ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

エラソーな私

2016-07-10 22:58:54 | 日記
ウチの場合
着替え、入浴、掃除、買い物といった日々の援助は
登録ヘルパーさんがやってくれる。
私のような常勤職員は排泄や食堂への移動などは行うが
あとはほとんどが登録ヘルパーの指導と事務仕事だ。

しかし当然ながら、登録ヘルパーが休むこともある。
そうなったら私たちの出番。
慣れていないので手順も覚えていないし動作も覚束ないが
そんな不安を見せてはならぬ。
内心「えー!!!こんな重度の方の入浴介助なんかどーすりゃいいんだ!?」と
泣きたくなることもあるのだが
そこは平静を装い、慣れた顔つき手つきでコトに当たらねば。

今日はドタキャンの登録ヘルパーに代わって
ある女性高齢者の部屋に掃除の援助に入った。
食堂などでよく話をする方なので、向こうも私をよくご存知だ。

「こんにちは~。今日はいつものヘルパーさんがお休みなので
私がまいりました。ヨロシクお願いしま~す」

すると彼女は驚いてひと言。
「え? あなたのような偉い方が掃除をしてくださるんですか?
申し訳ありません」

え?え?え?
私、偉くもなんともないんですけど?

「いえいえ、もったいないわ。あなたのような偉い方が…」

だからね、違うってーの。
問答しても仕方ないからチャチャッと掃除を済ませて帰ってきたが
いつまでも深々とお辞儀するオバアチャマの態度には
苦笑いするしかなかった。

これは一度や二度ではない。
休みのヘルパーに代わって援助に入るとき
よく言われる「あなたのような偉い方が…」という言葉。

そーか、どうやら不慣れなことをごまかそうとする悠然とした態度
(実は必死なのだが)
それに加えてキャリアがあると勘違いさせる58歳の風貌が
私を“偉い人”に見せているのだろう。
(注:決して威圧的な態度をとっているわけではありません)

実はキャリアまだ3年弱。
介護福祉士の資格も持っておらず、介護技術にはまったく自信のない私であるが
勘違いでも信頼してくれるのであれば
あえて否定することもあるまい。

オバチャンになってからの介護職。
肉体的には若いもんに適いっこないけれど
高齢者に信頼してもらえるだけの人生経験は、きっと負けてない。

それが強みだ。
さあ、オバチャンたちよ、介護の世界へ!
ははは、またしても求人募集である。ごめん。