goo blog サービス終了のお知らせ 

入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

続 通勤途中の妄念

2014年06月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
                                       Photo by かんと

 万緑の中を今日もまた溺れるようにして来た。もう、この仕事も8年目になる。いろいろな職歴の中では2番目に長い。
 
 昨日の脈略を欠く妄念の苦しい言い訳だが、緑溢れる落葉松の森の中を走りながら、信州に帰って暮らすようになったこの10年が、自分の人生の中ではもっとも平安な時期ではなかったかと考えた。そしてまた、その過ぎていった幸福な時を思い、一抹の呆気なさも感じたりした。
 
 「限りなく広い宇宙、永遠に続く時間の中で、アンと同じ惑星、同じ時代に生きることを喜びつつ・・・・・。」これは、天文学者カールセーガンの有名な著書「コスモス」を、妻アン・ドルーヤンに献呈するために記した感動的な言葉で、いかにも天文学者らしい。彼が深く関わったボイジャーは、太陽圏を超えて今も飛び続けているけれど、その彼は、もういない。
 
 138億年とか46億年とかいう単位を、せいぜい7,80年の生命しか与えられていないわれわれがどうとらえたらよいのか、考えてみても分からない。分からないが、人の一生を思うとき、ついこれらの想像を超えた時間や距離が、無限とか永遠といった漠々とした思いとともに、湧いてくる。
 太陽が死滅するとか、銀河が衝突するとか、これもまたとてつもないことだけれども、宇宙の広大さやその時間からすれば、昨日のような例え話になるのかも知れない。まして、個人のことなど・・・。



 大分昔のこと、前述のカールセーガンが「コスモス」に書いた献詞をぜひとも横文字でも見たくて、そのためだけに安い普及版を買ってみた。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては6月2日のブログをご覧ください。かんとさん、ありがとうございました。カールママさん、TDS君にもお礼申し上げます。コメントは、励みになります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

   通勤途中の妄念

2014年06月19日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 この群れの中にNo.62はいない

 気が付くと、いつもハンドルを握って山に登っている途中か、逆に夕暮れの中を家に向かって走っているかのようだ。牧場にいたり、家では、頭は要らない牛さんと同じようなもので、訳の分からぬ妄念も含め大方のことは、この通勤時間に考えている。
 今日はいつも通る山室川沿いの道を止めて、滅多に使わない千代田湖を経由するコースを選んだ。この経路の方が5キロばかり長いが、時間的には変わらない。芝平を通る山室川沿いの道は一部未舗装のため、千代田湖経由の完全舗装路を走るようなわけにはいかないからだ。
 何故そうしたかというと、今日ばかりはガタガタ道が億劫に感じられ、これはきっと疲労が原因だろうと自己診断したからなのだ。今日で仕事を初めてちょうど二か月になる。
 最初の一か月はゆっくりと過ぎたが、二か月目は早かった。そんなことを感じながら、人生は短いかも知れないが、生きていることはいいことだと、ご先祖さまのどなたの気まぐれだったか知らないが、感謝しつつ来た。生命を生み出すことは簡単だが、生まれることはまさしく奇跡のようなものなのだから。
 またこういうことも考えた。この広大な宇宙では、もしわれらの銀河がマゼラン星雲と衝突したとしても、それは遠い国のどこかの街角で起きた些細な追突事故のようなものかも、と・・・。


 塩をやるから来いと呼ぶ

 いけない、下に約束ができた。急いで帰ろう。この続き、あるかどうか。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては6月2日のブログをご覧ください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

   梅雨が戻る

2014年06月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 No.62 相変わらず群れを無視

 雨脚はそれほど強くはないが、午後から雨になる。
 第3牧区の帰りに、登山口の下にある富士見側の通行規制をしている係員のSさんのところへ立ち寄る。話しながら見ていると、登山者の大半は60歳、いや70歳代の男女で、今日のような天気ではあまり期待のできない山頂へ、それでも皆登っていく。きっとこういう天気を承知で来たのだろうが、気の毒。


