ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

2020-09-18 01:31:00 | 日記
レイは、モダンな婆さんである。

過去の病気によって車椅子生活を余儀なくされているが
眉はアートメイク、
服も基調の黒に挿し色を加え
高齢者施設の日常ではもったいないと思うほど
お洒落にまとめている。

そのレイが、食堂で近くの席に座っているサトコのことを
品良く、そう、あくまでも品良く罵った。

「あの方、カツラでしょう?
ご自分じゃちゃんとつけていると思っているんでしょうけれど
後ろから見るとカツラがズレてるのよね。
鏡を見てもわからないんだわ、お気の毒にねぇ、ほほほほほ」

実はこの老婆レイ
前から見ると髪はフサフサだが
後頭部は悲しいくらいハゲている。
自分ではそれに気づいていないから
2ヶ月に一度は「クリンクリンにパーマをかけたい」と訪問美容師を呼んで
困らせているのである。

レイよ、お前こそ
鏡を見てもわからないのだよ。

教訓
鏡はすべてを映さない。


コメントを投稿