風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

風は秋色?

2018-08-19 08:50:49 | ここで一句





お盆が明けてからというもの、朝夕などはすっかり秋めいてきましたね。


日中などはまだ、夏日に近い気温まで上昇しますが、それでも陽射しの強さや色あい、風の冷たさなどはもう秋のものに移っています。



今年もあと4か月ちょっとですよ、早いですねえ。





秋と云えばこちらの句。


【秋深き隣はなにをする人ぞ】


という句が思い浮かびます。これは松尾芭蕉が亡くなる2週間前に詠んだ句だそうです。病床にあって静かに伏していると、隣の家からなにやら物音が聴こえる。何をしているのだろう?

病気故に身動きができない己の身の寂しさを、秋の寂しさに乗せて詠んだ、というところでしょうか。


こちらの句は、一般に「秋深し……」だと思われていますが、正しくは「秋深き……」なんです。「き」と「し」では大違い。


憶えましょう。





芭蕉翁の最後の句は

【旅に病んで夢は枯野を駆け巡る】



旅に生きた芭蕉翁の夢はやはり、旅に出ること。きっと翁の魂は、自由に天地を駆け巡ったことでしょう。



せめて魂だけでも、自由でありたいものですねえ。



ここで1句


【盆が明け彼岸待てずと秋の風】


御先祖様方、お彼岸にまた、どうぞ。