おっさん、死なないで！

おっさんと映画館へ。

いつもなら映画は一人で観にいくのだが
休みが重なり
私が感動した「グレイティスト・ショーマン」を
おっさんにも観せたい！という思いもあって
久しぶりに連れ添って出かけたわけである。

おっさんはもちろん感動。
私も前回と同じところで目を潤ませ
「いい映画を観たあとはいい酒だ！」と
帰り、二人行きつけの立飲み屋に寄る。

映画と酒とパートナー。
うん、３つ揃ってなかなかにいい人生だ。

そして深夜。
なんだか一人、黄昏る。

あんなおっさんでも、死んじゃったら寂しいなあ。

もう、今日のように一緒に遊べない。
「月がきれいだから見に行こう」と誘ってもらえない。
うまい、うまいと、ご飯を喜んで食べてもらえない。
夜勤明けの私のために、布団を敷いておいてもらえない。

おっさんが死んじゃったら、寂しいなあ。

出会った頃の恋心とはまた違う柔らかな思慕が
しみじみと心を満たしていく。

還暦を控えて、私、ウツなのか？

NO！！！

夫が先に死ぬと決めてかかっているこの能天気な女房が
ウツなんてわけがないのである。