風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

信長の慟哭

2020-11-09 08:19:16 | 時代劇

 

 

 

 

 

昨日の大河、面白かったー!

 

浅井長政の突然の裏切り!ここは逃げの一手しかない。

しかし信長は逃げたくない。自分は天子様(天皇)にお褒め頂いた、世を静謐にしてくれと勅命を承った、だから逃げるわけにはいかない。

 

これに光秀は言います。天子様の勅命を承った以上、あなたはあなた一人の身体ではない、織田信長は死んではならぬのです!

そうして床に額をこすり付けて懇願します、どうかお逃げくだされと。

 

他ならぬ信頼する光秀からの進言に、信長は一人で考えたいと部屋にひきこもり、そうして

屋敷中に響き渡るほどの大音声で吠える!

 

泣くというよりはまさに吠える。うおおおおおーっ!と泣き叫ぶ!

悔しさと怒りと恥辱。そうした感情を一気に激発させる信長。そのすぐ後に、軍議の場に静かに現れると

「儂は逃げる」

 

染谷将太さんの演技、凄かったね。

 

逃げ帰った後、信長が光秀に訊ねます。「帰蝶や天子様になんて報告すればいい?」

自分が負けたということを言いたくないわけですよ信長は、帰蝶や天子様から見限られるんじゃないかと恐れてる。

 

人を喜ばせたい、行動原理の根本にそれがある信長ですから、人にがっかりされるのを嫌うわけです。特に帰蝶には…。

 

しかし光秀は言います。信長様は負けておりませぬ。なぜなら「生きて」いるから、

生きているなら「次」がある、と。

 

信長は光秀の前では、己の本音を包み隠さずに言えちゃうんですね。割とヘタレな部分も平気で見せられる。

それほどに光秀を信頼しているし、光秀の言うことなら素直に聞く。

 

この両者の絆の深さ。これがいずれ崩れ行くことを視聴者は知っているわけで、なんとも切なさが募りますな。

 

よくできた脚本です。

 

それにしても、今回の信長は本当に根が素直な人物として描かれている。その素直さが余計に怖さを増す結果となっているのが、

実に面白いです。

 

 

それと昨日は、佐々木蔵之介さん演じる藤吉郎(後の秀吉)が、涙ながらに己の心情を訴えるシーンも良かった。この後、藤吉郎もまた、光秀を信頼するようになっていくさまがよく描かれてましたね。

 

光秀はみんなから一目置かれるようになっていく。それは家康もまた同じで、これが本能寺の変での、家康逃亡劇にどう関わって来るのか、先の展開がとても楽しみです。

 

 

将軍様・足利義昭もただの「良い人」ではない面が徐々に見え始めましたね。これまた先の展開が楽しみ。

 

史実は史実として、それをいかに「ドラマ」として面白く織り上げていくか、脚本家の手腕が問われるところ。その点、今年の大河はよくできてる。

 

今年の大河は、本当に

 

面白い。