ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

U字ロックキー

2014-01-07 01:02:10 | 日記
認知症の方にはありがちな話だが
ご飯を食べたことを、すぐに忘れる。
食べることだけが楽しみ!と
ひたすらにその時間を待っておられるのだが
食べてしまったらハイ、それまでよ!
胃に入った食べ物より早く、記憶は消化されてしまうものらしい。

なのに、なぜ?
食べたことは忘れても
彼女たち(特に女性高齢者)が忘れないものがある。
部屋のU字ロックキーだ。

鍵をかけても、預かっている鍵があるから開錠は可能。
自分で玄関まで来られない利用者さんについては
契約時、必要に応じてこちらで開錠することを
ご家族にご了承いただいている。

しかし、U字ロックキーをかけられたら
外からは開けることができない。
お手上げである。

今朝も、事件は起きた。
Sさんを朝食にお誘いしようとしたら
ドアの向こうから弱々しい声が。
「足が、足が痛くて立ち上がれないんです。早くきて!」

慌てて鍵を開けて中に入ろうとしたが
U字ロックキーがガチャッと行く手を阻む。

なんでU字ロックキーをかけちゃったの~~~!!!
いつも、「取られるものはないから鍵は閉めなくてもいいわ」と
鍵さえかけずに出かけているアナタなのに。

結局、Sさんの居室のU字ロックキーを壊して入室。
廊下でへたりこんでいた彼女を無事、救出することができたのだった。

先日来、こんな事件が相次いでいる。
12月にオープンして以来
3件のお宅でU字ロックキーを取り外すこととなったが
明日はSさんのお宅からも、それが消え去ることだろう。

オバアチャマたちよ
ご飯を食べたことは忘れても
なぜ、寝る前の戸締りを忘れない!?

認知症を患う女性高齢者たちの優れた防犯意識が
私の勤める介護現場で大きな問題となっている。

(っていうか、そもそもうちの施設
U字ロックキーなんか要らないんじゃないの?)


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