靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

「胎内記憶」

2011-10-20 00:32:07 | 子育てノート
胎児は30週くらいから記憶力を持つことが分かっている。オランダの実験で、100人の妊婦に低音(低音であるほど羊水を伝わりやすいらしい)の刺激を与えたところ、初めは驚いた反応を示した胎児も何度目かには驚かなくなったという。一ヶ月間ほどの短期間記憶(short-term memory)から始まり、多分もっと長く覚えていられるのだろうとのこと。また30週以前の胎児はこの低音には反応を示さなかったけれど、刺激を変えることで記憶力があることが分かってくるのかもしれない、と。妊婦が頻繁に見ていたテレビの主題歌を記憶している反応を示したり、妊婦のおなかに向かって読み聞かせを続けた父親の声を覚えていると思われるような新生児もいるという。(Scientific American 2010, Live Science 2009)人間の脳の仕組みに似ているとされるニホンザルの実験でも、胎内にいるときから母親の声を記憶し始めていると推測されるようなものもある。(『0歳児が言葉を獲得するときー行動学からのアプローチ』正高信男)

確かに新生児でも母親の声を聞き分けていると自身の体験を通して感じた。母親の声を聞くと顔を向けようとしたり落ち着いたり。母親の声の記憶が胎内にいたときから始まっているかどうかというのは分からなかったけれど。

言葉を話し質問の内容もよく分かるようになってくる3歳頃、子ども達に聞いてみたことがある。「ママのお腹の中にいたとき何してた?」皆スラスラと答えた。本当に覚えていてそう言っているのか想像の世界から話しているのかは定ではなかったけれど。「泳いでた」「寝てた」「食べてた」、「猿の上に座ってたの」というわけの分からないものもあった。

昨夜寝る前、リラックスしてその日あった出来事などを皆で話しているとき、ふと2歳の次男に聞いてみようかという話になった。皆で説明するも、次男さっぱり質問の意味がのみ込めないよう。「あ?ママのお腹?中に?赤ちゃん?」ひとつひとつの単語の意味がうまく繋がらない。「ママのお腹ポヨポヨ」と最後は満足げに私にもたれて眠ろうとする。(笑) 

他の子達が話し始める。「ママのお腹にいたときのこと覚えている気がするんだよね」

「内戦があってね、カノンの砲弾が飛び交う中を逃げ回ってた」
「山の中で花を摘んでいて、墓石が見えた」
「大きな部屋の壁中に絵を描いてた」

12歳、10歳、7歳の上3人・・・。4番目はポワンとした顔をして聞いている。一見普通にふ~んと聞きながらも、内心「あなたたち一体何を言い出すんだい」とかなり激しく驚いていた私。(笑)

寝る前のしっとりした時間、表情からその場で作っているようにも見えず。多分どこかで見た映像とごっちゃになっているのじゃないかとも思うけれど。何だか微妙に今の3人の雰囲気と重なるようでもあり。

皆で不思議な気持ちになった夜。

日々立ち上がる力

2011-10-20 00:29:28 | 出来事や雑感や (その他)
昨日午後三女は週1のプレスクール3時間。

次男と2人の時なんて今まで数えるほどしかなかった。というか他の子が学校へ行き1番下とだけ過ごすというのは、12年間で初めてのようなもの(三女が生まれる3日前に長女が学校へ行き始め次女と2人で3日だけ過ごしたのみ)!

いつも三女と絡み合って遊んでいる次男、その相手を全部私がするんだなと覚悟していたものの、結構次男との2人を楽しんでいる自分がいる。食材の買出しを済ませ次の用事へと向かう途中次男カーシートで眠り始める。駐車場に車を停める。この用事は何とか明日にまわそうか。1時間もすればまた夜眠る直前までノンストップで予定が詰まっている。ぽっかりと空いたような静かな時。

ヴィジョンを書き出し整理。今年中、来年、その後。

これなら何とかできそうという目標から、まだ達していないその目標の先まで。今は夢のようにも思えることだけれど。

ヴィジョンが日々立ち上がる力をくれる。

とても貴い時だった。