今日(7月29日)は、母の命日。
母がこの世を去ってから、今日でちょうど20年が経つ。
20年経っても、私の中の母の面影が色あせることはない。
私は、7人兄妹の末っ子。
姉たちの話によると、母は、姉たちをかなり厳しく躾けてきたそうだ。
ところが、私には、母から厳しい言葉を掛けられた記憶が、全くない。
(私を産んだとき、母は40歳を超えていたし、7人目ともなると、躾けることにも疲れてきたのかもしれない。)
私にとっては、ただただ優しい母だった。
経済的には大変だったが、私は、母の愛をいっぱい受けて、子ども時代を過ごした。
そのお陰で、私は、私の唯一の長所である、「人を信じる心」を、獲得できたように思う。
逆にそれは、私が困難に弱い「甘ちゃん」になる原因になったかもしれないが‥。
それでも私は、私を「人好き」にさせてくれた母の愛に、今でも心から感謝している。
母は、70歳くらいに腰を悪くして初めて入院し、その後2度、脳梗塞を患った。
母が病気になった頃から、私の中では、母と私の関係が逆転し、母は私にとって、子どものような“カワイイ人”になった。
病気になり、記憶にも少し問題を生じ始めた母だったが、母は、病気にあがらうことなく、悲観することなく、最期まで伸びやかだった。
ほとんど寝たままの生活が続くようになっても、「お布団の上は天国!」が、母の口癖だった。
私たちは、そういう母の姿に、どれほど心慰められたことだろう。
本当に、かわいい、愛しい母だった。
そして母の死は、死に対する私の怖れの気持ちを、完全に払拭してくれた。
それほど、母の死は、清らかなものだった。
一生懸命生きて、そして、命が燃え尽きる。
それは、むしろ美しいことではないか?
母の死は、私に新たな“死生観”をもたらしてくれたように思う。
私に、人間にとって大切なことを、いっぱい教えてくれた‥母。
その母は、20年前にこの世からはいなくなったが、私の心の中では、いつまでも生き続ける!
改めて、愛しい母への感謝をかみしめる、今日一日でした。
父母のようには生きられないと思いますが、できるだけ近付くようにがんばりたいと思っています。