靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

整理、成長を促す要の仕組み

2012-08-04 00:34:14 | 今週の整理
1.8月に入り夏休みもあと3週間ほど。キンダーに入る三女(こちらはキンダーが小学校一年生に入学というような位置づけ。校舎もスケジュールも一年生と同じ)、中学生になる長男、3年生6年生になる次女長女、皆新しいスタートに向け胸膨らませ。教科ごとにファイルを整え、鉛筆やノートなどの文具を揃えながら。夏休みに向けカウントダウンしていた子供たちが、今は新学期に向けカウントダウンしている

2.晴れ渡った夢のような夏日続き一週間の後、曇り雨曇り雨。気温も10度前後と落ちる。さ、寒い再びしっとりと過ごす日々。ガレージに残る箱整理。娘達もジグゾーパズルやアートクラフト作りがはかどっているよう。

3.長男が7泊8日のプログラムを終え帰宅。修了式、日焼けして友達と笑いながら話す姿を見てほっと力が抜ける。10時半就寝5時半起床、航空工学について学びつつ、ハードなフィジカルトレーニングにずっと筋肉痛だったらしい。一点を見つめじっと立つ、行進の仕方、ベッドの完璧な整え方、目上の人への姿勢なども学ぶ。軍従事者の戦争体験や過酷なトレーニングの話も聞く。身体的にも精神的にも生きるか死ぬかの前線にいつでも立てる自分であるということの厳しさを、少し垣間見たよう

4.帰宅翌日からロボット工学のワークショップ。2週間前に5日間参加したロボット工学日帰りワークショップ、週ごとにテーマが変わりあと残り2日間だけれどどうしても参加したいと長男。担当教授に問い合わせると快く承諾。新居から歩ける距離にあるアラスカ大学のキャンパスにて。BPがスポンサーとなりランチつきで無料。身近にこういう機会があるというのは本当にありがたい

5.思春期の子供達にとって、誠実に親身になって育てようという意志のある親以外の大人達の存在が大切だとつくづく感じている。学校の勉強だけでなく、スポーツや部活動など然り、他にも実社会で様々な大人に出会い、様々な分野の生の声を聞き体験できる機会があれば。ティーンにもなれば、働き手としてかなりのことができるもの。図書館や科学館などの公的機関でティーンのボラティアが募られていたり、企業が体験プログラムを設けたりしているのもありがたい。不登校や引きこもりの問題なども、もっと学校以外の場に思春期の子供達の居場所が用意されていけばと思う。農場や様々な分野の企業などに子供が体験でき学べる場があったら。それらを可能とする農場や企業への経済的サポートシステムと共に。思春期の子供達のエネルギーとは凄まじいもの。この溢れるエネルギーをコミュニティーでうまく導いていけたら。育てようとする時間やエネルギーは、社会全体の未来への投資に他ならない

6.変わっていけると思うか、それとももう変わることなどできない固定されたままと思うか。その考え方の違いで物事は随分と変わる

7.子供の成長を促す要の仕組みが、「両手のバランス」。少し強く力の入る利き手で抱え、もう片方の手で押しやるというバランス。両手で抱え込むのでも、両手で突き放すのでもなく。成長とは二つの正反対の働きのせめぎあい、そのダイナミックなバランスによって促されていく

8.「両手のバランス」は「母性スイッチを常にオン父性スイッチを時折オン」の感覚と似ている。母性父性というのは女性男性母父ということではなく、一人の人の内に両性備わっているもの
母性: 無条件・受け入れ・緩み・境界なし・接続・内
父性: 条件付け・突き離す・張り・境界作り・切断・外へ

社会に出れば父性優位。家族という単位を越え、より大規模な集団が共に暮らしていくためにはより父性が必要。無条件に失敗を許されもう一度チャンスを与えられ、といった母性に包まれることはそうそうあるわけでもない。そこで家庭では常に母性スイッチをオンに設定しておくぐらいが丁度よいバランス。母性スイッチを常にオンにしたまま、父性スイッチをところどころでオンにしていく。

母性スイッチが「オフ」になっていると、まず子供が近寄りがたそうになる。特に小さな子供たちの様子に如実に表れる。そして自身を鏡に映すと、無表情であるか眉間に皺がよりいかつい顔になっている。母性スイッチを「オン」にすると、眉間が緩み微笑が生まれる。そして子供たちの顔にも笑顔が広がる。外で仕事を終え、帰宅する前に一度自身の姿を鏡に映してみるのもいい。忘れていた母性スイッチをまず「オン」にして玄関の扉を開ける

9.他人と一直線上に並び、あちらが長いからこちらが短いからと歩みを止めてしまわない。線は人の数だけある。自身の線に立つ。自身に立ち返り一歩一歩、丁寧に疾走。誰か他の人になろうとするのでなく、自分に与えられているギフトを磨き形にしていく。

10.失敗も成功も過程

雨にぬれた緑のにおい、アンカレッジより。
Have a wonderful weekend!