ほら、これ!
ハワイ島へと出発する飛行機を待つ搭乗ゲートで、
先のお客さまから、どさっと紙の束を渡されました。
何かと思ったら、これまでの旅先の記録です。
縦長のA4用紙に、写真が6枚。
一目でその土地と分かるモニュメントや記念碑の前に立ったご自身の写真で、
訪ねた日やその土地の簡潔な説明も、きちんと添えられています。
どの旅先での記録も、きっちりこの形にまとめられ、
100枚ほどはあるのでしょうか、つまりそれは、100の旅先の記録なのです。
80歳を過ぎた今も平日は現役でお仕事をされており、週末は必ずどこかの山へ。
ときには休みをとって、今回のように海外へも。
今回のハワイでもカメハメハ大王やキラウェア火山、
それぞれのポイント前で記念撮影をしておられましたから、
遠からず、選りすぐりの写真6枚が、A4用紙1枚にきれいにまとめられるはず。
その方だけではありません。
海外にお出かけになるたびに、
出会った風景の数々を1冊の写真集のようにきれいに製本して、
送ってくださる方もあります。
人それぞれに、旅先での時間の留め方があるのでしょう。
――私にとってそれは、いつも、一瞬の情景です。
ハワイ島から帰国して一週間になる今、くりかえし思い出すのは
今回の目玉であった「海に流れ落ちる溶岩流」ではなく、
ハワイ諸島のユニークな植物たちでもなく、
この風景なのです。
数年前に流れ来て、小さな町を飲みこんだ溶岩流。
木も草もまだ生えていない、黒々とした溶岩台地のうえに、
それでも家を建てて暮らす人たち。
写真には撮れていないのですが、夜にも同じ道をたどりました。
降るような星空と、真っ黒な波。
虫も鳴かない、波の音しか聞こえないなかに、ぽつんぽつんと灯る明かり。
まるで昔みた映画のような、一瞬の情景。
ほら、これ!
と人さまに見せられる形になるには、もう少し時間がかかりそうです。
(というわけで、原稿用紙5枚分ぐらい書かないといけない添乗報告が
なかなか仕上がらないことの言い訳でした…)
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