入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「春」 (68)

2020年05月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 この写真を一目見て場所が分からないようなら、牧場管理人は務まらない。それはともかく、昨日、きょうと、Ume氏の空撮映像を見ていたら、何度か行ったアラスカの記憶が懐かしく甦ってきた。
 その中でも、短い夏の夜が迫りつつある広大な氷河の、その遥か向こうに見えていた登頂を拒んだ山々、ヒグマに怯えながらスプルースの森の中で過ごした長い夜のこと、そしてただひたすら二日以上も走り続けた森を貫く自動車路・・・、思い出す。

 あの頃は、海外へ出るということだけでも大変だった。2回目の時は山が目的だったが、滞在が長くなりそうだったから会社を辞めた。それ以後、わが人生の乱調は、より激しさを加えていったかも分からない。
 その後、もう二度と来ることはないと思った場所に、また行くことができた。しかし、一度目の時のような深い思いはもう湧いてこなかった。目の前の雪の峰々や、距離感の付かないほど延々と続く氷河は変わらなかったが、それを目にしている方がすでに変わってしまっていた。飛行機で運ばれて、テントは張ったが、パイロットにその靴で大丈夫かと心配されるような有様で、アイゼンもピッケルも持っていなかった。「sentimental journeyか」と彼は笑った。
 
 この牧場にも、アラスカを思い出させてくれる森がある。そこを今ではそのまま「アラスカの森」と呼んで大切に守っている。初めてそこへ行った時、あるソプラノ歌手のことが頭に浮かんだ。そのことはすでに呟いたが、もしかすれば違った形で似たようなことが実現するかも知れない。これまでにも、CMや映画に使われ、有名だと聞いた歌手も来ている。ただ、今考えていることはそういう商業ベースとは別な次元のことだし、観光に結びつかせようと考えているわけでもない。

 Ume氏の話では、今年はコナシの開花が遅れているという。てっきり早いと思っていたが、オオダオ(芝平峠)まで来て一服してしまったのだろうか。

 本日はこの辺で。
コメント
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