28日(土)の午前中には、玄関の自動開閉化に伴って、私の部屋でもインターフォンの取り換え工事が行われた。
何しろ初めてのことなので、工事にどの位時間が掛かるものか不確定だったが、9時過ぎから始まった工事は順調に進み、イン
ターフォンの使用の仕方の説明も含めて、2時間足らずで無事終わった。
その工事が終わってしばらくして、故郷のM姉から送られてきたデコポンも、無事受け取ることができた。
工事も終わりデコポンも受け取ったので、午後は、時間の都合が付けば行って!と、Mさんからチケット(整理券)を戴いていた
コンサートに、ご近所のIさんといっしょに出掛けることにした。
このコンサートの中味については何も知らず、とりあえず行ったのだったが、行ってみて、本当にヨカッタ。
歌もピアノも、(皆さん素人なのに)とてもお上手で、全体的にとても素晴らしいコンサートだった。
なかでも、かなり高齢だと思われる女性が、谷川俊太郎作詞・武満徹作曲の、「死んだ男の残したものは」を、静かに語りかける
ように歌われたときは、私の胸は感動でいっぱいになった。
私は若い頃、谷川俊太郎さんの詩が割と好きで、中でも、「死んだ男の残したものは」は、大好きな詩の一つだった。
その詩に、かの武満徹氏が曲をつけられた歌が、これまたとても素晴らしいのだ。
私はその歌のレコードを買ってきて、そのレコードに合わせて何度も歌い、その度に、先の戦争で亡くなった人たちのことを想っ
て胸が締め付けられ、平和への誓いに胸を熱くしたものだった。
そして、その気持ちは今でも同じだ。
なので、その歌の歌詞は、今でもしっかり覚えている。
私は、舞台上で女性が歌われるのに合わせて、声は出さないながら、心の中で一緒に歌った。
そして、コンサートが終わって、その女性が偶々私の近くに来られた時、その素晴らしい歌に心から感謝の気持ちを伝えた。
次に、溢れる思いを込めて、この詩の全文を、載せさせていただきます。
死んだ男の残したものは
死んだ男の残したものは ひとりの妻とひとりの子ども
他には何も残さなかった 墓石ひとつ残さなかった
死んだ女の残したものは しおれた花とひとりの子ども
他には何も残さなかった 着もの一枚残さなかった
死んだ子どもの残したものは ねじれた脚と乾いた涙
他には何も残さなかった 思い出ひとつ残さなかった
死んだ兵士の残したものは こわれた銃とゆがんだ地球
他には何も残せなかった 平和ひとつ残せなかった
死んだかれらの残したものは 生きてるわたし生きてるあなた
他には何も残っていない 他には何も残っていない
死んだ歴史の残したものは 輝く今日とまた来る明日(あした)
他には何も残っていない 他には何も残っていない