私の友人のA君の続きです。
外資系の企業を退職した会社は、次にITベンチャーに就職しました。彼も技術者でありましたから、段取りの良い真面目な仕事は、そのITベンチャーの経営者にとても重宝された様です。
そしてそのITベンチャーは急成長するのですが、好事魔多し。あることがきっかけで会社が倒産してしまいました。しかしその企業はとても多くの顧客を抱えていたため、ビジネス自体は他の堅実な大企業に移管されました。しかし元々いた企業の幹部は全員リストラされてしまいました。もちろんA君もです。
A君は次に、地元の住宅会社に就職しました。首都圏西部にある、従業員100名ほどの堅実な企業です。
それまで彼は技術職でありましたが、この会社では180度、毛色が変わって総務課の責任者の職でありました。職種としては全く経験のない事ばかりでありましたが「最悪を想定して段取りを準備する」という彼の仕事の姿勢は、従来の設備設置という技術職だけでなく、全く毛色の異なる総務課課長でも役に立ったのでした。
総務課長といっても結局専門的な事は、社労士さんや司法書士さんに依頼しなければなりません。総務課長に求められるのは、やはり最悪をいつも想定して、段取り準備を万全にしておく「スキル」であったのでした。
彼はその会社の社長にとても気に入られているようです。私も経営者ならそう思うと思います。もしうちの会社がA君みたいな人材が入ってくれたら、随分助かると思いますから。
どんな職種であっても「最悪を想定して、段取り準備する」能力の人は、年齢に関わらずどこでも重宝されることでしょう。
A君の今いる会社は小さな会社でありますから、定年制度はあってないようなものだそうです。社長はA君に、65歳を越えても、ずっとここで働いてくれ。と言っているそうです。でしょうね。
海外駐在や外資系、そして急成長のIT企業を経験し、彼は今は地味な地元の住宅会社の総務課長です。暮らしぶりも良いようで、定年に関係なく、そのままずっと働けるのであるのなら、彼は本当に幸せであると思います。
私達の年代で、大企業に入ったものの、まさかの役職定年で「あなたの仕事は必要とされていません」と30年を過ごした会社から通告を受けている、同年代のお父さんたちから比べると、A君は本当に幸せであると思います。
人生はまさに陰と陽が繰り返されます。良いことのウラには悪いことの因子が隠され、辛いことのウラには幸せな因子が隠されています。(幸という字には辛の文字が隠され、辛という字は幸の字の因子を持ちます。とはうまく出来ていますね。)
波乱万丈ながらも結果的に彼が幸せな人生を歩くことができたことの理由の一つが、実は「最初に入ったのが大企業ではない」ということなのです。彼はずっとこのことにコンプレックスを持っていました。しかし彼が大企業に入らなかったことが晩年の彼の幸せの大きな要素でした。これについては、また次回以降お話します。
さてこれから社会に出るあなたたちにお伝えしたいのは、自分の人生設計を考えるにあたって
「70歳80歳まで現役で働けること」
をいつも視野に入れて欲しいということです。
70歳80歳まで、「健康でいられるということ」「社会から必要とされるということ」そして「自分の生活費は自分で稼げること」を念頭において頂きたいのです。
もちろん大企業に入社しても、社会制度として定年制度が延長になったとしても、70歳80歳まで、その会社が自分を重宝してくれるという保証はありません。ですから、必要なのは、どんな境遇に自分が置かれても、社会が自分を必要としてくれるように、自分自身のスキルを高めて置くことです。そのスキルとは「最悪を想定して段取り準備ができること」「相手の立場を想定することができること」この2点であると思います。
A君の人生の成功は、日本におけるこれからの少子高齢化を生きる私達にいろいろなヒントを教えてくれます。
つづく。
ありがとうございます。
下記は静止衛星軌道上で観測される太陽からの電子密度グラフです。急な変動がある場合は地震や事故に備えて防災意識を心掛けましょう。特に注意が必要な期間は、メールやTwitterで防災意識リマインダーを受け取ることができます。詳しくはこちら
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私も子育て中ですが、今からでもこれらの教訓を頭に入れて頑張りたいと思います。まずは、日常生活から~。
そしてクリエイターを目指すなかのほん1%の人は、自分の創造の衝動で創りださざるを得ない人は確かにおります。しかしそういう人は、もう独学で勝手に創り出してしまうので、私などのアドバイスなどは関係ないことでしょう。
この1%の人たちは、有名になりたいわけでもないです。未来に作品を残したいわけでもないです。お金を儲けたいわけでもないです。一生貧乏でもとにかく創りださざるを得ない強い強いパッションを持っている人です。
しかしそういう人は例外中の例外でありますから、99%は、クリエイターと言えども、やはり段取り力と想定力が一番大切であろうと思います。
人生を生きる上で一番大切なのは、「クリエイターとして名を残す」ことではなく、自分が自分に課した魂の宿題を思い出してそれをやり遂げることです。そしてほとんどの場合、その魂の宿題とは「地味な人生」でのみ達成させられることであります。派手な仕事に惹きつけられると、宿題という観点では遠回りすることの方が多いかもしれません。
段取り力、最低を仮定する力はどうしたら鍛えれますかね?
いくつになっても現役で働きたいものです