入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’24年「秋」(52)

2024年10月07日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 
 今朝も曇天、東の空にかろうじて太陽の位置が分かる程度の明るい部分が見えていなければ、まるで夕暮れ時かと錯覚を起こしてしまいそうだ。きょうの権兵衛山は霧をまとわず良く見えて、山腹の落葉松の葉は赤みを帯びた茶の色を一段と濃くしてきたのが分かる。

 きょうは第1牧区と第2牧区の境界に張ってある電気牧柵の一部を外し、他の部分は地面に落とす予定だ。いよいよ冬支度である。
 NMさんからの通信では、電気牧柵の設置がこの牧場ではすでに1977年には行われていたらしいとのこと、大いに驚いた。今も使われている古い方の機械は1994年製造の国産で、他にもソーラー発電を利用した物があったが、これもかなり古く、製造年は不明で現在は使用してない。
 小入笠に設置し現在も使用している電気牧柵とは、県が調査を兼ねて第1牧区に鹿対策用に設置した外国製で、この方が出力があるため、何年か前に小入笠のある第4牧区に使うために切り替え、代わりに距離が短い第1と第2の境界の一部に古くて出力の弱い94年製を使用している。

 恐らくこれらの電気牧柵が使われた理由は設置が簡単であったからで、70年代には鹿の害はまだそれほど深刻ではなかったと思う。
 入笠山の山腹に張り巡らされた電気柵は、呆れたことに入笠山の裏側の登山口、(ここは今「首切り登山口」などという名前が付いているが、古くからある名前は「仏平」である)近くにまで及んでいた。それもクマササの生い茂る中をである。
 第3牧区に設置されたソーラー発電の電気柵もやはり信じられないような林や渓の中に延々と続き、漏電、断線による牛の脱柵が後を絶たなかった。
 
 今では不適当な場所の電気柵は全て取り外し、あるいは新たに張り直し、電圧も一定以上を保持できるよう計測を怠らないようにしている。しかし、保守していくのは今後も大変であることに変わりはない。
 もしも有刺鉄線を張った通常の牧柵であったらと考えることもあるが、これだけ鹿が増えてしまえばやはり破られてしまう。鉄だかアルミの牧柵なら牛の脱柵は防げるし鹿も破ることはできないが、侵入を防ぐことは無理だし、そもそもそんな費用など出るわけがない。中古の軽トラに甘んじている者が宝くじを買って、メルセデスの新車を夢見るようなものだろう。

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 本日はこの辺で。


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