銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

長谷川等伯と青い空

2024年01月19日 | のほほん同志Aの日常

今日から神戸ルミナリエが開催する、と朝のニュースが伝えていました。

阪神大震災からの復興を願い、1995年から始まった神戸ルミナリエ。
例年は年末に行われていましたが、今年は震災が発生した1月に開催です。

その日からちょうど29年となる1月17日、京都に出かけました。

祇園八坂の塔を望む料亭さゝ木さんでのお食事。



雲一つない真っ青な空。
瀬戸内海沿いで育った身には、おなじみの冬の朝です。

そんな青空のもと、午後から訪ねたのが、東山七条にある智積院の宝物館でした。
こちらは、長谷川等伯・久蔵父子による襖絵を収蔵していることで知られます。

等伯筆の「楓図」と、跡取り息子であった久蔵による「桜図」。
狩野派を思わせるような、豪華絢爛たる障壁画です。

等伯といえば、能登七尾生まれの絵師。

京に出てきて頭角を現し、狩野派を脅かす存在となりましたが、
でもやっぱり等伯といえば、あっちだよなぁ…と
帰宅後、本をめくってみると、、




やはりありました、「松林図屏風」



この本の著者は、自身も画家であり、2016年に在住先のスペインで亡くなった堀越千秋さん。

『美を見て死ね』という、やや過激なタイトルがあらわすように、
どんな無味乾燥な解説書よりもぐいぐい迫ってくる、「美」の指南書です。

「松林図屏風」の頁から少しご紹介すると、、


「(等伯は)最愛の跡取り息子を26歳で亡くしたあとに、
 故郷の能登の浜辺の松林に思いをはせて描いた、と言われている。」

「たくさんの障壁画は、依頼品であり、わが名を高めるべき名品でなくてはならぬ商品であった。
 いわば外ヅラである。
 ライバルの狩野派に対抗しうる、勝ち誇った絵を描いたのだ。」

「そこに悲しみを吐露するスキはない。
 しかし息子を亡くした等伯には、こんな心象風景だけが残ったのだろう。」





この屏風絵を、等伯は故郷の能登から遠く離れた京の都で描きました。

故郷の冬空とかけ離れた、抜けるような青空は、
等伯にはつらすぎたかもしれません。






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