映画『仁義なき戦い』の主人公、広能昌三(菅原文太)は、その映画のタイトルとは裏腹に、ずっと「仁義」を追い求めていた人物のように思えます。
無くなっちまった「仁義」を求め、彷徨する広能の姿は、戦後大きく価値観を変えて行った日本社会の変貌ぶりに戸惑う、「古き」人間達の哀しみと可笑しみを、ヤクザ社会に仮託している、という解釈も成り立つのではないでしょうか。
それはそのまま、晩年の菅原さんの活動とシンクロするような気がいたします。
「神輿が勝手に歩ける言うんなら歩いてみいや!」松方弘樹演じる坂井鉄也の名ゼリフ。これを外して『仁義…』は語れない。
「おどれの胸に聞いてみたらわかろうが」親友、坂井と袂を分かつ広能。怒りと哀しみの入り混じった菅原さんの表情が良い。
殺された坂井の無念、悔しさを代弁するかのように、「山守さん、弾はまだ残っとるがよ」
菅原文太さんの御冥福を、心よりお祈り申し上げます。合掌。
この前トラック野郎を久しぶりに見て、幼心に硬派な話と勘違いしてたんですけど、一番星って愛すべき馬鹿野郎であり、軟派で硬派だったのね、このキャラクターを演じられるのは、菅原文太しかいないって感動したばかりでした。
愛川さんも、ジョナサンまたやりたいって言ってたのにな。
残念ですが、感謝を持って御冥福お祈り申し上げます。