ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

介護メン

2016-07-13 23:03:43 | 日記
前にも少し書いたかもしれないが
同僚の山田はドケチな30歳の男である。

一番の楽しみは給料日に銀行で記帳し
その通帳を開いて残高を確認することだと臆面なく言う。

食事は会社の食堂を利用することなく
昼は100円ショップのパン1個。
夜は毎日近くの実家で食べている。

洗濯物も実家に持っていって洗い
このクソ暑いのに
節約のためと冷房もかけずにいる。

彼女いない歴30年で
結婚相手ほしさに婚活バスツアーに参加したが
気に入った相手がいたと言うので
何かご馳走でもしたのかと尋ねたら
「そりゃあボクだってこういうときにはお金を出しますよ。
ジュースの自動販売機にお金を入れて
“さあ、好きなものをどうぞ”って言いました」
なんてバカなことをぬかしよる。

まだまだあるのだが、枚挙に暇がない。

今日は研修。
上司に「もし自分が認知症かもしれないとしたら何をしますか?」
と質問された。

-自分が愛したものを写真に遺します。
-記憶を手繰り寄せて自分史を綴ります。
-記憶があるうちに、これまで関わった人に会いに行きます。

さまざまな意見が出た。

そして問題の山田。
彼は鼻を膨らませてこう答えた。

「財産を管理します」

恋の一つも知らぬ男が、お宝である通帳を抱きしめて寂しく死んでいくのか。

ああ山田よ山田、お前は本当にツマンナイ男だねえ。

ちなみに、彼は某一流大学の出身。
卒業後、夢にまで見た教師となって高校に勤務したものの
半年間で挫折したのだという。

介護はどーしよーもない男の最後の就職先と言われ
それを腹立たしく思いつつ
悲しいかな、ヤツを見ているとどうにも否定できないのである。