 やはりお前がアイドルか

 雨の降る前にと、午前中はキャンプ場の草刈に精を出すが、普段しない姿勢を長時間とったせいか腰のあたりがおかしい。

 No.62が群れに馴染まず、今日も1頭だけでいる。しかも横になっているだけで草を食んでいるように見えない。雨の中を近くまで登っていくと、ムックリと立ち上がり、そして猛然と逃げ出す。どうやら体調には問題がいようだ。
 時々こういう牛がいる。人を見て逃げるようなホルスタインは乳牛失格の例外、と言っていい。これからもっと広い放牧地に出さなければならないというのに、困ったものだ。



 昨年、このブログに「レンゲツツジが美しい」と書いてPHを載せることができず、Toshy氏(コメント多謝)に教育的指導を受けたことが懐かしい。また、ブログ満1歳ということで、多方面からコメントいただきました。ありがとうございました。昨夜は鹿の様子を見ようと遅くまでいたので、今日は早目の退散。鹿のことはまたの機会にします。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては6月2日のブログをご覧ください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

   ブログを立ち上げて今日で満1年

2014年06月17日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日帰りかけたら、放牧地の上部で1頭だけ群れから離れていたが、今朝来ても、やはりあまり場所を変えず1頭だけでいる。No.62で、昨日入牧した3頭のうちの1頭。


     No.62 かなり警戒心が強い


     No.57 この牛が群れを仕切るか



 このブログを始めた理由は何度も書いた。牧場を存続させていくためには、少しづつ観光牧場的な性格を取り入れていかざるをえず、その一助になればということで始めた。1年やってみてその効果はまだ目に見えるほどとは言えないが、止めてしまうほどのことはないと感じている。
 今日も伊那の観光協会が、北原のお師匠の案内で登ってきた(お師匠におかれては本当にお疲れさまです)。市役所の職員でも入笠関連でいろいろな部門の人に会うが、今後の方針や、そのためのコンセンサスができる以前に、いろんな部署がバラバラに行動しているように感ずるときがある。
 テイ沢へ下る所に「怪しげな」案内板を出してあるが、これをちゃんとしたものにしたらどうかという話がある。確かに最初はそう思った。そうすれば、もっとたくさんの人がこの沢を訪れるようになるだろう、と。しかし、登山口でトンチンカンな質問をして交通規制の係員を困らせているような人をよく見かけるが、はっきりと言ってテイ沢は、そういう人(自己責任のとれない人)にまでオススメする場所ではない。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては6月2日のブログをご覧ください。なお、7月19,20,21日の山小屋の予約は、打ち切らせていただきました。
 たくさんの人に支えてもらい、時には毒を吐いて1年きました。心中よりありがとうございました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

   好天の続く牧場

2014年06月16日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

   御所平で昨夜夕焼けを待ってみたが

 「短い梅雨の晴れ間」と書いたが好天が続く。昨夜は上に泊まる。
 いつものように、朝早くから鳥の声や虫の声が森の方から聞こえてくる。ウグイスが「ホーホケキョ」と鳴けば、ホトトギスも「トッキョキョカキョク」と応じる。しばらくして、出番を忘れていたカッコーが、深山の奥から「カッコー、カッコー、カッコー」と3回鳴いてキジにも登場を促す。すると、春ゼミの合唱が一瞬だけ止む。
 森は絶えず生き物の声に満ちている。それでいて、朝の森の中の独特な静寂までが、奪われるというわけではない。



 今日牛が3頭上がる。このごろでは珍しい有角のホルスタインだ。この仕事を始めたころはこの手の牛もたくさん来て、20頭ばかりの群れをつくられた日にはちょっと緊張した。かの宮澤賢治にさえ「悪しきをひそめ我を見る牛」と歌われたように、牛にじっと見つめられるとたしかに不気味な気がしたものだ。
 そういえば唯一の和牛の雄牛マッキー(本名:雪豊)は除角が済んでいたが、これまたかなりの巨体で、どの牛よりも威圧感があった。人間と違い、他の動物は雄の方が圧倒的に凶暴で、強い。最初は警戒しろと言われてそうしたが、慣れるに従いよくなつき言うことを聞いてくれた。惜しくも昨年殺処分された。この種牛を失ったことが、入牧頭数の激減を招いた大きな理由だと思う。一番思い出に残る牛だ。


 1頭だけまだ他の牛と馴染めない

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては6月2日のブログをご覧ください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする