ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

深夜。心温まるカレの存在。

2014-10-17 00:08:04 | 日記
私はよほど彼を愛しているのだろうか…
またまたオトボケM三郎さんの話である。

きのうの夜勤中
誰もが寝入っているはずの午前3時台に
私はあちこちでM三郎さんと遭遇した。

暗い廊下の曲がり角から車椅子でぬぅっと出てきたり
彼の部屋から怪しげな音がするので覗いてみたら
電動髭剃りでヤギのように伸びた眉毛を切りそろえようとしていたり
他の人の排泄介助中にエントランスからチャイムが鳴ったので
あわてて行ってみると
暇だからと外に出たはいいが
鍵を持たずにでたため中に入って来れなくなってしまった彼が
車椅子で扉の向こうに佇んでいたり
かと思えば
すっかり電気を消した食堂でガタンガタンと物音。
すっとんで行ってみたら
車椅子を降りた彼が、歩行器で歩く練習をしていたり…。

もう一度言うが、午前3時である。

M三郎さん、いい加減に寝てちょうだい!!!

規制のない高齢者住宅ではあるが
夜勤中にこうも自由な行動をとられては
一人で館内を守るこっちの身が持たない。

ね、M三郎さん、私も忙しいんだからそろそろ寝てちょうだいな。
いい? 私もう行かなくちゃならないから
お部屋に戻って今度こそ寝てね。

そう言って足早に去ろうとしたら、例によって素っ頓狂な声が返ってきた。

「忙しそーだねー。いったい何やってんの?」

何って、仕事よ、仕事。

「どんな仕事なの? おれ、手伝おうか~?」

思わず大笑いしてしまった。
どんな仕事って、アナタにもやっているように
いろいろな人のところを回っておむつ交換したりしてるのよ。

するとM三郎さん
「へえ~、そんな仕事してるんだ。大変だねえ」

おかしくて愛おしくて、笑いが止まらない。
彼は、ここがどういう場所だかわかっていないのだろう。
そしてこの私のことは
しょっちゅう顔を合わせる忙しそうなご近所さん
くらいに思っているのだろう。

過酷だが、カレといれば心温まる夜勤である。

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