ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

ケイコ日記-その2

2016-08-04 00:52:43 | 日記
介護学校時代の仲間3人で飲む。
一人はショートステイ、もう一人は訪問介護
そして私は介護サービス付き高齢者向け住宅と
職場環境はまったく違うが
レビー小体型認知症の方の対応に苦慮しているという点は
3人とも同じだった。

レビーといえば、ケイコである。
アリセプトが有効であったという事例も聞くが
ケイコに関しては「効いた」という印象は見られない。
もっともあの薬は進行を抑えるものだから
服用していなかったらもっと大変なことになっていたのかもしれないが。

某宗教団体の幹部であるケイコの部屋には
教祖様の写真が飾られている。
彼女の妄想の世界では
最近、その教祖様が写真ではなく目の前にいる生身の人間になったらしい。

食事のお迎えに行くと
「教祖様がいらしているので、お食事は結構です」と言う。
トイレ誘導を拒むので
ではここ(お部屋)でパットの確認だけさせてくださいねと言うと
「教祖様の前でそんな恥ずかしいことをさせるんですか!?」と、怒る。

私たちには見えない教祖様のお陰で
援助がまったくできない。

彼女が“赤ちゃん”と呼んで世話する2体のテディベアは
娘さんが引き取りに来たと説明して引き離し作戦に成功したが
今度は教祖様騒動だ。

ああ、ケイコの妄想はどこまでエスカレートするのか。

時折ふっと我に返って
「私はおかしくなっています。もう死んでしまいたい」と嘆くケイコ。
ここまできてしまったのなら、いっそ彼女の望みを叶えてあげたい。
しかし残念ながら内臓はいたって丈夫
朝から大盛りご飯に鶏の唐揚げを平らげるほど食欲旺盛のケイコは
壊れながら、生かされるのだろう。



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