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入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「春」 (59)

2020年05月19日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 この石像はやはり、自分で歩いてあの場所まで来たわけではなかった。また、もしもあの場所に元々あったとしたなら、どう考えてもとっくに気付いていたはずで、それも到底考えにくい。ところが、この夫婦岩付近で確認されている23体の石像や石仏に関しては一応目を通してあるが、この石像は初めて目にするものだったから余計に謎は深まった。新型コロナウイルスによる外出自粛と、先月の降雪による倒木のせいで、しばらく入渓する人など見掛けなかった。そうでなくとも、外部から持ち込まれたということも、これまた考えにくい。
 古い時代の人なら石像の不可思議な出現に、超常的な理由を考え、信じ込む人がいたかも知れないが、現代に生きるわれわれならもう少し納得のいく理由を知りたがる。それにしても謎は謎である。
 ところが、それが実に呆気なく解けてしまった。あの通行の困難な沢に入る人などいないと思っていたら、実はいた。一昨日の日曜日、マナスル山荘本館の山口氏らが小屋に立ち寄った際、テイ沢の不思議な石像の話をしたら何と、「それを発見したのは僕たちです」という意外な答えが返ってきた。聞けば、夫婦が淵の中に沈んでいたその石像を発見し、彼らが近くに引き上げてくれたのだと分かった。恐らく、先月の雪が原因の倒木に巻き込まれ、一緒に夫婦が淵へ落下したというのが、「石像現る」の真相のようだった。
 事情が分かれば納得できる。確かに彼らにも倒木の処理が進んだ段階で、何とか人が通れるようになったことは伝えてあったから、それで沢の下見に行って思いもしなかった拾い物をした、ということらしい。



 昨日、北原のお師匠が二人のお孫さんと一緒にその石像を見にやって来て、折よくテイ沢の様子を見に来てくれたTDS君も一緒に現場へ行った。そして、石像の鎮まる場所を夫婦が淵の近くの大岩の上に決めた。その前に念のため、お師匠にもこの石像に見覚えがあるかと聞いてみたが、やはり否だった。
 いつのころ、誰が、どんな思いでこの石像ばかりか、他の石仏や石塔を運んできたのだろうか。渓が、巨岩が信仰の対象にされたと想像することはできても、麓の芝平の谷にさえも、その辺りのことは伝承されていないらしい。

 第1堰堤の八重紅枝垂れ桜のことが、少し分かりかけてきた。明日はUme氏のPH,お楽しみに。本日はこの辺で。

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