長篠落武者日記

長篠の落武者となった城オタクによるブログです。

名古屋城本丸御殿建設現場

2013年04月20日 | 落城戦記
「お城行きたい。」

先週、名城公園に遊びに連れて行ったところ、名古屋城天守閣を指差して娘が言った。

※尾張名古屋は城で持つ。

堀を挟んで反対側にいたため、城へ行くには回り込まねばならない。
「お城と言うのは迷路みたいになっているから簡単にあそこには行けないんだよ。もうすぐ夕ご飯だから帰ろう。また来週来ようね。」と約束をして、その日は終わる。

金曜日娘を風呂に入れていると、
「城に行くんだよね?」と娘が念を押してくる。

『なんと・・・。』
娘は本当に城に行って見たい様子。
この千載一遇のチャンスを逃してはならない。

『娘に『城は楽しい』と植えつけなければならない。』
熱が醒めないうちに連れて行かねばならない。
絶対に。

本日、朝方娘が外で遊びたがっていたので
「じゃあ、お城行こう。」
と、いうと
「わーい。」と喜ぶ。

「わーい。」と内心喜んでいるのは父である。
『娘が城好きになってしまえば、これから先、行くのは城ばかり。ククク。』
と、悪い顔で笑う自分がいる。

とにかく常であれば娘のワガママは一切許さないのであるが、今日は特別。
孫を見る祖父のように優しい父と化す。

「お城って迷路なんだよね。」
と、先週父が発した何気ない一言を覚えて反芻している。

「そうだよ、お城は迷路なんだよ。よく覚えていたねぇ。」
と、大げさに誉める。
そう、全ては娘を城好きにするために。。。

そうこうするうちに二の丸へ入る枡形虎口(東鉄門~ひがしくろがねもん~)が現れる。


「ほら、綺麗な石だよね。」
と、切込ハギで並べられた石垣を指差す。この辺りの石垣は濃尾地震のときに崩れたらしいので、昔からそのとおりの積み方かどうかはわからないものの、見る人に「綺麗だ」と思わせるための意匠だと思われるため、
「来る人を綺麗だね~、と、思わせるためだよ。」
と、独り言のように言う。

娘はそのころ、歩道と車道を分けるコンクリの上を落ちないように歩いており、父の話どころではなさそう。
が、そんなことは関係ない。

父は年間パスポートを購入。
『これで、何度も城に連れてこれると言うもの、ククク。』
年パスは2千円。頻繁に訪れればお得。
ちなみに、中学生以下は無料なので娘は関係なし。

ちょうど『名古屋おもてなし武将隊』による催しが始まっていた。


「ほら、なんかやってるよ。見て行こうか?」
と、娘が興味を持つかと思って聞いてみると、
「早くキンキラのところに行きたい。」と、武将隊無視。

※キンキラ=金の鯱のこと。


父的には何やってるか位見たかったのですが、娘に促されて天守へ向かう。
まぁ、城そのものを純粋に好きになってもらいたい、というのが父の願いなので、武将隊より天守、という娘の姿勢は父にとって望外の喜び。

清正が石曳きをしている様子を再現した像の前で、
「同じ格好をしてごらん。」
と、水を向けるが、
「恥ずかしいから、嫌。」
と、拒否される。


そして、戦災でも焼けずに残った東南隅櫓の写真を撮っていると、堀に現在修復中の石垣の石が並べられているのを発見!


珍しいので写真を取っていると
「早くお城行こうよ。」
と、娘にせっつかれる。

そして大手馬出から表門をくぐる際に「ほら、高麗門が周りの塀の屋根と同じ高さ。これは初期型で珍しいんだけど、見栄えがあまりぱっとしないよね。」と、またしても独り言のように娘に一方的に話す。

で、とうとう再建中の本丸御殿が!


「綺麗だねぇ~。」と娘も言う。


戦災で焼けなければ、間違いなく国宝・世界遺産であり、名古屋が観光都市になっていたはずの建物。
賛否両論あるものの、当時の立て方を再現したものであれば間違いなく価値はあると個人的には思うので作った以上は大事にしてもらいたいもの。
本丸御殿建築を開始してからの名古屋城は見たことがなかったのですが、今まではだだっ広い広場だったのが一気に建物で埋まり始めており、興奮する。

当然のことながら建築現場訪問を行う。

※安全のため、見学にはヘルメットを。

中では立派な木が組み合わさる様が見学できます。


組み合わせる部分もしっかりとした仕事が。


素晴らしい。


娘的には高いところから見下ろす、というのが楽しかったようです。
そして、いよいよ娘にとって行きたかった名古屋城天守閣。
小天守から入るので「?」となっていたようですが、こういうつくりなのだ、と、説明をする。

で、建物の中で石垣を触らせたりして、迷路になっている様などを説明。

※石を割るために穴を開けた部分であることを説明中。

中にエレベーターがあることについて、娘も驚いておりました。
で、最上階から外を見下ろさせると、喜んでいる。
いつもならば絶対にモノなど買わないのですが、みやげ物店で「何か欲しいものがあったら買っていいよ。」と、言って、カピバラさんと金シャチがセットになった妙なキーホルダーを欲しがったので妙だと思いましたが娘がそれで喜ぶならばと買い与える。

その後、信長の絵などを見て「パパ、この人好きだよね。」などと言う。
さんざん、茶化している方ですが・・・。

娘的には金シャチそのものとご対面したかったみたいですが、屋根には登れないので会えないよ、と、説明をする。
不満そうでしたが仕方が無い。
でも、こんな写真撮影スポットがあるんですよね。


当初、前の人達が写真撮影をするのを待つ間、別のところを見に行って時間潰そうとしたら、列が伸びて娘に「だから並んでいればよかったのに。」と、なじられました。
が、金シャチに乗れて娘は大変喜んでおりました。

帰りは歩くの疲れた、座りたい、と、行っていたので仕方なしにおんぶ。
でも、まぁ、体力増強の錘代わりと思えばなんてことはない。

とにかく、娘が城に行きたいと自分で言い、一応楽しめた様子。
これからに注目です。