かなり前のことになるが、テレビ「日曜美術館」で、彫刻家≪佐藤忠良氏≫の特集を見て、いたく心を動かされた。
そしてその「佐藤忠良展」が、滋賀県守山市の≪佐川美術館≫でちかく行われる事も、その番組で知った。
展覧会の期間に入ってから、早く行こうと思いつつ、他の予定が詰まっていてなかなか行けなかったが、22日(日曜日)になって、やっと行くことがで
きた。
当日は他の予定がなく、その上雨降りだったので、花を見に行くのには不都合…。
美術館だって、雨降りよりは晴天の方がいいけれど、晴天だと、どうしても花を見に行きたくなる。
そこで、「行くのは今日だ!」と意を決して、出掛けることにしたのだった。
佐川美術館に行くのは、今回が初めて。
パソコンで行き方を調べて、パソコンの指示どおりに行くことにした。
まずは、JRの新快速で京都まで。
高槻手前の辺りで列車が徐行した時、車窓に、雨の中でけむるように咲いている菜の花を見つけた。
京都駅でいったん降りて、湖西線に乗り換えて堅田まで行く。
美術館のある守山は湖東なので、どうして湖西線に乗り換えるのか初めは疑問だったが、どうも、堅田から佐川美術館行きのバスが出ているらし
い。
(帰りに分かったんだけど、守山からも美術館行きのバスが出ていて、私の調べ方が悪いのかも知れないけど、パソコンも案外当てにならないな
あ…と思った。)
堅田から、バスは琵琶湖大橋を通って、対岸(湖東)の美術館へ。
雨が降っていて外はそんなによくは見えなかったけれど、琵琶湖大橋を渡れたのは、ともかく良かった。
佐川美術館、到着!
佐川美術館についても何の知識も持たないまま行った私は、水に浮かんだかのような美術館の佇まいに、まずは驚かされた。
なみなみと満たされた水は、たぶん、琵琶湖をイメージしたものだと思う…。
水を両側に見ながら、美術館の玄関に向かう。
美術館の廊下から外を見ると、満々とたたえられた水の中に、佐藤忠良作のブロンズ像が毅然と立っている。
いよいよ佐藤忠良の展示室へ。
彼の作品はどれも、人間のありのままの姿をてらいなく表現していて、しずかに心に響いてくる。
ここでは、私が特に好きだった作品をいくつか、載せておきたいと思う。
←「常磐の大工」(1956年)
←「木曾」(1955年)
←「群馬の人」(1952年)
なかでも、写真下の「魚商の女」(1960年)は、その凛とした表情が、私の心を強く捉えた。
佐川美術館には、佐藤忠良展示室の他に、あと二つ常設の展覧室がある。
一つは、≪平山郁夫氏≫の「平和の祈り」と題された展覧室。
あと一つは、≪樂吉左衛門展示室≫。
この展示室は、階下の、照明を極力おさえた展示室で、広い空間の中に、樂吉左衛門氏の作品が、ゆったりと置かれていた。
私は、この二つの展示室もゆっくり見た後で、水に面した喫茶室(美術館内)に入り、サンドウィッチセットをいただいてから、美術館を後にした。
最後に、喫茶室からの水の風景を、もう一度‥。
喫茶室からの最後の風景は正に圧巻!
私も 「魚商の女」 に惹かれました♪
「魚商の女」に惹かれた、と書いてもらって、とっても嬉しいです♪