ブリューゲル作 <バベルの塔>
私の不用意さから、先日<バベルの塔>の展覧会の会期前に美術館に行って無駄足を踏んでしまったことは、ブログにも書
いた。
展覧会の会期は9月まであり、そんなに急いで行かなければということはないのだけれど、猛暑のこの時期、展覧会行きは、
太陽に照らされて自然の中を歩くのと比べると、比較的楽だ。
そこで今週の水曜日(26日)、小中学校時代からの友だち・Aさんと一緒に、国立国際美術館に行った。
今日のブログのタイトルに、「やっと遭えた<バベルの塔>」と書いたが、私は以前から<バベルの塔>を何が何でも見たい!
と思っていたわけでもなかった。
私は絵を見るのは好きだけれど、西洋の宗教画には(自分がキリスト教というものを全く理解できていないため)、ほとんど
関心が持てない。
私が心を揺さぶられるのは、そのほとんどが、18世紀後半から始まる<印象派>以後の絵画だ。
印象派よりずっと前の16世紀に、フランドルで活躍したブリューゲル。
けれどもブリューゲルは、16世紀の当時にあって、宗教画はほとんど描かず、働く農民の姿を、細かく明るい色調で描いて
いた。
その作品を、私は嫌いではなかった。 と言うより、むしろ好感が持てた。
ブリューゲルが、働く農民と喜びや悲しみを共にし、しかもそれを深刻ぶらずに、大らかに描いているようで。
そのブリューゲルが描いた<バベルの塔>。 でもそこには、何か宗教めいた雰囲気が感じられた。
なので私は、この絵に、あまり関心を持てなかったのかも知れない。
でも、<バベルの塔>が好きな、故郷の友だちから、私が行くなら、ポスターでも買って送ってほしいと頼まれた。
それもあって私は、今回を逃したら本物を見る機会が無いだろう<バベルの塔>を、見に行こうと決めたのだった。
(いつものことながら、前置きが長くなってしまいました。スミマセン!)
展覧会は、ブリューゲル以前の画家&彫刻家たちの作品と、ブリューゲルの版画が大半を占めており、ブリューゲルの絵画
は、結局<バベルの塔>だけだった。
<バベルの塔>というのは、「旧約聖書」に出てくる話だそうだが、私はそれとは離れて、一枚の絵画として<バベルの塔>を
観た。
すると、<バベルの塔>がなんか、あの<サグラダ・ファミリア教会>に重なって見えてきた。
<バベルの塔>には、塔の中や周りに、なんと、1400人もの人たちが描かれているのだそうだ。
<サグラダ・ファミリア教会>は、ガウディの死後も、多くの人々によって建設が続けられている。
<バベルの塔>に描かれている1400人の人々は、<サグラダ・ファミリア教会>の建設に、今も真心込めて携わっている人々
を連想させる。
<バベルの塔>は、16世紀の(或いは、ブリューゲルの)<サグラダ・ファミリア教会>ではないのだろうか?
そんな想いが、私の心に湧いてきた。
もちろんこの想いは、何の根拠も無い、私の勝手な解釈に過ぎないのだが‥。
展覧会場を出ると、写真撮影可能な<バベルの塔のポスター>が、貼ってあった。
たくさんの人たちが、その絵の前で写真を撮っておられた。
私もその絵を撮ってから、Aさんとともに展覧会場を後にした。
<バベルの塔>は、人物の身長から換算すると、510mあるのだそうだ。
<バベルの塔>・上部
<バベルの塔>・下部
塔にかかる雲
ところで 先日の つくつくほうし の件ですが どうやら鳴き声が 蝉の 名前になったようで ツクツクボウシがなまえだそうです🙋
バベルの塔、喜んでいただけて嬉しいです
ツクツクボウシは、鳴き声がそのまま名まえになったんですね。ありがとうございました