ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

しぶとい。

2014-08-21 23:58:23 | 日記
「水ください」
「電気つけてください」
「今何時ですか?」
「リモコン落としたから拾ってください」
「眠れません」
「足が痛いので何とかしてください」

非常ボタンを押してはなんやかんやと要望する
介護度5の爺様がいる。

「何度も言うように、これは非常ボタンですから
具合が悪くなったり本当にお困りのとき意外は
なるべく押さないでくださいね」

難聴の耳に口を近づけて、言う。
しかし何を言っても「聴こえませーん!」と、とぼけた顔でのたまう。
くそっ…
少ない髪の毛、むしっちゃうぞ!

さて、そのTさんが車椅子から前のめりに転倒し
頭からだらだらと血を流した。

登録ヘルパーからのSOSで現場に急行した私は
迷わず救急車を要請。
「呼吸はあります。意識もかろうじてあります」
119に電話してそう告げながら、思った。

これは死ぬ―と。

しかし、彼は帰ってきた。
しかも、その日のうちに。

聞けば、転倒した際、掛けていた眼鏡が額に当たって切れ
そこから流血したものの、5針縫っただけで済んだのだそうだ。

しぶとい…
彼の帰還を知って思わず心でつぶやく。

しかも転倒の理由は
「新聞が落ちたから何度も電話(非常ボタン)をしたのに
なかなか人が来てくれなかった。
だから頭にきて自分で拾おうとした」だと!?

まだくっついていない額の傷、抜糸したろーか!!!

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