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入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「冬」 (1)

2018年11月04日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 毎日目にしていた風景にもかかわらず、きょうのような曇り空では、山の雰囲気はすっかり変わってしまった。想いは残るが、老いた秋にこれ以上は老醜を晒させるわけにはいかない。きょうからこの独り言のタイトルを「冬」に変え、いよいよその支度にかかることにする。

 そう決めたら、急に何を呟いたらよいのか分からなくなってきた。支えになっていたものが急に消えてしまったような心許なさを感じる。できればこのまま冬眠状態で一冬を送ってもいいと思うくらいだが、そうもいかない。牧を閉じるまでのこれからの半月、それからの長い冬の過ごし方をあれこれ考えながら、新しい季節の重そうな扉を開けることにする。

 とりあえず、ここの冬支度を進めながら、一度「法華道」の様子を見にいこうと思っている。昨日も、北原のお師匠は「通れるようにだけはしておかなければいけない」と言って、古道を邪魔している倒木のことをかなり気にしていた。去る8月、90歳の高齢を押して誰かを案内して途中まで行ったらしいが、それ以来、そのことが頭から離れないようだ。倒木はお師匠のせいではないのに、案内した人に「恥ずかしかった」とまで言った。もう少し若かったなら、当然自分で始末したはずだという無念の思いが、ついそんな言葉を吐かせたのだろう。
 確かに、雪道を塞ぐ倒木をかわすのは、かなりの体力を消耗する。しかし、それにしてもあの山道を年間どれほどの人が通過するのだろう。旧芝平の住民が、キノコ採りに利用しているくらいのことは分かっているが、それ以外では人々からは忘れられた古道というしかない。味わいのある、いい山道なのだが、入笠へ来る大半の人はどうしても便利な方法を選ぶし、この道のことも恐らく知らない。

 愛犬HALといつも一緒に、法華道を一冬に何度かは登り続け、またその季節が来る。12年目の冬だ。

 今冬の小屋の営業を希望される方は、今から連絡いただけるとさいわいです。営業内容についてはカテゴリー別「冬季営業のお知らせ(29年度)」を参考にしてください。
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     ’18年「秋」 (65)

2018年11月03日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など



            Photo by Ume氏(2作とも)

 まずまずの天気が続いている。今年も好評だった露天風呂の、最近新しくした囲いに防腐剤を塗ったら、大分いい感じになってきた。もう露天風呂の営業は終わりにしたが、あれならだれもが安心して入浴を楽しむことができるだろう。防腐剤が足りなくて作業は途中だが、完成したらここで紹介したい。

 昼になって下へ降りてきたら丁度、北原のお師匠が孫のK君の運転でやってきた。御所平を通る法華道のことを師が気にしていることは知っていたが、とうとう放っておけなくなったのだろう。生憎、実生落葉松との苦闘がまだ続いていてきょうは協力できなかったが、お師匠の気は済んだと思う。後で行ってみたら、山道に細く草を刈った跡が御所平峠の方に続いていた。お疲れさまでした。
 もう少しあの古道を通る人がいてもいいと思うのだが・・・。

 古道と言えば、エライ話がもうひとつ届いた。写真家のI籐さんが、わざわざ届けてくれ新聞のコピーに、秋葉街道を徒歩で秋葉神社まで行った人の話が載っていた。若いころから何故か、この古道には特段の関心があって、いつか昔の人のように歩いて行ってみたいとずっと考えていた。そのことをI籐さんに話したことがあったみたいだ。
 180キロ、30万歩、歩いた人は元原村の職員、61歳だとある。知って良かったのか、知らなかった方が良かったのか。実は来週にでも車で秋葉神社へは行くつもりでいた。ムー、気持が揺れる。

 今冬の小屋の営業を希望される方は、今から連絡いただけるとさいわいです。営業内容についてはカテゴリー別「冬季営業のお知らせ(29年度)」を参考にしてください。
 枯れ葉の積もった山道を歩きに来ませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。





 
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     ’18年「秋」 (64)

