10月31日、ハロウィンの夜に放送された、『本当にあった怖い話』の中の一遍、「開かずの間の話」。
予告編かなにかで、この話の概要を聞いた時、なにかピンとくるものがあって、普段は見ないこの番組を、録画して見ました。
観て驚いたのは、この話の舞台が岩手県だったこと。何か導かれたような感じがして、ちょっとゾッとしました。
岩手県二戸市。
ある老舗旅館の改装工事を請け負った工務店。現場監督をすることになった女性、佐々木彩(上白石萌音)は、設計者を名乗る謎の男(片岡愛之助)から、「開かずの間」を作るように指示されます。
不思議に思いながらも、指示通りに「開かずの間」を建てて行きますが、体調不良を起こす作業員が続出するなど変事が続きます。
ある日、作業後の点検を行っていた彩は、誰もいないはずの部屋、襖の向こうから聞こえてくる「声」を聞いてしまう。
「絶対に覗くな!」と厳命されていた襖の向こう側。好奇心に抗しきれず、彩は襖を開けてしまう。
襖の向こう側に見えたもの
それは…。
岩手県辺りの旧家、それも隆盛を極めた大きな家には、かつて「座頭の間」と言われた一室があったそうな。
普段は使用されない部屋で、何か接待事などがあるときに、座頭つまり按摩さんを待機させておくために使われた部屋だとか。
その部屋にいると、誰かがいる気配がする。按摩さんたちはとても気味の悪い思いをしたそうな。
その座頭部屋にいたのは、どうやら、
「座敷わらし」
だったらしい。
座敷わらしは家に隆盛を齎す「福の神」。座頭の間はその福の神、座敷わらしを住まわせるための部屋、らしい。
どの家に住み、また出ていくかの選択権は、あくまで福の神、座敷わらしの側にある。人はただ、座敷わらしの選択を受け入れるしかなかった。
しかし、その福の神、座敷わらしを「閉じ込める」発想が生まれたとしたら…。
老舗旅館が建てた開かずの間、それは福の神、座敷わらしを閉じ込めるためのもの、片岡愛之助演じる建築設計士は、それを行う陰陽師のような仕事をしているのでしょう。
その設計士は言います、「最後の仕上げ」としての「神祀り」を行わねばならぬ、と。
しかし旅館の主人は、経費をケチるため、神祀りを行わないまま、強制的に工事を終わらせてしまう。
1年後、上陸した台風によって旅館は倒壊してしまった。そうして更なる悲劇が追い打ちを掛けたようですが、その詳細については、語るも憚れるとしてぼかされたまま、
話は終わります。
神をも利用しようとするその人間の浅ましさ。例え神祀りを行ったとしても、いずれその旅館は廃れたことでしょう。抑々そのようなところに降りてくる神は
「本当」の神ではあるまいよ。
この話は、視聴者からの投稿を基にしています。つまり、片岡愛之助が演じたような人物は
本当にいる?
それが一番
恐ろしい…。
11月1日深夜に放送された『怖い絵本』の一編。
京極夏彦原作、町田尚子絵、「いるのいないの」
朗読:のん。
おばあちゃんと一緒に住むことになった少年。
その家は築百年を越える古い家。天井には天井板が貼っておらず、太い木の梁がむき出しになっている。梁の上は昼なお薄暗く、少年はその暗がりが気になって、上ばかり見上げている。
すると、その梁の上の暗がりの中に…。
のんの朗読、素晴らしかったよ!