靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

黙してグレーへダイブ

2012-03-09 00:41:10 | 思うに
子どもの頃は大人が汚く見えたものだ。世の中を悲しみ涙を流した何分後かには美味しい美味しいと目の前の食べ物に舌鼓を打っている。

生活していくということ。家族があるのなら養う必要もあり。座って見守るキラキラとした瞳の横で、強壮剤でも飲み干しながらカフェインで奮起しながら時にはアルコールで緩めもしながら身体を動かし続ける。やがて身体は汚れ瞳は濁り。

大人になって思うのは、それでもグレーに入り込まないことには何の動きも生まれないということ。グレーから白だけ取り出しいかに素晴らしいかを、グレーから黒だけ取り出しいかにダメかを並べ立てたとしても、実際の動きは生まれやしない。動きを生み出す「実践」はグレーなのである。

望みはそのグレーが向う「方向」。白に向う方向と、黒に向う方向と。そしてどこへ向うかの流れを生み出すのは、グレーに染まった実践者。

黙して頭を垂れグレーにダイブ。時折空を見上げる瞳が今は濁って見えたのだとしても、あのキラキラとした瞳を内にしっかりと抱きつつ。グレーの先の真っ白な光を見つめて。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