入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「春」 (46)

2020年05月02日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今年になって初めて気温が20度を超えた。権兵衛山の北の斜面にはまだ白い物が残っているというのに、それも恐らくきょうが見納めになるだろう。午後、第1牧区へ行ってみると、中アや北アは光線の加減でか、朝目にするような秀麗な山容を見せてはくれなかった。それに対して、まだかなり岩肌に残雪を残す八ヶ岳の各峰が一際よく見えていた。
 
 こんなコロナ禍が起きなかったなら、たっぷりと雪を残した今年も5月の山々は大勢の人で賑わったに違いない。この牧場の片隅にあるキャンプ場や山小屋も、毎年この大型連休には決まって訪れてくれる人がいるが、今年ばかりはそうした人の姿が消えてしまった。国が「緊急事態宣言」を発令して以来、外出自粛が求められ、それに合わせて県や市町村の首長が都道府県をまたいでの移動を控えるよう呼び掛けている。本音のところは、13の「特定警戒都道府県」の住人には来てほしくない、ということだと思う。たまに県外ナンバーの車を目にするが、かれらは周囲の鋭い目に晒されて、行楽の気分など味わうことはできまい。

 富士見のゴンドラは休業が5月いっぱいまで延長されたと聞く。富士見からの通行止めは続いているし、入笠山の登山そのものを控えるよう要請されているようだ。伊那側も、工事による通行止めに加えて、この新型コロナウイルスの影響を受け、車で入笠へ来ることは見合わせるよう求めている。長野県内の感染が確認されている人の数は66名(5月1日)、そのうち感染経路がはっきりしない人は5名だと、きょうの新聞は報じていた。であれば、もちろん現実には無理だが、県境を越える往来さえなければ一斉休校などせずに、また県民は県内であれば、この連休を楽しんでも大丈夫だということになりはしないか。こんな山の中でも、偶々出会った車の中の二人がマスクをしているのを見て、そこまで気を遣わなければならないのかと、いささか考えた。

 きょうの気温のせいだと思う、小さな滝の落ち口で作業をしていても安気なもので、万一滝つぼに落ちたらそれでもいいくらいの気持ちになってしまった。ただ、これほど急に気温が上がると肉体労働は疲れる。

 赤羽さん、多摩川と新田軍の話、戦国の世のこうした悲話、大変に興味を持って読みました。石仏ばかりか、武運長久を祈ったらしい石柱もあり、今度案内します。北原師は、巨岩やあの沢の雰囲気から、一帯を神のよりしろと見做したのではないか、と言ってました。

 本日はこの辺で。

 
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