入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「冬」 (6)

2018年11月12日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 この時季の山の良さを、一人だけで味わっている。きょうは水源地まで、沢の流れに沿って森の中を歩いて行った。その谷には水量にもよるが、良い水の音を聞かせてくれる小さな流れの段差がいくつもできている。一昨年の今と同じころ、水道管の埋設や養生をやっていたときは、下から聞こえてくるそうした流れの音に、遅々として進まない仕事から来る苛立ちを幾度となく和らげてもらった。
 きょうも、水の流れを名曲のように聴きながら、落葉したダケカンバの森の中を登っていった。そして、この谷の中でやったあれこれの仕事を思い返しながら、もう、ああした作業を繰り返すことはないだろうと思った。熱意も、努力も、忍耐もあったからできたことだが、それらは体力と協調する必要がある。それを期待できない。

 第1牧区へ上がっていく途中、谷を挟んで100メートルと離れていないダケカンバの林の中に、1匹の雄鹿が寝転がっていた。奴はこちらを注視しているようだったが、動かない。そんなふてぶてしい態度を見せるくらいなら、もうすぐ始まる猟期に真っ先に撃たれちまえ、と言ってやりたかった。 牛が下りてから特に鹿の活動が目立つ。多分牛というより、冬を目前にして行動が活発になったのだろう。第1牧区の放牧地には鹿の姿はなかったが、落とし物は増えるばかりだ。
 指標にしている3本のミズナラは、1日見なかっただけなのにすっかり落葉していた。確かにミズナラばかりでなく、この周囲のあらゆる広葉樹が葉を落としてしまった。落葉がこんなに短期に進むとは、毎年見ているはずなのにそれでも意外だった。
 御嶽山や中央アルプスは時雨れているようで、乗鞍は双頭の峰を雲の中に隠していた。北アは不機嫌そうな冬雲が厚く覆っていた。やはり、11月もここまで来てしまうと、冬の気配が一段と濃くなった。山の雰囲気がもうすぐ変わる。

そういうわけで「冬の営業案内」をご覧ください。予約は早めに頂ければさいわいです。
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