牛たちに注視される牧の人
午後2時過ぎ、とうとう”爆撃”が始まった。雨なら我慢できるが、入笠の雷は特別である。第1牧区のような周囲に何もない放牧地で草刈り機なんぞを振り回していたら、いつ直撃を受けることになるか。ましてここには昔し、芝平の人々が雨乞いをした「雷電様」まである。
第1牧区に登れば対面に第4牧区全体が見える。昨日この牧区に移した牛の様子を見ようと朝一番で双眼鏡を携えて来てみたが、2頭を確認できるのみ。広い放牧地に他の牛の姿を見ることができない。この牧区は林もあるため、第1牧区の草刈を途中で切り上げ、やはり歩いて探すしかないようだ。
午後、雷鳴を遠くに聞きながら、急登に耐えつつ登る。と、いた。こんな天気では、広い草地に出すよりここに置いておいた方がよかろうと、頭数を確認しただけで下る。
牧区替えしたばかりで、こんな林の中に群れをつくるとは
57番が番頭さんのように迎えてくれた
ヤマカン氏が珍しく電話をしてきてくれた。彼とは東京で一緒に働いた間柄だが、いまは故郷の有田でセトモノ(陶芸)制作とコンピューターの新ソフト開発に余念がない。上手くいけば、貧乏な牛守にも大金が入るそうだ。その彼曰く、「ブログ、もう少し自分を出してもいいんじゃないですか」と。有難い助言だが、クスリのない毒だらけの人間が、ハ、ハ、ハ、堪えているんです、吐きたくて仕方ない毒を。毒、毒、毒。
TDS君は俳人。この会の片隅から身を引く前も、後も友誼は絶えない。で、彼の近作。
夏めくや群れ作りだす牧の牛 牧の人牛と寝てをり夏銀河
山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては6月2日のブログをご覧ください。雷鳴止む、午後4時。