風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

映画『幕が上がる』とももクロと本広克行

2015-03-04 12:25:25 | ももクロ





                      



すいませ~ん。またまた『幕が上がる』関連です。



本広克行監督は事あるごとに「自分はモノノフではない」と公言しており、その度にツッコミを入れられるのが、もはや恒例と化しております(笑)。

いや、実際、「ももクロ愛」がなければ、このような映画になり得なかった。それは間違いありません。




有安杏果演じる中西さんは、クールな人なので、演じているももかは、割と表情を消したような芝居をするわけです。

これは私の個人的な好みなのですが、ももかは笑顔がとても「晴れやか」なんですね。特に笑ったときの口の形が私は好きで、ちょっと口を開け気味にして、その口の端がきゅっと上がる。それと唇を突き出して「アヒル口」になる。これがとにかく愛らしい。好きなんですよね~。あっ、こりゃ失礼(笑)

でも中西さんはクールで、どこか孤独な影を漂わせているので、あまり笑わないんです。それが演劇部のメンバー達、特に玉井詩織演じるユッコと打ち解けるようになって、その晴れやかな、愛らしい笑顔が戻ってくるんです。これが凄くいい。

ももかの「良さ」を上手く捉えている。そこに私は「愛」を感じるなあ。




玉井詩織演じるユッコは、演劇部の看板女優で御姫様キャラ。これはももクロ一アイドルらしいアイドル、しおりんにぴったりの役です。華があって、その癒し系の笑顔が皆を惹きつける。

しかし、「スーパー転校生」中西さんの出現が、その「御姫様」ユッコの日常をグラつかせるわけです。親友のさおりが、中西さんの方ばかりを向いているように思われ、寂しさと、戸惑いを感じている。そしてなにより「嫉妬」をしている自分自身に戸惑っている。

でも、このままじゃいけない、と思っているところがユッコの良さなんですよね。それはそのまましおりん自身の良さでもあるんです。この辺の展開って、ももクロの歴史を知る人ならば、思い当たる部分があるのではないでしょうか?

これは、あーりんがももクロに加入してきたときの状況とシンクロしているんです。妹キャラのしおりんより年下のあーりんが加入してきたときの、しおりんの焦りだとかとまどいだとか、それが上手く反映されているんです。

やはり、「愛」を感じるなあ。



佐々木彩夏演じる明美ちゃんは、しっかり者の後輩。これは現実の佐々木彩夏そのままです。メンバーの中で一番年下なのに一番しっかりしており、ももクロの「裏ボス」などとも呼ばれている。またあーりんの演技は自然で凄く良かったですね。夏菜子演じるさおりを後ろからぎゅっと抱きしめる「圧」の強さは、まんま、あーりんだ(笑)

「愛」だよねえ。




高城れに演じるがるるは、演劇部のムードメーカー。これはもう、れにちゃんに自由にやらせたようですね。変に演出をつけると、ガチガチになってダメなので、思うままにやらせたそうです。

それが功を奏したようで、ひたすら走り回ってるか、変なダンスを踊っている見事ながるるになった。

でもれにちゃんは、ふと真面目な表情になったときの、ちょっと愁いを帯びた感じが、凄く「綺麗」なんですよね。そういうふとした表情もちゃんと捉えている。吉岡先生からの手紙を聴いているときに、さおりの手をぎゅっと握りしめる。そのときのがるるの表情が、何とも言えず良いんだ。そこをちゃんと捉えている。

もうホント「愛」だよ、「愛」。




そして、百田夏菜子です。

夏菜子演じる高橋さおりは、そんなに活発なわけでもないし、そんなに笑う子でもない。普段のももクロメンバーの夏菜子からは、ちょっと離れた役のようにも思えます。

でも夏菜子は元々そんなに前に出るのが得意な子ではなかったんですね。どちらかというと引っ込み思案で、リーダーなんかやりたくないとずっと思っていたそうです。

さおりもまた、部長なんかやりたくないのに、無理矢理部長をやらされてしまった。でもやる以上はちゃんとやらなきゃ、とも思っている。

こういうところが、ももクロリーダーとしての夏菜子とシンクロしているし、さおりのキャラクターは、実は百田夏菜子という少女の、もう一つ別の側面であり、監督はこのさおりという役を通して、夏菜子の知られざる側面を見事に描き出した。

