のんスケの‥行き当たりバッタリ!

ぐうたら人生を送ってきた私が、この歳になって感じる、喜び、幸せ、感動、時に怒りなどを、自由に書いていきたいと思います。

海から川を遡り、そして山頂へ ( 「日本百名山」より ≪西表島・古見岳≫)

2020-06-08 14:52:05 | 日記

NHKBS3の「日本百名山」は、私の大好きな番組の一つ。 毎回録画して見ている。

5月18日(月)は、沖縄・西表島の≪古見岳(コミダケ)≫が取り上げられていた。

       

 

 

 

私にとっては、古見岳という山の名まえも聞き始めだったし、何よりこの山が標高僅か469Mであることに、ビックリした。

「こんな低い山が、百名山に取り上げられるのはなぜだろう?」

     

 

                     

              古見岳のある西表島は、沖縄本島から南西に430キロ、珊瑚の海に浮かぶ、八重山諸島最大の島。

 

 

そんなに低い山が「百名山」に取り上げられるには、古見岳ならではの素敵な“魅力”があるに違いないと思ったけれど、

番組を見始めると、その“魅力”が何であるかに、すぐ気づくことができた。

 

 

今回古見岳登山を案内してくださったのは、ガイドの八幡暁さん

八幡さんは、これまで世界の海をカヤックで巡ってこられた。

そして、世界中の海や川を旅する中で見えてきた、“自然”や“命”の大切さを、伝えてこられたのだそうだ。

     

 

                       

 

 

私はまず、この八幡さんの男性的な風貌、飾り気の無い率直な物言い・振る舞いに、心惹かれた。

そして、彼が何気なく発せられることばの面白さ(ユーモアのセンス)や、自然についての見識の深さを、素晴らしいと

思った。

 

今回の登山は、海から始まった。

西表島西部にある「上原」から、カヤックで、古見岳の麓の「ユツン川」河口を目指す

      

 

 

 

八幡さんはカヤックを操りながら、大声で次のようにおっしゃった。

山の森に入る前に 海の森が見えますよ!」

“海の森”かあ! 私はこのことばを聞いただけで、もう嬉しくなる。

      

 

                       

 

 

今回八幡さんが、直接ユツン川河口から登山を開始されずに、わざわざ上原からカヤックに乗ってユツン川河口に向かわ

れたのには、訳があった。

それは八幡さんが常日頃思っておられることを、視聴者に感じてもらうためだったのだ。

 「雨が降って 山が保水して 川に流れて また海に帰る。

  その循環の中に 生き物 (人間だけじゃなく 植物も 動物も 昆虫も) の営みがある。 

  だから 水をたどれば 生きるということの意味が 感じられる。」

 

以前、今では美しくよみがえった珊瑚の海にも、珊瑚の大白化が見られた時期あったのだそうだ。

 「こちらの自然は、まだ珊瑚の大白化があっても、自然のサイクルに戻れるんですよ。

  でも、陸域がダメになっていると、いったん白化したら、復活はできないんです。」

 

 

ユツン川河口でカヤックを下りられた八幡さんは、周りに生い茂るマングローブを見ながら、その中の「オヒルギ」を例にし

て、彼らの生きる知恵を教えてくださった。

     

             マングローブの一つ・オヒルギ

 

 「オヒルギは成長すると、下のような長い種を付ける。

  この種は熟すると自然に下に落ちるが、落ちた時が干潮なら、その場で発芽し、やがて木へと成長していく。

  しかし落ちた時が、あいにく(なのか、幸いなのか)満潮だったら、種は波に乗って流され、遠くの島かどこかで発芽

  する。」のだと。

 

自然の生命力ってすごいなあ! そして、なんて神秘的なんだろう!

 

     

                  オヒルギの種

 

                       

                                     オヒルギの新芽

 

 

 

八幡さんはその後、いったん山道に入って、登っていかれる。

この時比較的河口に近いところで咲いていた、「セイシカ」という花。

もっと山道に入ると、沖縄料理には欠かせない「シークヮーサー」が、いっぱい生っていた。

     

    

                       

 

 

 

八幡さんは、今でも童心を忘れない、無邪気な方でもある。

昔川でよく釣った「コンジンテナガエビ」というエビを見つけると、草で作った仕掛けでエビを釣っては、大喜びしておられた。

     

             釣り上げたコンジンテナガエビ

 

 

また、島の人たちの暮らしにも強い関心を寄せられ、島に伝統的な「マングローブ染め」にも挑戦されていた。

     

 

                        

                              八幡さんが染められた、自分のTシャツ

 

 

 

ユツン川はいよいよ流れが激しくなり、『ユツン三段の滝』が現われる。

        

 

    

 

 

この滝の水の流れを見て、八幡さんが思わず発せられたことば……「水っぷりがイイですよ!」

なるほど、「水っぷり」ねえ! 言い得て妙な表現だ、と感心する。

そもそも「水っぷり」って言葉ってあったかしら?

たぶん八幡さんの造語だと思ったが、念のため広辞苑で引いてみたら、やっぱり「水っぷり」は無かった。

言葉のセンス、凄いなあ!

 

 

 

八幡さんの言葉のセンスの素晴らしさについてもう一つ。

「ユツン三段の滝」をてっぺんまで登り、しばらく苔むした岩がゴロゴロしている処を過ぎると、オオタニワタリなどの亜熱帯

の木々がおい茂った森に出た。

その時の八幡さんのことば……「妖精 いますね!」

    

              苔むした岩がゴロゴロしている

 

          

                         オオタニワタリ 

 

                  

 

 

 

いよいよ、469Mの山頂に到着。

山頂からは、「石垣島」やまっ平らな「竹富島」などが望める。

   

 

                   

 

その山頂で、八幡さんがこう言われて、今回の登山(旅)を締めくくられた。

 「まず、美しいですよね、自然が。

  多くの人は都市で暮らしていて、登山という形で山に入って、非日常を楽しむ。

  でも、島の人にとっては、日常のフィールド。

  だから、日常の中でそれが、どれほど大切に守られているのかってことが、強く感じられる旅になりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 


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2 コメント

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古見岳 (じゅん)
2020-06-09 08:00:38
 時々百名山の番組は見ていますが、この時は見逃してしまいました。低い山なのに100名山の一つになっているのは、それなりの理由がいくつもあったのですね。自然が豊かであるのが素晴らしいですね。いろいろな植物や生き物などが居て・・・一度のんスケさんに春のシーズンのラフティングをニセコで味わってほしいですね。怖いけど楽しいですよ!
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じゅんさんへ (のんスケ)
2020-06-09 15:33:14
 多分「古見岳」は、いわゆる百名山には入ってないと思うんです…。番組では百名山はもう出尽くしていて、いわゆる百名山でなくても、いろんな意味で素敵な山を紹介しているように思います。
 ラフティングですかあ!?目が回ってぶっ倒れそう!(ー_ー)!!
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