人形アニメーション、というよりは「ストップモーションアニメ」という名称の方が、より正確かも知れません。
一コマ一コマ、少しづつ動かしながら撮影していく方式のストップモーションアニメです。映画のフィルムは1秒につき24コマですから、5分のシーンのを撮るのに、おおよそ7000カット必要ということになる。計算合ってるよね?
このての映画の場合、全編にわたって特撮シーンがありますから、気の遠くなるほどのカット数をこなさなければならない。根気と技術と、そして何より、膨大な時間と予算が必要となります。
特撮の神様・円谷英二監督は、ゴジラをストップモーションアニメで撮りたいと思っていたのですが、東宝にはそんな時間も予算もない。なので着ぐるみによる撮影を選択したのでした。
しかしそれが、結果的に日本の怪獣映画の隆盛を呼び、『シン・ゴジラ』にまで繋がるのですから、
世の中、何が幸いするか分からない。
当時のハリウッドには、潤沢な資金も時間もあった。特にレイ・ハリーハウゼンが手掛けたストップモーションアニメは、「ダイナメーション」(「ダイナミック」と「アニメーション」を掛け合わせた造語)と呼ばれ、大いに喧伝されました。
そのダイナメーション史上、最高の名シーンがこの
骸骨の兵隊です。
素晴らしい!
この一コマ一コマ、人間の「手」によって作られた映像の持つ、独特の「暖か味」と「格調」の高さ。
これはCGでは出せませんね。
何度でも言います。特撮はリアルでありさえすれば良いというものではない。
勿論、今の時代に合った映像というのはあるわけで、それがCGだというのならば、大いにCGを使えばよろしい。
私だとてべつに、CGが嫌いなわけではない。
しかしどちらか選べと言われたら、やはり
人の「手」によって作られた、「職人技」による映像を、迷うことなく選びます。
人の「手」による職人技、これこそ
「特撮」と呼ぶに、相応しい。