さおりの苦労は、さおりの努力は、そのまま夏菜子の苦労であり、夏菜子の努力なんですね。そういうところを、ちゃんと見せている。

「愛」に満ちてるね。








結果として、ももいろクローバーZ一人一人の魅力を引き出しつつ、非常に良質の青春映画に仕上がったなと思います。

まあ、地味といえば地味かもしれない。恋愛要素まったくなしだし、「壁ドン」は無いし(いや、ホントはあるんだけど、あれはマトモな「壁ドン」とは言えないし(笑)」実際、興行収益という点ではどうなんだろう?いわゆる大ヒットとなるかどうか、正直微妙だとも思う。それは内容云々ではなく、様々な要素が絡み合っての話だけど。

まっ、私がそんなことを心配しても仕方がないんだよね。私はただ、良いものは良いと言いたいだけ。好きなものは好きと言いたい。それだけだ。

風の向くまま薫るまま、感じたことを書くだけ。

私が良いと思ったものは、誰がなんと言おうと、良いものなんだよ。






それにしても、本広監督は何故、ああも頑なに「自分はモノノフじゃない」と言い張るのか。

監督というのは、映画全体を見なければいけません。

それは云わば、「神の目線」です。

その「神」が、特定のタレントにばかり注目してしまっては、映画全体の流れがとても歪なものになりかねない。

だから「神」は常に一歩引いた視点から、全体を見なければなりません。

モノノフとか言って、ももクロにばかり御執心していたのでは、映画にならんのだよ、映画に。

だから自分はモノノフではないと、言い張るのかも知れません。

そんな風に、一歩引いていた自分がモノノフだなんて、それは本物のモノノフさん達に対して失礼ではないか?そんな気遣いもあるのではないかな。

でもね、そんな風に気遣いが出来る時点で、それはモノノフのモノノフたる所以でもあるのですよ、わかる?

本広監督、あなたはやっぱり、

正真正銘の

モノノフだ(笑)





すいませ~ん。今日はただの、モノノフ話でした~。たまにはこういうのもいいよね。

えっ?たまじゃない?……









映画『幕が上がる』絶賛公開中。

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3 コメント

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Unknown (玲玲)
2015-03-04 19:01:14
はい、いつものことでーす。なんてね(笑)

モノノフ目線で言ったらね、みんなふの表情が本当に迫真の演技って思えるほど、ビックリするほど上手で。
ももクロちゃんは、絶対に嫉妬とか混じった表情見せないし、そんなものギャグにしちゃうでしょ。
でも、思春期特有の高橋さんが先生にくってかかるところとか、ヤバイ泣きそうだ、とかそれで逃げちゃうところ見て、仕方ないなって表情のユッコとか。
舞台での一瞬の失敗の表情もわざとらしく感じなかったし、ユッコの嫉妬して入れれば、みたいな雰囲気ももー全て女子高生に詰まってるもの出しちゃうでしょ。
嫌味言ってスキップとかね。
スゲーですよ。
仕事してたら、そんな感情が少しでもあったってなかったことにしちゃうのが大人なんだし、ももクロちゃんはやっぱり仕事人だから、そんな負をあまり出さないでしょ。
でも、こんなに出来るんだ、と驚きでした。

推されたい推しとしては、中西さんでいるテンションを徹底して計算している杏果は、もうなんかたまらないし、キャラとして好きなんですよ中西さん。スーパー転校生なのに自信がない、とかね。
がるるは、あの真剣な表情はとっても綺麗なのに女を感じさせない、でも関係無く綺麗でね。

そうそう、高橋さんみたいな子、高校時代って美人なのに、華がない子っていたでしょ?
でもこんなタイプは20歳過ぎたら華が出るとか、学生時代の姫キャラより華が開きそうな子って、いたよなとかね。美人だけど地味とか、裏方とか。
男性が作った映画なのに、女性とかの色々な部分が本当に分かりやすく出てて、それがビックリでしたね。
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Unknown (薫風亭奥大道)
2015-03-04 20:54:55
玲さん、今、桃神祭のDVD、1日目を観てます。『幕が上がる』じゃないけど、同じももクロってことで。
スゲーよ!スゲーよ!演出がトンデモナイ!でもその演出に負けてないももクロがもっとスゲー!
変な話、採算採れてるのか、これ?金かかってるよー。
あっ、Neo STARGATEだ。
またねー。
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Unknown (玲玲)
2015-03-05 16:15:09
(笑)
そうかー、じゃあきっと記事にしてくれるのだな。
鳥肌号泣炸裂のできなのだなぁ。きっと。

来週にならないと、私は見れないなぁ~。

えーん、ライブ行きたいよー!
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