行列だけ、勝手知ってる境内の中をアチコチ移動して、しっかり幸四郎さん追っかけ（爆）の真似事で、歌舞伎好きな仲間達と楽しい時間を過ごした。

曲水の宴の様子は↓をご覧ください。

朝日デジタルＨＰ
https://www.asahi.com/articles/ASL345RGML34TQIP00M.html

6月には博多でも高麗屋襲名披露公演】が行われる。10代目幸四郎（前・染五郎）、2代目白鸚（前幸四郎）染五郎（金太郎）親子三代の襲名だが、残念ながら金太郎君は中学生、勧進帳の気品ある義経が好評だが、学校があるので、博多座では親子二代の襲名披露とのことである。残念ながら仕方がない。

襲名を機会に役者は大きく成長するとよく言われる。3月歌舞伎で博多に来演した松也・勘九郎・七之助、4月に来演予定の海老蔵、然りである。ＴＶで観たが歌舞伎座襲名披露【勧進帳」の弁慶も、なかなか見事であった。細面の頃の幸四郎（染五郎）さんは、声が時々気になったが、口跡（声・せりふ回し）の見事な叔父吉右衛門さんの薫陶を得て、しっかり声を鍛えて、古典歌舞伎の大きな役柄をどんどん自分の者にして行って欲しい。

今日【演劇界】4月号が届いた。表紙は新・幸四郎の熊谷次郎直実。こういう役にもふさわしい役者さんに成長したことを、若い頃からの歌舞伎好きとしては、嬉しく感じている。幸四郎さんのユニークな連載文も絵も、なかなか達者である。そういえば息子の金太郎クンも歌舞伎絵など、中学1年生とは思えないほど、右脳？左脳？が優れているのだろう。

それにしても私などが若い役者と思っていた、新・幸四郎や勘九郎・七之助、菊之助などが、今の歌舞伎界の中心となってきて、その次の代が初舞台を踏むのを観ていると、年月の流れをしみじみと感じてしまう。元気なうちは好きな舞台を沢山見たいものだなと思う。好きなことがあるって嬉しいものだ。