2018年11月02日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏
 実は昨日、11月を待つようにキャンプ場の水道が破裂した。こういうことは大体、まず室内のビニール管で起きるが、今年は最初に外がやられた。これで、近くの取水場1カ所を省いて、管理棟及び小屋の水道は使えなくなり、この状態は来年の4月まで続く。11月早々というのは、例年と比べても早い。

 好天が続く。来る日も来る日も同じ山の中で単純作業を繰り返しているうちに、短命な秋がもうすぐ逝ってしまう。ここへきて、逃してしまう時間を惜しむ気持ちが次第に強まるが、ただ、他に何をすれば良いかは分からない。行けば満足するに決まっている山のことや、旅のことは考えていたが、いろいろと状況に変化があり果たせなかったり、果たせないでいる。今も計画のすべてを捨てたつもりはないが、存外こうしてここにいるのが一番自然かも知れないなどと強いて考え、揺れる気持ちを抑えている。

 一昨日、囲い罠の中の5頭の鹿の殺処分をした日、キャンプ場に仕掛けたくくり罠にも1頭鹿がた掛かっていたのを気付かずにいて、鉄砲撃ちの一人から「鹿を飼っているのかえ」とからかわれた。
 人がいないのを幸いにして、鹿がキャンプ場にまで出入りするようになり、それで警告のつもりでしたことだが、この捕らわれの鹿が何とも愛くるしい顔をしていたから困った。鹿に直接手を掛けることを久しくしてなかったせいもあり、「人に殺(や)らせるのかえ」と冷たい声で言われたが、それでも完全に引いてしまった。
 その鹿は余程の勝気、健気だったのだろう、最後の力を振り絞って相手に向かってきたという。雄鹿にはこういうことがあるが、雌、それも若い鹿には珍しい。それを聞いて、言葉をなくした。

 かんとさん、了解しました。星の狩人は来週末、集まれ!

 今冬の小屋の営業を希望される方は、今から連絡いただけるとさいわいです。営業内容についてはカテゴリー別「冬季営業のお知らせ(29年度)」を参考にしてください。
 枯れ葉の積もった山道を歩きに来ませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。





 
 
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     ’18年「秋」 (63)

2018年11月01日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏
 北アルプスが冬の装いに姿を変えた。登ってくる途中、落葉の進んだ落葉松の木々の間から、冠雪した白く輝く峰々が見えた。少し遠回りして、眺望のよい場所に行ってみると、広大な青空に浮かぶように穂高や槍が、さらに地平線の向こうに後立山の連山が望まれた。併せて、天気は文句のない快晴だが、どこからともなく忍び寄る冬の足音も聞こえてきた。きょうから11月。

 約1ヶ月、正確には10月4日の夜から、通行止めになっていた芝平線がようやく通れるようになった。杖突街道の長藤にある芝平線の入口にはまだ通行止めの標識が仰々しく立っていたが、きょうから通行できるという情報は入っていた。地元民にだけ知らせて、まだ一般には通行止めのままにしておくのかと疑ったりしながら現場まで行くと、まさにこれから通行止めを解除しようとしているところだった。
 また、100メートルあるかないかの舗装工事に1ヶ月を要した、千代田湖から枯木の頭を通る林道の舗装工事も、昨日で終了したことを昨夜帰る際に確認した。「千軒平」を迂回する道中の秋はなかなかのものだったが、「1ヶ月は長かった「」と、途中で出会った工事関係者に思わずは口をついて出た言葉は本音だった。



 それにしても、芝平の谷は美しい。改めて、そのことを強く感じた。山室川の造った狭い谷の中には、もうすぐ終わる秋のすべてが詰まっていた。贅沢なまでの紅葉や色付いた木々の葉、岩を噛み流れ下る清流、忙し気に飛び交う野鳥、さらに青空の下ひっそりと静まり返った廃村すらも、秋の中に無理なく納まっていた。
 
 今冬の小屋の営業を希望される方は、今から連絡いただけるとさいわいです。営業内容についてはカテゴリー別「冬季営業のお知らせ(29年度)」を参考にしてください。

 枯れ葉の積もった山道を歩きに来ませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。


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